下着屋・龍多美子さんのお悩み相談(下)

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東京・吉祥寺に、知る人ぞ知るランジェリー・ショップがあります。
「Rue de Ryu(リュー・ドゥ・リュー)」。サイズをメジャーで測らない不思議なフィッティングで、「試着室にいる間に胸の形が変わる」「ブラジャーを変えたら人生が変わった」とたくさんの女性たちに魔法をかけてきたのは、オーナーの龍多美子さん。

参考記事:
・第1回: 自分を変えたいのならまず、正しいブラジャーをつけましょう
・第2回:「今」に集中しましょう。不安からは何も生まれません
・第3回: 忙しくても「自分自身」と対話することを大切にしてほしい

43年間、のべ7万人以上の女性の心と体に寄り添い、下着を通じて女性たちの心身を解放してきた龍さんのもとには、悩める女性たちからの相談が絶えません。
今回は、仕事や恋愛に迷ったとき、リュー・ドゥ・リューを訪れるという女性に同行し、龍さんとの対話の様子を取材させてもらいました。
人生の酸いも甘いもかみ分けた龍さんの、優しくも力強いアドバイス、必読です!

【相談者:Uさん(34歳女性)】
フリーランスデザイナーとして仕事をしています。
大手メディアで正社員として5年以上働いて、3年前に独立しました。
数年前に1度結婚しましたが、短期間で離婚。
最近、両思いだと思っていた男性が、私の友人と電撃結婚し、大きなショックを受けました。
恋愛でも、仕事でも、目指すべき方向を模索する日々。
こんな私が心から幸せを感じられる人生を手に入れる極意を教えてください!

上編はこちら>>

女性たちが「自分を信頼し、表現する」時代がやってくる

編:ブラジャーで胸が大きくなるとか、体のラインがきれいになるというのはイメージしやすいんですが、リュー・ドゥ・リューの下着には、文字通り人生を変えるパワーがあるんですね!

龍:去年まで、春には必ずピンクのブラジャーを作っていたんです。
ピンクは「自己受容」の色。自信を持って、自分を肯定していくというメッセージがあります。でも今年、初めてイエローのブラジャーを作ったんです。黄色には「自分を信頼して、表現する」という、さらに一歩進んだ意味があるんですよ。自分を受け入れるプロセスは終わって、自信を持って世の中に向け表現していく段階なんです。Uちゃんだけじゃなく、今の時代を生きるすべての女性たち、そして私自身にとっても、今必要な色だと思っています。

U:実は今、まさに仕事で、「自分を表現する」というテーマにぶつかっています。
以前、働いていた会社の先輩から、正社員の仕事を紹介すると言われているんです。でも私、正社員でいることが苦しくてフリーランスになったので、本当に会社勤めができるのかなって…
そもそも、大好きだったデザインの仕事自体が、今嫌で仕方がなくなっちゃってるんです。クライアントの要望通りに作品を仕上げることがとても息苦しくて。とは言え食べていかなければならないので引き受けるんですけど、無理やりやろうとするとものすごく時間がかかるし、疲れてしまって。

龍:うすうす気づいていると思うけれど、Uちゃんの人生で、既存の枠組み、今あるメディアの中で自分を表現していく段階は、もう終わっているのね。自分自身がメディアという意識を持って、自分で媒体を立ち上げるくらいのことを、してもいいんじゃないかな?

U:たしかに、それができたらいいですね。イラストをメインコンテンツにしたWebメディアも増えているので、自由に表現できる場所を自分で作れたら素敵!
仕事と関係なく好きな絵を書いているときはすごく楽しいんです。問題は、そこをどうやってお金とつなげるかですよね…
龍:まずはSNSなどにUちゃんの作品を載せて、発信したらどう? Uちゃんのキャラが立ってきたら、自然にメディアとして育っていくんじゃないかしら。
U:はい。SNSの投稿を見た人から「仕事をお願いしたい」と言われることもあるんですが、それも結局、クライアントの要望に応えなきゃいけないと思うとモヤモヤしてしまって…
今は何か、デザインとは全然別の、新しいことをしたいという気持ちなんですよね。最近、ダンスを習い始めたんですが、そのレッスンをしているときが、今は一番楽しいです。

