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回り道を、楽しむ。新生活を迎えた君へ。昨日と同じ今日を過ごす君へ。

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4月1日を境に街に溢れる『新生活おめでとう』。新しい季節ってキラキラしていて、前向きで、ドキドキ・ワクワクする…なんて、実は一部の人の話で、大多数の大人にとって4/1は3/31までの毎日と特段変わらないはず。この時期のプラスの空気に刺激を受けながら、実はちょっと焦ったり、何も変わらない自分に自信をなくしたりはしていませんか?タバタバーやスナックあさこなどホットな場づくりで『自分の道』を歩む三宅朝子さんから、そんなあなたに向けたメッセージ。

2時間かけて歩いた、20分で着くはずだった道

小学校低学年の頃だったでしょうか。祖母の家に初めて自分ひとりで行く、一大イベントがありました。
実家から祖母の家までは、最寄り駅まで電車で行き、そこからバスで向かいます。家を出る前に祖母に電話をかけ、電車とバスに乗るそれぞれの時刻を伝え、いざ出発。

1本早い電車に乗れたせいもあって、少し早めに駅に到着しました。そこでおとなしくバスに乗ればいいものの、なぜか祖母に内緒で、駅からはバスに乗らず、歩いていくことにしたのです。
駅から家まではそんなに離れていなかったので、バスの到着時刻から少し遅れて着くくらいだろう、おばあちゃんを驚かせてやろう、なんて考えたのでしょうね。意気揚々と駅から歩き始めました。

幼いころからちょっとした冒険が好きだったわたしは、いつも両親と車で通っている道を歩いていけばいいのに、何を考えたか「いつもとは別の道を通っていこう」なんて考えました。方角さえなんとなくわかっていればいずれたどり着くだろう、と。

するとどうでしょう。曲がった道が悪かったのか、一向に目指したい方角に歩いていけません。あたりはどんどん暗くなり、少しずつ不安になってきました。
その頃は携帯電話もなかったので、地図を見ることもできません。心臓がバクバクして、このまま一生おばあちゃんに会えなかったらどうしよう、と泣きそうになりました。

ようやく見たことのある通りに出ることができたとき、あたりはすでに真っ暗。やっとの思いで家に着くと、そこには祖母が心配そうな顔で家の前に立って、わたしのことを待っていてくれました。
歩いていけば子供の足でも20分で着くような距離を、2時間もかけてたどり着いた、初めての大冒険の記憶です。

 

大人になって改めてこのときを思い返すと、「回り道をする」ということはどんなに良い思い出よりも記憶に残るということ。そして、どんなに迷っても必ず最後には、目的地にたどり着けるものなのだ、というわたしの成功体験のひとつともなりました。

 

後悔がないわけじゃないけれど、この道を歩むと決めたのは「私」

前置きが長くなりましたが、わたしは現在フリーランス1年生として独立したばかりの32歳。パートナーがコンビニと飲食店を経営する自営業者であるため、その生活を支え、一緒に目標に向かって走っていく道を選び、時間的拘束のある会社員を辞めました。
今は、パートナーの仕事を手伝いながら、できるだけ在宅でできることをベースとした仕事を、少しずつ増やしています。

 

前職がWebマガジンの編集長であったこともあり、ライターのお仕事などをさせていただいていますが、実際にはしっかりとしたライター業の教育を受けてこなかったため、胸を張ってお仕事をいただくことは、正直まだできていません。

編集長という肩書があったころに、もっと編集の勉強をしてくればよかった。いずれフリーランスになりたかったのであれば、もっと自分で胸を張って語れるスキルを身に着けてくればよかった。
もっと、もっと、もっと……。そう後悔したことがなかったといったらうそになります。

それでも、不思議なことに現在は様々なご縁に恵まれて、これまでのわたしの特性や適性、やってきたことを見て、一緒にお仕事をしましょう、と声をかけていただけることも少しずつですが増えてきました。

 

今振り返ると、もっと早くこの道に到達できたのではないかと考えることも、もちろんあります。でも、様々な回り道、遠回りをしなければ、今こうしてコラムを書いて、読者であるあなたと接点を持つこともなかったかもしれません。

 

あなたは、あなたが今歩いている道を、あなたのペースでそのまま歩いていけばいい

もしもあなたが今、周りの友人の輝かしい活躍がまぶしくて、うまく目をあけられていない状態だとしたら。今歩いている道が正しいのか自信がなくて、悩んでいるのだとしたら。

それは、焦ることはないんじゃないかと思います。ただただ、今歩いているところを、しっかり歩いていけばいい。あまり先を見すぎることはありません。必ずいつか振り返った時、そのぐにゃぐにゃと曲がったいびつな道も、きっと誇らしく思える日が来るはずです。

回り道とは、その道を通った人だけがわかる、人生の過程です。これから先、あなたがどんな風に働いていきたいかがわかる、道しるべです。その中にしか答えはないからこそ、決して手を抜かずに、歩いていてほしいなぁと思うのです。

 

 

わたしはいま自分が成功者だとは全く思っていませんが、もし、これまでのわたしの回り道が誰かの役に立っているのだとすれば、それはどんな回り道もできる限り一生懸命に楽しんで歩いてきたおかげなのかもしれません。

そしてこれからも、あの祖母の家に初めて行った日の冒険心を忘れずに、この先また見えてきた道を、回り道をしながらも、ゆっくり歩いていきたいなぁと思うのです。

 

文/三宅朝子 編集/中野麻衣(Cue編集部)

 

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三宅朝子

大手賃貸住宅ポータルサイト「CHINTAI」在職中に、街のWebマガジン「haletto」を創刊。創刊編集長を経て、よりリアルなコミュニティの場を自分で作り...

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