正社員、途上国への旅、震災復興ボランティア、一般社団法人での勤務などを経てフリーランスにになった田中さん。1歳と4歳のお子さんのママでもある田中さんの働き方は、一般的な「ワーキングマザー」のそれとはちょっと違いました。

限られた時間を最大限に活用するとはこのことか!家族との時間も大事にしながら、自分の興味も諦めない。田中さん流、仕事と育児のベストバランスについて伺いました。

自己実現のために模索し続けた10年間

――田中さんがフリーランスにたどり着くまでのキャリアについて教えてください。

大学院卒業後に、新卒でシンクタンクに約2年勤務した後、「もう少し早いスピード感で成長していきたい」「社会課題を解決する力をつけたい」と思い、リクルートへ転職しました。

 

――これまでに田中さんが勤務されていた会社って、女性もバリバリ働いているイメージありますよね

子どもを育てながら働いている先輩方もいましたが、当時は仕事だけで精一杯の私が、自分の納得いく形で仕事と子育てを両立できるのか想像できなかったのです。そんなことを感じていた時にちょうど異動も重なり、「私が仕事を通じて社会で実現したかったことってなんだろう?」と考え始めたのです。

 

 

――なるほど。それで「やりたいことをする」ために、フリーランスになったと!

そのまま部署異動して会社員生活を続けました。フリーランスになるのはもう少し先です。日々の仕事に邁進しながら、自分自身の「やりたいこと」についても向き合っていました。

学生時代から途上国の貧困問題解決に関心があったこともあり、休暇を取って「マザーハウス」(※)さん主催のスタディツアーに参加して、バングラデシュの工場に見学しに行ったことがありました。

※マザーハウス:発展途上国におけるアパレル製品及び雑貨の企画・生産・品質指導、同商品の先進国における販売行う。

 

この経験が、自分のやりたかったことを振り返る要素の一つであったと思います。現地を自分の目で見て、お話を聞いて、「あ、自分はこういった分野の問題解決をする力をつけたくて転職をしたんだ」とあらためて感じたんです。

 

田中さん提供写真

 

勤続5年という節目に退職し、海外のソーシャルビジネス関連のカンファレンスに参加したり、別の途上国にも訪問したり、東日本大震災の時には現地で復興ボランティアにも参加しました。都内に戻ってからも仕事として震災復興関連の仕事に携わったり、アフリカについて大学の授業を聴講したり…いろいろなことを経験して、「心の底から興味が湧くこと」「仕事として取り組みたいこと」について考えていましたね。

 

――行動力がすごい!そのような経験があったうえで、フリーランスになったのはなぜですか?

正社員としてどこかの企業に転職しようか迷ったこともありました。でも、年齢的にも子どもが欲しい時期と重なっていたので「転職してすぐに産休を取るようなことになったら転職先にも迷惑がかかってしまうな…」と、躊躇していたんです。そんな時に長男を授かって、「在宅でなにか仕事ができないかな」と思っていたところ、もともと知り合いだったWaris共同代表の米倉さんからお声がけいただいて、Warisに登録。フリーランスになりました。

 

子育てや家事…限られた時間の中でフリーランスとして働く

――最初にフリーランスとして受けたお仕事はなんですか?

データ分析や資料作りなどのお仕事から始めさせていただきました。

フリーランスってライターとかデザイナーのようなクリエイターの方がなるイメージがあったので、「あ、こういう仕事もあるんだ」っていうのが率直な感想でしたね。

 

――現在二人のお子さんがいるとのことですが、お子さんの出産前後で働き方は変わりましたか?

そうですね。長男が生まれる前は基本的にはクライアントの要求を全てお引き受けするスタンスで働いていましたが、出産後の稼働時間は、子どもが寝ている時間と夫が休みの日に限定しました。「私が稼働できる時間帯は●時~●時までの週10~15時間です。」と自分のできることをクライアントにも明確にしてお仕事をお受けするようにしています。

 

――お子さんが生まれてからもがっつり仕事している方をお見掛けすることが多いので意外でした!思いきりましたね!

子どもが起きている時間帯はできるだけ子どもに時間を費やしたいというのは、在宅フリーランスとしての働き方を選択した私のこだわりで。常時即レス対応を求められる働き方が難しいことなどあらかじめ理解していただいた上で、納得していただけるクライアントさんからお仕事を受けることに決めました。もちろん、アウトプットに妥協をしないことは大前提です。

 

 

とはいえ、子どもが寝ている時間帯だけではどうにも時間が足りず、稼働しなきゃならない時もあります。そんな時は、少々遠方ですが実家の母や、休日の夫にヘルプしてもらいながら乗り切っていましたね。

 

――クライアント様とのやり取りも特に問題ないんですか?

