7月18日。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会が監修した日系ムック『フリーランス&“複”業で働く完全ガイド』の発売記念イベント『稼げる人は何が違う? 共通点は”学び方”にあった!?』が開催されました。

現在さまざまな分野で活躍する4人のフリーランスをゲストにお招きし、『稼げる人』になるための秘訣を紹介していただきました。

 

ゲストプロフィール

・山口周さん(著作家・コンサルタント)

・池照佳代さん(人材・組織開発コンサルタント)

・宮本聡さん(営業コンサルタント/ファンドレイジングアドバイザー)

・近藤祥子さん(ITエンジニア)

当日のタイムスケジュール

 

 

実りの秋に向け、チャレンジする夏を

人生100年時代といわれる現在。ひとの一生を25年ごとに分割し、春夏秋冬の4つに分けた時、世の中に対してもっとも多くの実りを生み出す季節はいつになるのでしょうか?

 

スポーツ選手であれば、25歳までの春の季節、あるいは26~50歳までの夏の時期でしょう。ですが多くの人は、50~75歳の秋の時期に、最も実り多い季節を迎えます。

 

ひとつの領域にとどまり続けるのはハイリスク

実りの多い秋を迎えるためには、夏の時期の過ごし方が非常に大切です。

 

電通やBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)を経て、現在は著者・コンサルタントとして活躍する山口周さんは、イベント前半で行われたミニセミナーの中で、「夏の時期はひとつの領域にとどまらず、いくつかの領域に跨って仕事をすることが重要」だと語りました。「逆に言うと、25歳からの25年間、ひとつの領域でひとつのことをやりすぎるのはリスクが高い」とも。

 

たとえば2012年には、アメリカの経営学紙『ハーバード・ビジネス・レビュー』が、「21世紀でもっともセクシーな職業はデータサイエンティストである」と書いた記事を紙面に掲載しました。しかしそれから6年が経った現在、AIの台頭により、データサイエンティストの人気は早くも陰りを見せ始めています。

 

「もっともセクシーな職業」といわれていた仕事でさえ、10年も保たずにその勢いを失う時代なのですから、ひとつの領域にとどまり続けるのがハイリスクだという話も頷けます。

 

「ひとつの会社に何年か勤めて、仕事に慣れてきた。けれど最近、成長の速度が鈍化している気がする。同じ業界の人とばかり会い、同じスキルばかりで仕事をしているな……、と感じ始めたら、それは黄信号かもしれませんね」と山口さん。

 

とはいっても、いきなり未経験の業界に飛び込み、未経験のスキルで仕事をするというのは、いくらなんでも難しいですよね。

 

そこでまずは「今いる業界で培ったスキルを、他の業界で活かしてみる」「今いる業界で、新しいスキルを使った仕事にチャレンジしてみる」など、スキルか業界、どちらか一方から変えていくという形で、新たな一歩を踏み出してみるのがオススメとのことです。

 

そうして複数のスキル、複数の業界を経て、経験に多様性が現れてくると、ある日突然稼げなくなるリスクを大幅に減らすことができます。

 

長年結果を残し続けるのは、それを楽しめる人

もうひとつ、ミニセミナーの中で山口さんが大切な要素として紹介していたのが「自分のやっていることを楽しむ」ということです。

 

山口さん登壇の様子

 

「これを知るものはこれを好むものに如かず」という、孔子の言葉があります。「知っている人、能力があるだけの人は、それを楽しんでいるひとには勝てないよ」という意味です。

 

また楽しんだ人が成功するケースとして、将棋の羽生善治氏のエピソードが挙げられていました。

あるインタビュアーが羽生さんに対して「将棋に才能は必要ですか」と訊いたところ、「確かに才能は大事ですが、20年、30年とトップを守れる人ということになると、才能以上に重要な要素がある。それは楽しんで将棋の勉強を続けられることです。最後に勝つのは楽しんでいる人です」と答えたのだといいます。

 

そして「自分が本当に楽しめる仕事を発見するためにも、やはり色々な領域の仕事に挑戦してみるのが良いですね」と、山口さんは言います。

 

 

4人の『稼げるフリーランス』に訊く、成功の秘訣

後半のトークスカッションでは、山口さんを含む4人のフリーランスが、働き方や『稼げる人』になる秘訣について意見を交わしました。

 

「準備をしてから行動するのではなく、まず行動してから次の準備をすることで成果が上がるようになった」と語ったのは、人材・組織開発コンサルタントの池照佳代さん。

 

エンジニアの近藤祥子さんも「様々な仕事や誘いを、決して断ることなく受け続けていたら、いつの間にかたくさんの面白いことが舞い込むようになった」というエピソードを紹介。まずは行動してみることが大切なのだと分かります。

 

トークセッションの様子

 

挑戦をやめると人生は退屈になる

「組織人として出世し、管理職になったこともあったが、座っているだけでそこそこの年収をもらえる環境には危機感を覚えました。何故ならそのぬるま湯、どんどん温度が下がっていくような感覚があったからです。気づいたときには冷たくなってるんじゃないかと」

 

そう話したのは、電車の運転手や金融、NPOなど、様々な業界を経験し、現在は経営コンサルタント・ファンドレイジングアドバイザーとして活躍する宮本聡さん。

 

これに被せる形で山口さんが紹介してくれたのが、アメリカの心理学者、ミハイ・チクセントミハイの理論。

私たちは簡単すぎる仕事をずっと続けていると退屈になります。

 

一方で難しい課題にチャレンジしていると、そのうちパッと覚醒し、もっともパフォーマンスが高く満足感も得られる「ゾーン」と呼ばれる状態になります。

しかし「ゾーン」の状態をずっと続けていて、それが簡単にできるようになってくると、やがて退屈な状態になり、パフォーマンスや満足度も落ちてしまう……。

つまり私たちは、常に新しい挑戦をやり続けていないと、退屈に飲まれてしまうというのです。

 

多くのジャンルを経験することでオンリーワンに

自分をどうブランディングしていくのか。同業者とどうやって差別化していくのかは、多くのフリーランスが頭を悩ます点。未知の領域に挑戦していく姿勢は、この問題を解決する上でも非常に役立ちます。

 

たとえば100のジャンルがあれば、それぞれのジャンルで1位になれる人は100人しかいません。けれど2つのジャンルをかけ合わせていけば、その組み合わせは9900種類になり、それぞれの掛け合わせで1位になれる人もそれだけ多くなります。

 

これが3つ、4つとなっていけば、オンリーワンの組み合わせとして稼いでいける確率がどんどん上がっていくというわけです。「ビンゴカードみたいに、全部の業種を埋めていくのが夢」とは近藤さんの弁。

 

 

まとめ

今回のイベントでは、4人のゲストがそれぞれ違った成功の秘訣を語ってくれましたが、その中でも共通していたのは、失敗を恐れず様々な分野にチャレンジしていたという点。

個々のチャレンジの結果にかかわらず、チャレンジの回数を多くした人が『稼げるフリーランス』になれているのではないかという印象を受けました。

 

 

取材・文/辺川銀 写真/フリーランス協会提供

 

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