くつろいで、ワクワクして、「そのとき」を待つ

龍:なるほどね。ふふ… あのね、43年間女性の体と向き合っているうちに、フィッティングをすると、今その人に何が必要か、何となく分かるようになったの。胸を見ると、その人にどんなストレスがかかっているのかもだいたい分かります。
Uちゃんはやっぱり、本質的に絵を描くこと、表現していくことを望んでいるような気がします。ダンスもいいけれど、それは仕事に結びつくものではないかもしれない。

誰かの要望に応えるためのデザインではなくて、今自分が感じていることを、そのまま表現してみて。
すぐにお金になる仕事には結びつかないかもしれないけれど、来たオファーの中から、自分が一番自由だと感じることを選択していけば、きっとチェンジするタイミングが来るはず。ワクワクしながら、そのときを待ってみてはどう?
U:実は来週、新しい仕事につながりそうな打ち合わせの予定があるんです。そのときまでに「私はこういうデザインがしたいんです」というアイディアをある程度形にしておきたくて…
龍:あんまりかっちり決めなくても、くつろいで、自分を信頼して、ワクワクして待っていれば、必要なときちゃんとアイディアが出てくるから大丈夫よ。

U:そうか! つい、正社員のとき教え込まれた「デザインとはこうあるべき」という枠にとらわれてしまうんですけど、無理に決めなくても、ワクワクして待っていればいいんですね。

直感を妨げる思考のブロックを外す

龍:そうそう。心配することは何もないの。常に一番楽しいことをやり続ければ、ちゃんと必要なことが起こるようになっているから。
「こうするべき」という思考が浮かんできたら、それが本当に自分の直観から来たものかどうか、客観的に観察してみて。
「それは本当に私に必要なもの?」って。紙に書き出してみるのも効果的です。「私自身の考えじゃない。他者から受け取った既成概念だ」と思ったら、破ったり燃やしたりして、目に見える形で消滅させてしまうといいわよ。
U:私、起きている間ずっと何かを考え続けていて、「直感」を受け取ることがうまくできなくなっているかもしれないです。どの考えが自分の直感で、どれが人から受け取った思考なのか…

龍:Uちゃんの場合、まずは直感の流れを妨げている思考のブロックを外した方がいいかもね。根拠のない恐怖を、根拠のない自信や楽しみに置き換えるために、実はブラジャーやランジェリーが効くのよ。さっそく試してみましょう!

(フィッティングルームへ移動)

ランジェリーが人生を変える

U:実はまた、透けない下着がほしいなと思って来たんですけど…
龍:本当に? 私は違う気がするけど。ブラジャーでもいいんだけど、今日はなんだかこれがいいような気がする。ちょっと着てみて。
(レースが美しいスリップを手渡す)

U:えーっ! すごい透けてますけど… どうやって着るんですか?

龍:キャミソールみたいに着て、上から何か羽織ってもいいですよ。たとえば、このブラウスとか。
(レースのブラウスを手渡す)

U:(試着して)…どうですかね?
編:わー! Uさん、すごく綺麗です。これ、隠すのはもったいないです。見せましょう!

龍そうそう。Uちゃんは「透けないように」って言ったけど、本音の部分では、真逆のことを求めているんだと思いますよ。既成概念を壊して、本当の自分を外の世界に見せていく。
U:…たしかに! 龍さんに言われて気づきましたけど、私、本当は実用的なものじゃなくて、もっと自由を感じられるものを求めていたのかもしれないです。このレース、本当に素敵。新しい仕事の打ち合わせ、これを着て行ったら先方がびっくりするかな(笑)
ここで下着を買うと、毎回、自分でも気づいていなかった自分の本音に気づかされます。本当に不思議!

編:まさにランジェリーが人生を変えていく瞬間を目撃してしまいました! 龍さん、Uさん、今日は本当にありがとうございました。
…そして私も、赤と黄色のブラジャーを買って帰りたいんですが、いいですか?(笑)

龍:もちろん! さあ、試着室へどうぞ。

(おしまい)

Rue de Ryu の販売会についてはこちらからチェック>>

取材・文・撮影/高橋実帆子

 

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髙橋 実帆子

1980年生まれ。フリーランスライター/エディター。 共同通信社記者を経て、2012年からフリーランスに。 7歳と3歳、元気すぎる2人の男の子の母。 おいし...

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