澄んだ声と穏やかな語り口で聴く人の耳を魅了するラジオDJの秀島史香さん。声だけでこんなに心地よい空気を作れる人、心を癒せる人はなかなかいません。秀島流コミュニケーション術を知ってるだけで、自分にも相手にも柔らかい気持ちで接することができるのではないでしょうか。3回に渡ってお送りした秀島さんからCue読者へのメッセージもこちらで最終回。最後は、秀島さんがコミュニケーションで大事にしていることについて聞いてみました。

―走り続けるあなたへ 秀島史香より

第1回 嫌なことは紙に書いてポイ
第2回 お母さんは笑ってるだけでいいんじゃない?
第3回 とても基本的なことをお伝えします

 

一緒にいて心地いいと感じてもらうために

――DJのお仕事は、放送中の一瞬で相手との信頼関係を築き、会話を盛り上げることが求められますよね。Cue読者のフリーランス女性にとっても、短い会話の中でクライアントから信頼してもらうことがとても重要です。
コミュニケーションのプロである秀島さんに、ぜひ会話のコツを教えていただきたいです!

 

コミュニケーションで一番大切なのは、「一緒にいて心地いいかどうか」だと私は思っています。たとえば、「自分を売り込まなくちゃ」と思うあまり、相手の話を聞かず一方的に喋ってしまったら、相手は聞く気が失せてしまいますよね。

 

とても基本的なことですが、まずは相手の話をちゃんと聴くことが大切です。相手が大事にしていることを知り、相手のニーズを知る。この場で何を話せば喜んでもらえるか、相手のために自分は何ができるかを考えるんです。

 

 

――なるほど! 「仕事を獲得しなくちゃ」と思うと、つい焦っていろいろ喋りたくなってしまいますが…まずは相手を知ることが大切なんですね。相手が無口で、話題に詰まったときはどうすればいいですか?

初対面の方に会うときは、分かる範囲で、相手の経歴やバックグラウンド、会社の概要などをリサーチしておくことも必要ですね。相手が好きそうな話題を準備しておくんです。

 

あとは、ポジティブなことであれば、感じたことを素直に口にしていいと思いますよ。

そこに子どもがいて、かわいいと思ったら「かわいいですね」と言えばいいし、今日みたいに素敵なスタジオだなと思ったら「素敵ですね」と褒めればいい。「どうしよう、何か気の利いたこと言わなきゃ!」と焦ると、自分でハードルをどんどん高くしてしまいます。

 

何はともあれ自分から口にすることで、会話のきっかけをスムースに作ることができるんです。思った以上に簡単ですし、相手との距離を縮めてくれます。

 

――「共感」の空気をつくり出すんですね。

そうです!

ラジオはまさに共感のメディアで、リスナーはそれぞれ車を運転していたり、仕事をしていたり、違うことをしながら聴いているのだけれど、同時に同じ音楽やトークを聴いて、場の時間を共有できる。そんなところが魅力だなと思っています。

 

だから、自分のどんなところがどう相手と重なるか、相手が大切にしていることを自分はどうやって大切にできるか、ということはいつも考えていますね。

 

 

人に道を聞かれやすい人になる

――秀島さんの著書『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』の中で、「人に道を聞かれやすい人になる」ことが人生のテーマ、と書かれていらっしゃることがとても印象的でした。

これも基本的なことですが、ふだんから「話しかけやすい人」でいることって、簡単なようで難しいと思うんです。

ガチガチにこわばって余裕がない人に道を尋ねようとは、誰も思いませんよね。

 

 

 

―たしかに。何となく余裕があって、機嫌がよさそうな人を選んで話しかけますよね

相手と目を合わせて話すとか、目が合ったら微笑むとか、心を開いてもらうためには、こちらが心を開いているサインを送ることが大切だと思います。

 

一昨年、夫の仕事の都合で、1年間ベルギーで暮らしたんです。現地ではあまり英語も通じず、言葉も分からない。文化も全然違う。それでも、目が合ったら口角を上げるというような仕草は万国共通です。

 

言葉を交わす前、目と目が合ったときから、もうコミュニケーションが始まっているんだなということを再確認しました。

 

 

フリーランス女性へのメッセージ

――相手としっかり目を合わせること、笑顔でいること。そして、相手の話をよく聴くこと。話すことが苦手でも、これなら明日からすぐに実践できそうです! 最後に、Cue読者のフリーランス女性に向けて、秀島さんから応援メッセージを頂けますか?

 

一生懸命がんばっているときほど、人は視野が狭くなりがちだと思うんです。

「この方向しかない」と思い込んで、ブレーキを踏みながらアクセルを踏み込むような状況になり、空回りしてしまったり。

 

そんなときは、思い切って今いる場所を離れ、いろいろな世界を見に行ってください。そして、そこで出会う人たちと言葉を交わしてください。ちょっと仕事から離れて、初めてのお店に入ってみたり、店員さんと話してみたり、知らない駅で降りてみたり、普段とは違うジャンルの本や映画や音楽に触れることでもいいと思うんです。

 

きっと、「これしかない」と思っていた枠が外れ、気持ちが楽になると思います。「それもありだね」と周りにもやさしくなれるし、自分も自然に笑顔になれて、いい循環が生まれるはずです。

 

――秀島さんの声と、その飾らない軽やかなスタイルに触れてなんだかとっても癒されました。頑張りすぎな現代女性に沢山届けたいです今日は素敵なお話、本当にありがとうございました!

 


秀島史香さんプロフィール

ラジオDJ、ナレーター。1975年、神奈川県茅ケ崎市生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。大学在学中にラジオDJデビュー。Fm yokohama『SHONAN by the Sea』(Sun.6:00-9:13)、JFN各局『Pleaseテルミー!  マニアックさん。  いらっしゃ〜い!』、NHK Eテレ『デザイントークス+(プラス)』(Tue.23:00-23:30)などラジオ、TVナレーションのレギュラー出演の他、美術館の音声ガイド、機内放送、渋谷『ヒカリエ』館内番組(日英)なども。あたたかい人柄とフリートークが、クリエイターからリスナーまで幅広く人気。

著書いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則(朝日新聞出版)』では、自身の経験や多くのゲストと対談するなかで見つけた会話のコツを紹介。学生から社会人まで、幅広い年代・職種の方に支持され、重版を続けるロングセラーに。

オフィシャルサイト:https://fmbird.jp/dj/fumika_hideshima/
ブログ:https://hideshima.blog.so-net.ne.jp
twitter:@tsubuyakifumika
instagram:@hideshimafumika


 

取材・文/髙橋実帆子 撮影/持田薫 編集/中野麻衣(Cue編集部)

 

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