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悩める女性マネージャーに贈るチーム作りのヒント|未来食堂・小林せかいさん対談(2)

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会社員・フリーランスに関わらず、チームマネジメントは永遠の課題。どうすれば良いチームをつくり、持続できるのでしょう
未来食堂の店主・小林せかいさんの著書誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか――ゆるいつながりで最強のチームをつくるには、「最強のチームとは、失敗から進化できるチームです」のメッセージ。
未来食堂は、”50分働くと一食無料”の『まかない』という仕組みで運営されており、働く人が50分ごとに切り替わる仕組み。いわば究極的に流動性の高いチームで運営されている飲食店です。
店主のせかいさんは日々、どうやってチームをマネジメントしているのか。
せかいさんと中学・高校の友人であるWaris https://waris.co.jp/人材紹介会社)共同代表・河とCue編集長・松岡で、未来食堂にお邪魔しました。

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目次

リーダーは巨人であり、電車?!
頑張り過ぎるリーダーはダメ?
優し過ぎるマネジメントはやめよう
メンバーに仕事の“背景”を伝えるより大切なこと

<登場人物>
小林せかいさん(以下、せかい)
未来食堂 /東京工業大学理学部数学科卒業。日本IBM、クックパッドでエンジニアとして勤務した後、さまざまな飲食店での修業を経て、2015年9月、東京都千代田区一ツ橋に『未来食堂』を開業。事業計画書や毎月の売上をすべて公開する「オープンソース化」や、50分のお手伝いで一食が無料で食べられる「まかない」など前例のないシステムで飲食業界に革命を起こし、日経ウーマン「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017【食ビジネス革新賞】」を受賞。

河京子(以下、河)
株式会社Waris共同代表 /慶應義塾大学総合政策学部総合政策学科卒業。株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)で、企業と個人のマッチングや、大型採用を行う企業への、採用コミュニケーションプランの立案などを担当。リクルートキャリア在籍中の2013年4月、ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。2014年6月にリクルートキャリアを退職し現職。

松岡永里子(以下、ー)
Cue編集長/広告代理店で法人営業、不動産ディベロッパーでビルマーケティング・営業サポートを経て、ITベンチャー企業・エンファクトリーに入社。2018年よりマネージャーになり、メンバーとの関わり方に日々悩む。2019年より複業でCueの編集長を務める。

リーダーは巨人であり、電車?!

お店のメンテナンスをしながら対談するせかいさん(奥)と河(手前)


河:私が著書誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか――ゆるいつながりで最強のチームをつくる」を読んで特に印象的だったのが、「アリと巨人」の話。※)振り返ると、私も創業して1,2年のころチームマネジメントに苦しんだことがあった。私はフラットで接しているつもりなのに、メンバーが押しつぶされていて、パワハラマネージャーだったの。

※アリと巨人:アリ(メンバー)と巨人(リーダー)が行動した際に、共存するために必要な配慮をすべきは巨人(リーダー)だとわきまえること。

せかい:その状況って意外と指摘する人がいないんだよね。

 

いない。しかも、みんなも最初は「フラットなチーム、いいじゃん」って同意して進むんだけど、あれなんかおかしいぞ…みたいな。
私の場合は、「河さんは自分が思っているのと違って、古い体質のマネージャーです」ってあるメンバーからはっきり言われて。

 

言ってくれるなんて良いメンバーだね!

 

そこで覚醒して、マネジメントや組織論に関する本を読み漁った。当時は、マネージャー経験もなかったし、マネジメントしているつもりもなかったからショックだったな。
あと、「あなたは電車です」※)っていう例えを読んで衝撃だった。「あれ、私『運転士』じゃないの?!」って。

あなたは電車:目的地に進むエネルギー、意志はリーダーが自ら動くことでしかチームに生まれないという意味

チームの熱量って結局、コアメンバーから出るものだから。マネージャーやリーダーが「運転士みたいに)自分はまとめ役」思ってしまうと、言動の端々にその考えが滲み出て、チーム内に伝わっちゃう

 

本当そう、リーダーのあり方がチームに蔓延するね。

 

リーダーは、メンバーと対等ではないと自覚し、熱量をもって自ら動くべきだと思うな。

 

頑張り過ぎるリーダーはダメ?

―一方、私は「あなたは電車」と言われて、チームメンバーに伝播するような熱量がないからリーダーとしてダメかもって思っちゃったんです。

たしかにそれは、議論したいポイントだね。リーダーが頑張り過ぎると、「あんな風にはなれない」と線を引くメンバーがてくるだからリーダーは、ふわふわしているぐらいがちょうどいいんじゃないかと思うんだよね。

 

頑張り方が、何かを犠牲にしている感じだと、距離を置きたくなるのかも。
私も「せかいさんみたいになれません」は言われるけれど、決して温度差があるわけではなく「この人はこういう変わった人」みたいな感じで(笑)

―私は仕事で、「私だけ頑張る!」みたいなシーンがあって。
メンバーは「そんな頑張れない」という雰囲気で、先に帰っていくのですが……それでも「嫌われたくない」と思って何も言えないんですよね。

「助けてよー」「しんどいんだけどー!」って言ったほうがいいんじゃない?

