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“繊細さん”でも大丈夫! 敏感な人がラクにのびのびと生きる方法

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職場に機嫌の悪い人がいると緊張する。
人と長時間一緒にいると、疲れてしまう。
細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる。
――そんなあなたは、もしかすると「繊細さん(HSP)」かもしれません。
「繊細さん」って何?
どうしたら、繊細な人でも楽しく働ける?
HSP専門カウンセラーとして、たくさんの繊細さんをサポートしてきた武田友紀さんに、繊細さんが肩の力を抜いて、のびのび生きるための方法を教えて頂きました。

私は「繊細さん」? 診断テストで自分を知る

――「繊細さん」とは、どんな人たちなのでしょうか?

武田さん(以下、敬称略) :人一倍、感じる力が強く、物事を深く考える人たちのことです。アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したHSP(Highly Sensitive Person)という概念をもとにしています。最近は日本でも、書店で関連の本を見ることが増えましたね。

〈繊細さん(HSP)診断テスト〉

次の質問に、感じたまま答えてください。少しでもあてはまるのなら「はい」と答えてください。まったく当てはまらないか、あまり当てはまらない場合に「いいえ」と答えてください。

・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
・他人の気分に左右される
・痛みにとても敏感である
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
・カフェインに敏感に反応する
・明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
・豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
・騒音に悩まされやすい
・美術や音楽に深く心動かされる
・とても良心的である
・すぐにびっくりする(仰天する)
・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱してしまう
・人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく(たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
・一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
・ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつける
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
・あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
・生活に変化があると混乱する
・デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
・動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
・仕事をする時、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
・子供の頃、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた

以上の質問のうち12個以上に「はい」と答えたあなたはおそらくHSPでしょう。
しかし、どの心理テストも、実際の生活の中での経験よりは不正確です。たとえ「はい」がひとつかふたつしかなくても、その度合が極端に強ければ、そんなあなたもHSPかもしれません。

講談社「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」第2版 より

――私、21個当てはまりました! 昔から「打たれ弱い」とか「気にしすぎ」と言われることが多かったのですが、性格の問題ではなかったんですね。

武田:はい。性格ではなく、感覚の違いです。「繊細さん」と「非・繊細さん」は、そもそも感じていることが違うので、「強い」「弱い」という尺度で比べることはできません。生まれつき背の高い人がいるように、繊細さも生まれつきの気質です。アーロン博士によると、5人に1人の割合で、「生まれつき繊細な人」がいるそうですよ。

――5人に1人! 案外たくさんいるんですね。武田さんのご著書では、繊細さんが自分の個性を否定することなく、ありのままの自分を大切にしながら元気に生きる方法が具体的に紹介されていて、とても明るい気持ちになりました。

武田さん著書の紹介

『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(飛鳥新社)

「まわりに機嫌悪い人がいるだけで緊張する」「相手が気を悪くすると思うと断れない」「疲れやすく、ストレスが体調に出やすい」「細かいところまで気づいてしまい、仕事に時間がかかる」そんな「繊細さん」たちから、「人間関係も仕事もラクになった!」と大評判。予約殺到の「HSP(とても敏感な人)専門カウンセラー」が教える初めての本!

「私のせいで怒ってる?」不機嫌な上司への対処法

武田 繊細な人は、周りの人が気づかない、小さな変化や相手の感情を敏感に感じ取ります。相手の一言から、「非・繊細さん」が「1」の情報を受け取るとしたら、繊細さんはその言葉の背景や相手の感情など、10倍くらいの情報を受け取ることもあります。

――分かります! ちょっとした仕草や表情から「この人は怒っている」「私が怒らせてしまったのかも」とさまざまなことを感じたり考えたりして、すごく疲れてしまうんです。

武田:そういう繊細さんは多いです。感じたことを「気にしないようにしよう」と抑え込むのは無理なので、まずは席を立つなど、自分の意思でコントロールできることを変えましょう。そして、自分には何が分かって何が分からないのか、きちんと線引きをするといいです。

――「線引き」ですか。

武田:はい。相手は「怒っている」ように見えたかもしれないけれど、もしかして眠いだけかもしれない。本当に怒っているのだとしても、こちらが頭で考えた「怒っている理由」が当たっているかどうかは、分からないですよね。

――たしかに。冷静に考えればそうですね。「私のせいに違いない」と思い込むことが癖になっている気もします。

武田:仲のいい友達やパートナーに「今、怒っている?」と聞いて、自分の感じたことが当たっているかどうか、チェックしてみるといいですよ。案外予想が外れることが分かれば、いつも不機嫌な上司にも「本当に怒っているのかどうかは分からない」「怒っていたとしても、その理由までは私には分からない」と落ち着いて考えられるようになります。

「共感」できなくても「理解」すればいい

――仕事の上でも、「1」を言えば「10」伝わる相手との会話はとても楽しく感じるんですが、たとえば相手と自分の価値観がずれていて、どうしても自分の感覚が伝わらないことってあると思うんです。そんなとき、苦手な相手と分かり合うためにはどうすればいいでしょうか?

