何者かになりたいけれど、何者でもない私。

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SNSやさまざまなメディアで知り合いや同世代(アラサーになった最近はもっと若い世代も!)の華やかな活躍を見ていて、「すごいなぁ……それに比べて私って、まだ何者でもない……」と焦る。そんなときに考えてみたいことについて、キャリアカウンセラーの中村文香さんがお話します。

ほんとに何者かになりたいの?

何者でもない自分への焦りが出てきたときに、
まず考えたいのが、
「私って本当に何者かになりたいんだっけ? ならなくちゃいけないの?」ということ。

昨今のSNSやメディアでは、
やりたいことを仕事に!
転職しよう!
独立しよう!
といった仕事での成功をイメージしたことが声高に叫ばれていますね。

確かに、私たちアラサー世代が就職したころと比べると、
目まぐるしいスピードで社会が変化していて、
やりたいことを仕事にしやすい雰囲気や仕組みができたし、
転職も当たり前になってきたし、
独立も転職と並ぶ選択肢のひとつとなりつつあります。

しかし、これは、あくまでも仕事で活躍すること=方が幸せだと思っている人に向けたメッセージ。

なかには、
決して派手ではないけれど穏やかな生活や、粛々と今の仕事をこなす日々の営みの中に、
幸せを見つける人もいるはずです。

キラキラしたこと、影響力が大きいこと、先進的なこと、グローバルなことなどなど……
一般的にキャリアにとって“成功”と言えそうなことが、
あなたにとって大切にしたいこと、幸せなこととは限りません。

キャリア選択にとって重要なのは、
一般的に“良さそう”なことに囚われるのはなく、
自分はどのようなキャリア(生き方そのものを含めて)を歩んでいきたいのか、
自分で考えてその道を選ぶことではないでしょうか。

自分にとって、
仕事での“成功”なのか?それとも他の何か?
それ集中したいのか?他のことともバランスしたいのか?などなど、
「自分は一体どうなっていけたら幸せなのか?」
考えてみてください。

このとき、よく陥りがちなのが、
「ここで決めたことをずっと変えてはいけない!」
と思い込んで、決められないことです。やってみて違ったら変えたって良いのです。
あくまで、「今の自分にとって」どうなのか?考えてみてくださいね。

何者ではないけど、何かはある。

さらに、ここで、目を向けてもらいたいことがあります。
それは、「何者でも“ない”今の自分に“ある”何か」についてです。

何者でもない自分に焦ってしまうときは、
どうしても自分に“ない”ところに目を向けがち。

きっと、こんなタイトルのコラムを読んでくださっている真面目なあなたなら、
あなたなりに、キャリアのなかで頑張ってきたこと、
できるようになったこと、
これなら割と得意かも?といえることも”ある”はずです。

社会人1年目は、たどたどしかった数々の段取り
以前は意味不明だったヨコモジ、社内用語、業界用語たち
割とさらりとできるようになった資料作成
趣味で続けている何か……
なんだかんだ言って味方でいてくれる周囲の人たち
雨風を凌げるあたたかい家などなど……どんな些細なことでもOKです。

自分に“ある”ところを認めることは、
甘えでも妥協でもなく、
この不安定な時代に自分のキャリアを選んで歩んでいくためのパワーになるのだなぁと、
自分の体験含め、相談に来るみなさんを見ていて感じています。

たとえば、先ほど触れたように、
「今の自分はどのようなキャリア(生き方)を歩んでいきたいのか?」
を考えた結果、やっぱりキャリアで成功して何者かになりたいと思ったとしましょう。
その場合であっても、
自分の“ない”部分に目を向けて焦りや不足感をエネルギーにしてがんばり続けるには、
限界があります。

まずは、何者でもない自分の中にすでに“ある”ものを認める。
そうしてはじめて、ありたい姿と今の自分とのギャップを適切に捉えることができる。
そして、ただ焦っているのではない、
地に足をつけて着実にギャップを埋めていく、
というステップを踏み続けるステージに移行できるのです。

実際に、私がお会いしたお仕事で活躍をされている方々は、
この自分の中に”ある”ものを認め、言語化し、
それを活かしながら仕事をするのがうまいなぁと感じています。

焦ってもいい、ブレながらでもいい

とはいえ、今までお話してきたようなことを考えて、
落ち着いたり、元気が出たりしたとしても、
やっぱり、ときより人と自分を比べて焦るときこともあるでしょう。
「私にとっては、この道がいい!」と決めてもグラつくときもあるでしょう。

私ももちろんそうですし、
大活躍中の方々でもお話を伺うと、実は同じだったりします。

そんなときは、
焦ってもいいし、途中でグラついたっていいんだと思うんです。
むしろ、私は、それに気づかないふりをしたり、ないことにしたりする方が、
不健全なのでは……!とすら感じます。
(特に、このタイトルに惹かれて読んでくださっている繊細なあなたならなおさら)

大切なことは、
焦ったり、ブレたり、しないことではなく、
焦っている、ブレている自分に気づけること。
そんな自分を責めるでもなく、庇うのでもなく、
ただ、眺めて、受け止めて、
また自分で道を選んで、歩み続けることではないでしょうか。

そうやって歩み続けた先に、
あなたは、あなたらしい”何者か”になっていると思います。

このように、自分に向き合ってこれからのことを考える時間って億劫で、
忙しい日々の中で、後回しにしてしまいます。
これを読んで、やってみよう!と思って下さったあなた!
よかったら、今、手帳なり、スマホなりに、「考える時間」の予定を入れてみてください。

春風が心地いい季節になってきましたし、
お散歩でもしながら、
(花粉症の方は無理せずどこかのカフェでも……)
今回お話したことについて、考えてみてくださいね。

文/中村文香 編集/中野麻衣・松岡永里子(Cue編集部)

 

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中村文香

キャリアカウンセラー。北海道大学総合化学院修了。電子機器メーカーに入社し、ディスプレイの研究開発に従事。30歳という節目を目前に、以前より関心のあったキャリ...

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