 

「私も残業したくないから、アイディアをちょうだい!」って呼びかけるほうが伝わるかもしれないね。

 

―メンバーと同じ目線で助けを求めればいいんですね。

一方で、マネージャーはメンバーから「何でこんなに頑張っているのに、認めてくれないんですか」と言われるのも、辛いよね。

 

まかないさんに、「頑張っているのを認めてくれない」と言われたことがないな。未来食堂がうまく回るのは、分かりやすいミッションがあるからだと思う。オープンをする、ランチピークを乗り切る、しっかりクローズする。
「そもそも、何で集まったんだっけ?」ってなることがないからね。

目的の明確化とそれに向かってリーダーが一番頑張る姿を見せる、が大事なんだね。

 

でも、リーダーが1人で頑張って、報われないのも辛い。そういうときは、共感ベースの働きかけをしたほうがいいよね。
「私が辛いから、何とかしてほしい」ではなくて、「あなたが辛いように、私も辛いから、一緒に解決策を考えませんか」と働きかければ、距離が近いし、独りよがりになりにくい。チームメンバーが、リーダーを助けたくなるような振る舞いも大事です。

優し過ぎるマネジメントはやめよう

まかないさんたちも、如実に「せかいさんみたいになれません」と弱音を吐く段階があるんですよ。

 

どんなとき?

 

まかないさんが徐々に1人で動けるようになってくる。そして、新しいまかないさんに、教える立場になる。でも、99.99%の人は優しく接し過ぎてうまくいかない
1つの仕事ができるまで見守ったり、丁寧に教えすぎたりすると、自分の仕事が止まり「自分の仕事が進まない、どうしたらいいんだろう」なってしまう。これが未来食堂で修行しているときにぶつかる壁。優し過ぎちゃうんですよね。

うまく教えるコツや思考法ってある? せかいは、「見れば分かる」と言って、あまり手取り足取り教えないけれど、普通の人は、嫌われたくない心情でできないよね。

 

私は、自分の仕事をするためのリソースをブレずに確保したくて。そのために必要なことは、「分かりやすい指示」だと思っているよ。
なぜなら、分かりやすい指示でメンバーの仕事が進むのであれば「キツイ言い方だったかな」「分かってくれたかな」など、気をもむ必要がないから。リーダーは、優しければ優しいほど、チームメンバーに振り回されちゃうんだよね。

嫌われてしまうかもと思って、意見を聞いちゃうのも、やめたほうがいいのかな。

 

うん。気遣いで「どっちがいい?」「どう思う?」とサジェスチョンし過ぎるのは、メンバーを迷させてしまい良くないと思う。
分かりやすい指示ができているかどうか、ものすごく気をつけています。

メンバーに仕事の“背景”を伝えるより大切なこと

お店のメンテナンスを手伝う河

―あともうひとつお聞きしたいことがあって……

どうぞ!

 

―指示について「すべてを伝えずに、情報を整理して伝える」って著書にありましたが、私は誰に何をどこまで言うか、いつも迷っているんです。
しっかり背景を伝えないと動かないメンバーも、情報は少ないほうが動きやすそうなメンバーもいるので。

マネジメントの黄金ルールとしては、背景を伝えるのがよしとされるけれど、相手によっては明確な指示があったほうがいい場合もあるよね。

 

仕事には、「背景」があり、「今」があり、「これから」がある。背景を知りたがる人が多いけど、意識すべきは、「今」と「これから」のこと。まずは、今の自分の仕事が、次の受け手にとって良いアウトプットとして出せるかどうかに集中することが大事だと思っていて。このアウトプットの完成度が高い人って、実はあまりいない。
メンバーに「自分の業務が次、誰にどういう風に作用するか」を意識づけできると、いいチームになると思う。メンバーそれぞれが自分を発生点にして、次のボールを受け取る人にとって「ちょっとでも良くなるか」という点に意識が向くと、リーダーは振り回されなくなる。

―確かに。“背景”を伝えるかどうか迷うこと自体がちょっとズレていたんですね。
今日は、ありがとうございました。日々の業務で意識していきたいと思います。

仕事に一生懸命になると、チームの業務のアウトプットやそのときの振る舞いばかりに目を向けがち。でも、もっと相手のことを見ることがまずは必要なのだと改めて気づくきっかけになりました。
1人ではできないことが、チームだと実現できる……当たり前のことを、忘れてしまわないようにしたいなと思うのでした。

撮影・文/松岡永里子)

自分らしく働きたくなったら

 

 

 

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松岡 永里子

Cue新編集長(2019/3〜)1988年生まれ。広告代理店で法人営業、不動産ディベロッパーでマーケティング・営業サポートを経て、ITベンチャー企業・エンフ...

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