Warisが実施した「変革型フリーランス実態調査」の結果を交えながら、「フリーランスが幸せに働くこと」について小崎さんと一緒に考えてみました。

最終回は、変革型フリーランスと企業のめざすべきところ、幸せなキャリアとは何か。小崎さんのあたたかいメッセージで締めくくります!

小崎亜依子
Waris Innovation Hub プロデューサー/Warisワークアゲイン事業統括
野村アセットマネジメント株式会社を経て、留学・出産育児により5年のキャリアブランクを経験。NPOでのアルバイトを経て2007年に株式会社日本総合研究所へ転職。企業のESG側面の評価分析を行い、社会的課題解決を投融資の側面から支援。「なでしこ銘柄」における企業分析等を担当した後、2015年株式会社Warisに参画。自身の経験を活かし、キャリアブランクのある女性を対象としたインターンシップ事業を手掛けるとともに、プロフェッショナル女性を対象としたプロジェクト型ワークの創出・マッチングを行う。日本テレワーク学会所属。

INDEX

―変革型フリーランスで幸せに働く―

第1回:小崎さん、「フリーランスになれば幸せ」って本当ですか?

第2回:時給5000円も夢じゃない!?「変革型フリーランス」になるには

第3回:企業に「選ばれる」フリーランスから、キャリアを「選ぶ」フリーランスへ

企業もフリーランスの価値に気づき始めている

 

― 変革型フリーランスは今後、企業に浸透していくと思いますか?

フリーランスの多様な実態〜4社調査比較〜」でも語られましたが、やはり企業側はまだまだ道半ばで、外部の人材を取り入れることに抵抗があったり、どう使えばいいのかわからなかったり、フリーランスを起用するのが当たり前となるまでには到底及ばないところにいます。でも、企業で正社員として働く人たちの中でも、優秀な人たちはその必要性に気づいています。

 

― 気づく人は気づき始めている!

企業一体となってそのような方向に舵をきるところまでいかなくても、担当者レベルで、感度の高い人たちは、これまでの人材活用だけでは限界があることをわかり始めていると思います。今後プロジェクト型の事業が増えていくと言われている中で、企業のローテーション人事、社内のリソースだけでは限界がありますから。事業を成功させていくために必要な能力やスキルを求める結果として、優秀なフリーランスを起用していくことは賢い選択です。なかでも変革型フリーランスはプロジェクトの中核的存在となっていくでしょう。

フリーランスと企業が対等なパートナーに

― 企業は変革型フリーランスにどのようなことを求めていくでしょうか?

専門性やスキルを発揮してほしいというのは大前提。そのもう一歩先ですね。クライアントにも見えていないものを明確にし、提案していく力。「この課題を解決してください」と明示されたことを遂行するだけでなく、企業側も明確にできていない“ふわっとした課題”から“本質的な課題”を見抜き、その解決に向けた提案までしていけるような仕事力を持つ人が活躍していくのではないでしょうか。それがまさに、私たちの考える変革型フリーランスです。

 

― フリーランスが企業に対して提案していける存在になるために大切なことは何でしょうか?

企業と対等な関係を築くというのは、ひとつ大きなポイントだと思います。対等な関係でいるためには専門性を磨き続けることはもちろんですし、いつでもイエスマンでいることがよいわけではありません。言われたことに「はいはい」と応えるだけなく、常に打ち返していくこと。前向きな提案をしていくこと。返し技をたくさん持つことも大切です。

 

― 企業側もフリーランスを格下、下請けと捉えない姿勢が必要ですね。

そこもとても重要な点です。変革型フリーランスの調査でも「企業に求められることは何か?」と質問したところ、最も多くあがったのが「フリーランスを対等なパートナーとして接すること」でした。インタビューした中でも、「正社員にしてあげる」などの発言をされた、組織の理論でばかり語られる、といった経験が聞こえてきました。変革型フリーランスは引く手数多であるケースが多いですから、信頼できるクライアントでなければ取引を継続しない人も少なくありません。

企業側がどんな人材を起用しようか選ぶのと同様に、フリーランスも企業を選ぶ時代が来ています。フリーランスを対等なビジネスパートナーと捉え、優秀なフリーランスに“選ばれる企業になろう”という意識が企業側により必要になってくるのではないでしょうか。

 

 

キャリアのオーナーシップを持つ

― お聞きしていると、変革型フリーランスは決してラクではありません。それでも満足度が高いのは、なぜだと思いますか?

きっと、キャリアのオーナーシップを自分自身できちんと持てているからだと思います。もちろん、責任ある仕事をするうえでストレスだって悩みだってあります。それでも、そのキャリアを選択したのはほかでもない自分、苦労も達成感もすべて自分のものだと納得できているからこそ、圧倒的に満足度が高いのでしょう。

 

― キャリアのオーナーシップ・・・働く人にとってのキーワードになりそうな言葉です。

今後、より重要視されていくことだと思いますよ。働き方が多様化していく中で、仕事もどんどん多様化していきます。好きなことや関心のあることで、仕事を自ら作っていけるようにもなっていきます。そうなれば、人事に決められてしまうキャリアより、自分でオーナーシップを持つキャリアのほうがずっといいと思う人も増えていくはずです。

 

―キャリアに対する価値観というのが、どんどん変化していきそうですね。

そうですね。実は今の大学生は安定を求める傾向が強いあまり、専門職志向の子が多いというのも聞きます。それはひとつの選択でもあるのですが、少し寂しいなと思いませんか?若い時はいくらでも失敗できるし、ふらふらと好きなことをしていてもいいじゃないですか。キャリアのオーナーシップというものは、決められた道を間違いなくいけば手にできるというものじゃない。やってみたいこと、興味のあることに挑戦しながらふと感じる“心躍る瞬間”、ぜひそういった中からキャリアを見つけていってほしいです。幸せに働くことというのは、そんな瞬間に出発点があるのだと思います。

 

 

取材・文/横山さと 編集/高橋実帆子 写真/Cue編集部

 

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