子どもも親も大好きなまんまる保育室のひろちゃん

special

日に焼けた肌に茶髪のツイストヘア、低めのしゃがれ声と、一般的な保育士のイメージとはかけ離れた福田弘美さん。元々は子どもが特別好きでもなく、保育士になりたかったわけでもないそうですが、約8年前に鎌倉で「いっぱいわらお。」がキャッチフレーズの「まんまる保育室」を設立。園児や父兄から「ひろちゃん」と親しまれ、毎日全力で園児たちと遊ぶ園長に。

「アドバイスなんかできないけど、身近なところから働くお母さんの力になれたら」とおっしゃる、まっすぐで飾らない福田さんのメッセージを3回にわたってお届けするこの連載。1回目は、「働くお母さんの力になりたい」というお話です。

鎌倉のまんまる保育室―福田宏美さん

第1回:子どもも親も大好きなまんまる保育室のひろちゃん
第2回:お迎え前にスーパーに寄ってもいいよと言ってくれる園長
第3回:安心してね、延長保育はかわいそうじゃないんだよ

 

― 保育士になったきっかけを教えていただけますか?

元々子どもが特別好きなタイプではなかったし、保育士になりたかったわけじゃないんですよ。女子プロ(プロレスラー)や体育教師を目指したけど、みんな落ちてしまって。それから母に勧められて、保育士の資格を取ったんです。最初は多摩市内の企業の保育園に1年間、その後障がい児施設で3年間勤めて、バイトも色々しました。結婚して、子どもが生まれてからですね、「なにこれ!子どもって面白い!かわいい!」と思い始めたのは。2人目が生まれてしばらくしてから、大規模な保育園でまた保育士として働き始めました。

― 大きな保育園は以前働いていた保育園とは違いましたか?

初めて大きな保育園で働いたので、刺激はありました。そこで吸収できるものはすべて吸収させてもらおうと思って。その頃から「ここは真似したい、ここは真似したくない」と自分の中で分ける作業が始まって、「自分の保育園を作りたい」と意識し始めました。

― 「まんまる保育室」という名前の由来は?

「まんまる」は、0から2歳児までの保育室なんですけど、0~1歳くらいまでの子は、こうやって頭の上で○(マル)を作ろうとしても手と手が届かないんですよ。すき間が空いちゃって、○にならない。その届かない姿がまた可愛いんですよね。で、だんだん大きくなっていって1歳半くらいから手が届いて○が作れるようになる。その成長過程を大切にしたいという思いも込めて、「まんまる」です。

まんまる保育室ロゴ

ーまんまる保育室ロゴ(公式HPより)

 

― 保育室のキャッチフレーズ「いっぱいわらお。」もいいですね。

保育室が0歳から2歳の小さい子が最初に出ていく‶社会″だと考えると、その最初に出ていくところがとにかく笑顔であふれているといいなと思いまして。その時期に子どもの心の土台みたいなものができるとしたら、いっぱい笑って過ごして、「まんまる」で少しでもその土台を厚くできたらいいなって。

ひろちゃんと遊ぶ園児(まんまる保育室提供)

ひろちゃんと遊ぶ園児(まんまる保育室提供)

― 最初は無認可の保育室としてスタートされたそうですね。

六畳二間の古民家を借りて無認可で始めて、最初は預かる子どもがほとんどいなくて、赤ちゃんをニヤニヤみつめていたこともありました(笑)。少しずつ子どもが増えて、今の2階建てに移転して認可になったのが4年前です。本当は近所の子誰でもどうぞ、と思っていたんですけど、今は「まんまる」も定員で、そういうわけにもいかなくなりました。

 

― 今はどこの自治体でも待機児童問題がありますが、正社員やパートに比べて働き方が不透明なフリーランスの場合、より保育園に入りづらいという現状があります。

色々な働き方のお母さんがいますよね。「おうちで仕事してるんだから保育園に預けなくていいでしょ?」って言われても無理な話ですよ。家に赤ちゃんがいたら仕事なんてできるわけない。だってバブバブ言ってるんだから(笑)。

夏には園児よりも日に焼け子供たちと遊ぶひろちゃん(まんまる保育室提供)

夏には誰よりも日に焼け、子供たちと遊ぶひろちゃん(まんまる保育室提供)

 

― ライターの私自身もそうなんですが、フリーランスという働き方はあまり浸透していなくて、理解されにくい部分も多いんです。家ですっぴんで仕事をしてそのまま保育園にお迎えに行くと、ほんとに仕事してるの?という目で見られることもありますし(笑)。

私はフリーランスとかよくわからなかったんですけど、この取材を受けたのも、知らないことが多いし、刺激になるからなんです。知らないことがあるってことを常に知っていたい。保育士の世界は狭い世界ですから。私は「まんまる」の子の父兄の味方でいたいし、卒園生の父兄の味方でいたい。身近なところからお母さん(もちろんお父さんも!)たちを応援できたらと思うんです。

家で仕事していて保育園に入れないお母さんや、近くの保育園に入れなくて困っているお父さんがいたら助けられたら。「ずっと待ってるのに、どうしてこの子が保育園に入れないの?」って役所に直接言いに行ったこともあります。

第2回:お迎え前にスーパーに寄ってもいいよと言ってくれる園長につづく

取材・文/村雨玲子 撮影/工藤朋子 本文写真提供/まんまる保育室

まんまる保育室(特定非営利活動法人まんまる まんまる保育室)
住所:神奈川県 鎌倉市常盤64 − 5
HP:https://sites.google.com/site/manmaruhoiku/
※小規模保育事業A型として鎌倉市から認可を受けています。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でCueをフォローしよう!

Cue 編集部

さまざまな女性たちの生き方を紹介するライフストーリーメディア。 変化を受け入れてしなやかに生きる彼女たちの物語が、ほかの誰かにとって小さなきっかけ、「はじま...

プロフィール

ピックアップ記事

あなたにオススメのストーリー