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「おいしい」は魔法のコトバ。毎日の料理を楽しくするには? 料理家・山口祐加さんインタビュー

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プロの料理と自分の料理を切り分けて。もっとシンプルに料理を考えてみよう

山口:食事や料理に対して、それぞれ自分のスタイルがあって、それを誰かに否定されるのはおかしな話。自分はこれでいいと思っていることが、大事なんです。でもどうしても、「かわいらしい料理を作らないと」や「上手に盛りつけできなかった」と悩むことが多いと思うんです。

ーそうですよね。私の場合は、スマホでレシピ動画を見ながら作ってみても「盛りつけが全然違う……」となってしまいます。
動画を見て理想を描いて作っても、実際うまくできなかったときの「何がいけなかったんだろう?」という自省が苦しいです。ましてやインスタには載せられない(笑)でも、理想としては”映える”料理を作りたいって思っちゃうんですよね。

山口:プロが作った美しい料理を、おしゃれなお皿に盛り付けたのは「120点」で満点以上のものだと私は思っています。プロが作ったものを、一般人が同じように作るのはなかなか難しい、と当たり前のことを認識しているのが大事です。
たとえば、レシピに載っていた「冷やし中華」のキュウリがとても細いのに、実際に作ったらボロボロになっちゃった。それでもおいしければ全然良いと思うんです。
プロのレシピは読者に「作りたい」と思ってもらえることが大事です。だから料理も盛り付けも美しくて当然です。「作りたい」と思ってもらうためのきれいな料理と、自分が作るものは別物です。
ー見本と自分とを分離したほうがいいんですね。

山口:そうです! お家で作るごはんは、自分がよければ合格。おいしかったらさらにいいね! と、もっと頭をスッキリさせて料理をした方がいい
そして、「おいしい!」とはっきり言葉にすることをおすすめしています。

ー言うだけでいいんですか?

山口:はい。「おいしい」って魔法のコトバだと思うんです。作る側も、ほめられて嬉しいですし、食べている側も感謝の気持ちを「おいしい」で伝えられます。

DNAに刻まれている?! 毎日の料理を楽しむには

山口:私の料理レッスン参加者のエピソードなのですが、子どもが「お腹すいたー」と騒ぐので「早く作らなきゃ!」と思って支度すると料理を楽しめていなかったと。でも、子どもに「野菜ちぎってみて」と手伝ってもらったり調理途中のものを食べさせてあげたりすると、子どもが楽しんでくれて自分にも余裕が生まれて食育にもなっているそうです。
ー「黙って待ってて」ではなく、巻き込むんですね。
山口:野菜はこうやってに焼けるんだとか、火は熱くて危ないとかを目にしながら学んでいけますよね。
そもそも、料理を楽しむことは人間のDNAに刻まれていると思うんです。生ものが少しずつ焼けていく様子を見るのって、楽しいですよね。焼肉や鉄板焼きが楽しい理由もたぶん同じ。
材料が料理に変わっていく様はとても魅力的です。料理は工程がクリエイティブで、しかも自分の栄養になる。一生使えるスキルですし、料理ができるといいことしかないと思います。

神様は、料理を楽しむ力を人に与えたとさえ思っています。3日に1回でもよかったのに、人間は1日数回食べるような仕組みになっているので。やっぱり、作っておいしく食べることはプリミティブな幸せだと思います。

ー改めて考えると、不思議ですね。なんだか毎日の料理、楽しまないともったいない気がしてきました。

「基本的に食材は買いだめしない」と話す山口さん。家の近くに野菜、お肉、お魚とそれぞれ行き着けのお店が複数あるそう。山口さんのTwitterやnoteにはおいしそうな投稿がずらり。ぜひチェックしてみてくださいね。
9月からはNIKKEIとnote取り組み「Nサロン」集中講座で「料理名のない自炊入門」もスタート。参加者募集中だそうです!

次回は、ひとり暮しの方が自炊をするコツや外食の楽しみ方を教えてもらいます。

取材・構成・文/松岡永里子(Cue編集部) 撮影/持田薫

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松岡 永里子

Cue新編集長(2019/3〜)1988年生まれ。広告代理店で法人営業、不動産ディベロッパーでマーケティング・営業サポートを経て、ITベンチャー企業・エンフ...

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