走り続けるあなたへ 秀島史香より【1】嫌なことは紙に書いてポイ

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働く女性を応援したい。だけど、これ以上頑張りすぎないで!とも思います。ライフイベントを重ねるごとに役割の増える女性たちの悩みや葛藤は複雑で、簡単に解決できないけれど、何かCueにできることはないか。そう考えているときに話を聞きたいと思ったのが、人気ラジオDJの秀島史香さんでした。
彼女の空気に触れたら、ちょっと楽に生きていけるヒントがもらえるかもしれません。

―走り続けるあなたへ 秀島史香より

第1回 嫌なことは紙に書いてポイ
第2回 お母さんは笑ってるだけでいいんじゃない?
第3回 とても基本的なことをお伝えします

 

人見知りな女の子が、人気ラジオDJになるまで

――秀島さんの著書を読んで驚いたのですが、こんなにお話上手な秀島さんが、人見知りで「緊張しい」だったとは! なぜ、ラジオDJを目指そうと思ったのですか?
子どものころから、ラジオが大好きだったんです。小学6年生のときから、寝る前に聴き始めて。
その当時はまさか、自分がラジオで喋る側になるとは思いもよらなかったですね。人前で話すのは苦手でしたから。

でも、同時に、「ラジオだったらできるかもしれない」とも思っていました。小さい部屋でひとり、ブースの中でマイクに向かって喋るなら、人見知りでも大丈夫かもしれないって。今となれば、それは壮大な勘違いだったのですが(笑)

――実際の収録には、スタッフやゲストもいて、ひとりではないですよね。
ええ。それに何よりも、マイクの向こうにはたくさんの人(リスナー)がいるわけですから。
ラジオDJになって最初のころは、一事が万事、漠然と抱いていたイメージとのギャップに苦しみました。「どうしてできないんだろう」ということの繰り返しで。

「話にオチがない」と言われた新人時代

――新人時代は、たとえばどんなことで苦労したのですか。
DJになって初めてのお仕事が、大阪のラジオ局でのレギュラー番組だったんです。湘南育ちの私にとって、大阪文化は未知の世界。「話にオチがない」と言われて悩みました。

――オチ! 大阪では、ラジオでの話にもオチが求められるんですね。価値観の違いを、どう乗り切ったのですか?
たとえば「オチがない」と言われたら、次の収録では、どうやって話にオチをつけるかということを自分の中での隠れテーマにしてみる。“できないこと”、” できるようになりたいこと”を探して、毎回自分なりのテーマをひそませて小さく小さく勝負していくんです。

大阪での仕事で、私に与えられた試用期間は1年間。時間は有限ですから、小さいことでもひとつずつ、結果を出していかないと次はない。
やらないで後悔するくらいなら、失敗するかもしれないけれど、やった方が絶対にいいと思います。

「もうやめちゃいたい」と思ったときの処方箋

――Cueの読者である働く女性にとっても、与えられた場所と時間の中で結果を出すことはとても重要です。とは言え現実は、なかなか理想通りにはいかないものですよね。
今の自分が対峙している現実は、どのような形であれ、自分が選んで飛び込んだ世界だと思うんです。理想と現実のギャップに悩んだときは、なぜ自分がそれをやりたいと思ったのか、初心に返って、自分を変えるチャンスだと考えるといいのではないでしょうか。

――悩みをチャンスに変えるとは、前向きですね。
自分の意と反する仕事だとしても、そこには何か意味があるはず。だから、まずやってみたら見えてくることもあると思うんです。

なかなか難しいけど、素直に受け入れることができる人って学べることも多いと思っていて。当然成長スピードにも差が出ます。

とある現場で、とても素直で一生懸命に取り組むADさんを見かけたことがあるんですが、次にお会いした時には昇格してディレクターさんになっていました。やっぱりね!って思いましたよ!

――仕事をしていると、失敗してしまうことも必ずあります。そんなとき、秀島さんはどうやって乗り越えてきましたか?
仕事で失敗したとき、落ち込んでそのことばかり考えていると、新しいアイディアも入ってこないですよね。イライラして、仕事の失敗とは無関係の家族にカリカリしてしまったり。

私は頭を切り替えるために、失敗したことをメモに書き留めるようにしています。書き終わったらおしまい。あとは忘れてしまうことです。書くことで気持ちを整理できますし、後で開いて見直すことで、同じ失敗を防ぐこともできます。見ないままジップロックにポイっと入れてあるメモも多いですけどね。貝塚みたいな。

――貝塚・・・!?(笑)
私には小学1年生の娘がいるのですが、いずれ娘が大きくなって、私の日記やメモを目にすることがあるかもしれません。そのとき「お母さんはこんなことを考えて働いていたんだ」と感じてもらえたら嬉しいですね。ちょっと恥ずかしけど。

第2回に続く)

秀島史香さんプロフィール
ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。Fm yokohama『SHONAN by the Sea』(Sun.6:00-9:13)、JFN各局『Pleaseテルミー!  マニアックさん。  いらっしゃ〜い!』、NHK Eテレ『デザイントークス+(プラス)』(Tue.23:00-23:30)などラジオ、TVナレーションのレギュラー出演の他、美術館の音声ガイド、機内放送、渋谷『ヒカリエ』館内番組(日英)なども。あたたかい人柄とフリートークが、クリエイターからリスナーまで幅広く人気。
著書『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則(朝日新聞出版)』では、自身の経験や多くのゲストと対談するなかで見つけた会話のコツを紹介。学生から社会人まで、幅広い年代・職種の方に支持され、重版を続けるロングセラーに。
オフィシャルサイト:https://fmbird.jp/dj/fumika_hideshima/
ブログ:https://hideshima.blog.so-net.ne.jp
twitter:@tsubuyakifumika
instagram:@hideshimafumika

取材・文/髙橋実帆子 撮影/持田薫 編集/中野麻衣(Cue編集部)

 

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Cue 編集部

さまざまな女性たちの生き方を紹介するライフストーリーメディア。 変化を受け入れてしなやかに生きる彼女たちの物語が、ほかの誰かにとって小さなきっかけ、「はじま...

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