ご理解いただいた上でのお仕事ですので、おおむね問題はありません。ただ担当の方が変わって引継ぎが上手くいかないと、働き方の認識がズレて悩んだことはありました。そういう時はWarisに相談して、間に入ってお話していただきながら解決していきました。どちらが悪いということではないので。

 

――実際に案件はどのように受注して、どのように回してらっしゃるのですか?

仕事はWarisの紹介案件と、個人的に依頼されるものと色々ですが、1つの案件が来るとだいたい2~3週間かけてこなしていますかね。データ分析や資料作りのお仕事の他に、子育て・教育×医療・健康などの得意分野を活かせる翻訳のお仕事をいただいたりもしていて、いくつか同時並行で仕事をしていることもあります。直近のことで言うと、現在は完全リモートのチームにジョインして、北欧の教育関連の情報発信やイベント運営をしていて、今の仕事の8割くらいがそれですかね。

 

北欧の”教育”を起点に、これからの「学び」のヒントを探っていくプロジェクト「Lilla Turenリラ・トゥーレン」

 

――お話を聞いていて、限られた時間の中でタスクをこなしていて、大変そうだなと思ったのですが…

前までは早起きしてタスクをこなすというやり方をしていたのですが、二人目の子どもが産まれて、子どもが同時に寝ている時間帯を見つけ出すことがさらに難しくなったことと、下の子は家族以外の人とでも楽しく遊べるタイプの子だったこともあり、現在は週に2回午前中の3時間、保育サービスが併設されているシェアオフィスを利用しています。いつでも子供の様子を見にいくことができる環境下でありながら、その時間帯だけは集中して仕事することを確約できます。まとまった時間が必要な作業やミーティング時間も計画的にとれるようになって、気持ちの面でも楽になりました。

 

――フリーランスになることで、自由な時間が生まれて無理をしてしまう方もいる一方、田中さんはどのようにして息抜きされていますか?

子どもといる時間は、ながら仕事はできるだけせずに、目の前にいる子供と思い切り遊ぶようにしています。がっつり一緒に遊んだほうが子供の満足度も高い気がしていて(笑)。あとは夫婦の趣味であるフットサルに行くこともありますね!

 

フリーランスとして働く魅力とこれからの目標

――田中さんが実際に働いてみて感じる、フリーランスで働く魅力を教えてください

いい意味で自分中心に仕事ができるということ。会社員だとどうしても組織の論理で人事異動が発生するのに対し、フリーランスだとやりたい業種、職種に自分次第で挑戦できるのが魅力ですね。好きなことを仕事にできますし。それと、やっぱり働く時間を自由に設計できるということですね。

 

――在宅フリーランスは「いざフリーランスになったら自由じゃない」っていう方もいらっしゃいます。田中さんが自由に時間を使えている秘訣はどこにありますか?

私も一人目の産後まもなく復帰した時は、思うように仕事の時間を確保できず、このスタイルを貫くことに悩んだ日々もありました。その時に、自分の中での優先順位を整理して考えてみたんです。そしてたどり着いたのは、仕事も好きだけど、今の時期に一番大切にしたいことは「子供と過ごす時間の量」だなと。その優先順位を守るためにはどうしたらよいのか、気持ちを強く持って行動を修正していけばよいのかなと思います。

 

――なるほど!では、最後になりますが今後の「興味」「やりたいこと」はございますか?

途上国の貧困問題解決に関心があった学生時代から変わらず、どんな境遇で産まれても、その人の意思次第で人生の選択肢の幅が広がる社会になればよいなと思っています。その鍵はやはり公教育にあるのかなあと。今取り組んでいる北欧の教育の情報発信に関わっていることもその一端なのですが、教育って父親も母親も含め親の働き方にも影響を及ぼしていく分野だと思っているので。今はそこへの興味を自分の中で掘り下げていきたいなと思っています!

 

取材・文/於ありさ 写真・編集/中野麻衣(Cue編集部)

※田中さんにお仕事をご依頼されたいなどご連絡を取られたい場合はCue編集部 info_cue@waris.co.jp までお問い合わせください。

▼田中さんの活動するLilla Turen (リラ・トゥーレン)の詳しい情報はHPへ!

北欧の教育・学びLilla Turen (リラ・トゥーレン)

「創造性」「起業家精神」「民主主義」といったキーワードを軸に、北欧の教育・学びにまつわる情報をWEB・ワークショップを通してゆるやかに発信中。

 

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