武田: 今、「分かり合う」という言葉をお使いになったと思うんですが、無理に分かり合う必要はないんです。

――えっ? 分かり合わなくていいんですか。

武田:今おっしゃった「分かり合う」というのは、「共感する」という意味ですよね。出会う人すべてと共感し合う必要はないんです。繊細であるかどうかにかかわらず、人にはそれぞれの意思や価値観がありますから。「共感」できなくても、「理解」することはできます。

「分かります」「私も同じです」と共感や同意を表す言葉のほかに、「なるほど」「そうなんですね」など、共感はできないけれどあなたの考えを理解していますよ、とサインを送る相槌のレパートリーを持っていると、便利ですよ。

――無理に分かり合おうとしなくても、「理解」すればいいとハードルが下がると、人間関係がぐっとラクに感じられそうです。

武田:はい。共感できなくても、理解することができれば、いい人間関係を築くことは可能です。実際のカウンセリングの中でも、考え方を変えることで楽になったという繊細さんの声をたくさんいただいています。苦手な上司に応援してもらおうと思って、何回も相談に行き、その度に苦しくなっていたけれど、論理的に説明をして書類にハンコをもらえば仕事は進むのだから、それでいいんだと分かった、という方もいらっしゃいました。

――今、目からウロコがボロボロ落ちています! かかわる人みんなと「共感」の関係を築こうとするから苦しくなるんですね。

武田:特に繊細さんは、自分の「境界」をきちんと作ることが大切です。たとえば、「上司だから/お客さんだからNOは言えない」と思っていると、攻撃的な言葉を向けられやすくなります。でも、「自分のことは自分で守る」「たとえ上司でも、お客さんでも、自分に害をなすものにはNOを言う」という心構えでいれば、その姿勢が自然と相手に伝わり、相手が攻撃的な部分を出しにくくなります。

「非・繊細さん」が「繊細さん」にできること

――自分は「繊細さん」ではないけれど、友達やパートナー、同僚など、大切な人、親しい人が繊細さんだという場合、「非・繊細さん」にできることは何かあるでしょうか?

武田:そうですね。「自分自身が幸せで、ご機嫌でいること」ですかね。

――「ご機嫌でいること」ですか。「大きな音を立てない」とかではなく。

武田:はい。自分が満たされてご機嫌であれば、相手のことを思いやる心が自然と出てきますから。あとは、繊細な部下が、たとえば「電話の音が大きいので小さくしていいですか」と言ったときに、「気にしすぎだよ」などと頭ごなしに否定するのではなく、話を最後まで聞くこと。自分は共感できなくても、「そうなんだね」と受け止めることはできます。

もちろん繊細さんの側も、「自分はこう感じる」「こうしてほしい」という想いを、きちんと口にしていかなければなりません。感覚は違っても、お互いに感じていることを話し合える関係が築けるといいですね。

――私のパートナーは非・繊細さんなんです。出会ったころは「どうして私が感じていることを分かってくれないの!」なんてケンカしたこともあったんですが、今は感じ方が違うことを互いに理解しているので、うまく補い合える関係を築けていると思います。
たとえば、私は相手や要件によって、電話をかけるのがすごく憂うつで緊張してしまうときがあるのですが、夫はまったく気にしないので、「なんだ。そんなことくらい俺がやるよ」とあっさり代わってくれて、すごく助けられることがあります。逆に引っ越し先を決めたり、旅行先を選ぶときは、私の方が家族にとって心地よく過ごせる場所かどうかを見分ける感覚が鋭いので、私が決めることが多いです。

武田:繊細さんと、非・繊細さんの組み合わせは、意外に多いんですよ。
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繊細さんに向いている職業とは?……

 

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髙橋 実帆子

1980年生まれ。フリーランスライター/エディター。 共同通信社記者を経て、2012年からフリーランスに。 7歳と3歳、元気すぎる2人の男の子の母。 おいし...

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