フリーランスのプロ人材を積極的に登用している企業の経営者や人事担当者は、どんなきっかけでフリーランスを採用し、どんなメリットを感じているのでしょうか。

今回は、卒業アルバムの制作をメイン事業とする株式会社トーコロの代表取締役社長小林千恵さんにお話をうかがいました。※役職名は、Waris利用当時のものです。

代表取締役社長 小林 千恵さん

Q フリーランス人材を利用し始めたきっかけについて教えてください。

弊社は卒業アルバムの制作を主な事業とする、創業60年になる印刷会社です。2013年に私は父の跡を継いで3代目社長になりました。事業の内容上、少子化のあおりを受け、業績は低迷しており、新しいビジネスを生み出さねばならないという課題がありました。しかし、長く続いている会社ですから、社長も社員を家族のように感じており、業績にかかわらず一定の昇給があったりと、よい部分もあったのですが、やはり会社全体としては急速な業界の変化への危機感が薄かったように思います。

初めは自分で人事制度を作ってみたり、外部人材を採用して改革しようとしたりしましたが、現状の人事制度では、いくら優秀な人を雇っても、すぐに去られてしまう可能性が高いと考えた私は、とにかく早急に人事改革をしなくてはと強く感じていました。でも、問題が山積みで、何から手を付けたらいいかわかりません。

あるとき、そんな悩みを友人に打ち明けたところ、友人から「フリーランスで採用に強い人事コンサルタントがいる」という話を聞き、紹介してもらうことになったのです。

Warisリクルートコンサルタント小崎と
Warisリクルートコンサルタント小崎と

そこで、私の抱えている悩みをそのフリーランスの方に2時間一気に聞いてもらったんです。そうしたらわかれてから1時間後に、彼女から、「ぜひ社長のお手伝いをしたい。私だったらこれができます」というメッセージとともに、パワーポイントで作られた資料が送られてきたんです。なんとそこには、弊社の人事改定案のロードマップが1年分記されていました。私はこの資料を見て、彼女に仕事を任せることに決めました。

 

Q 御社は社歴の長いベテラン社員も多く、一人で社内改革をしようとしたときは大変だったと思います。フリーランス人材を活用された実感はいかがですか?

かつて社内にも人事コンサルタント出身の人がいたのですが、知識は豊富なのですが、やや実行力にかける面があり、もどかしさを感じていました。

でも、このフリーランスの方は違いました。まさに「竹を割ったような性格」で、改革のために社員や役員にはもちろん、私にも遠慮しない(笑)。でも、そこがよかった。

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たとえば、経営会議。以前は社長の意見が優先されやすいものでしたが、私の代になって多数決にして、幹部にもいろいろ考えてもらうという方針にしていました。とはいえ、そう簡単にみんなが意見を交わすような雰囲気にならなかったんです。

でも、あるとき彼女が経営陣にプレゼンしたとき、会社を良くしたいと思うあまり、「社長の言うことなんて聞かなくていいんです!」と、社長の私の前で言い切った(笑)。

「社長に気に入ってもらえればそれでいい」というような外部コンサルタントと違い、「会社を良くしたい」「社会を良くしたい」という気持ちが非常に強いところが大好きでした。本当に、うちに来てくれてよかった。

 

Q フリーランス人材の方は約1年間在籍して、人事制度を整えたとのことですが、その人がいなくなってからも制度はうまく回るものなのでしょうか。

彼女が初めに引いたロードマップは約1年でしたが、進捗を見て1年半に引き直しました。一般的な人事コンサルの場合、ロードマップを引いて、制度設計しておしまいということもあるのですが、彼女は違いました。

彼女が一番初めに手掛けたのは、一般社員から事業本部長まで、全員に「目標シート」を書いてもらうこと。自分の目標を改めて書く機会がない人が多かったのですが、彼女は社員一人一人の目標シートを確認し、赤字を入れて差し戻し、納得がいくまで書き直しを求めました。

こうして社員一人一人の当事者意識を目覚めさせ、最終的には自分がいなくても、人事制度がうまく回るようになるところまできっちりと見届けていったのです。

もちろんできることなら、今でも彼女にはこの会社にいてほしいと思っています。それくらい優秀な方なんです。

 

Q 総合職系フリーランス女性の活躍についてどう思いますか?

人事制度の見直しにあたり、「新しい人材と雇用契約」か「コンサルタント会社と契約」しかないと考えていたため、友人の紹介がなければ「フリーランス人材の活用」という選択肢があるとは気づきませんでした。外部コンサルタントと社内メンバーの中間に位置するフリーランス人材は、まさにいいとこ取り。活用のデメリットはいくら考えてもないんですよ。

たとえば人事コンサルタント専門の会社に頼んだら、費用もかなり高額になり、弊社のような中小企業にはハードルが高かったりしますが、それに比べればフリーランスの方だと比較的割安です。

また、外部人材を採用してしまうと、社内の人とうまくいかなかったときに会社を去ってしまいます。フリーランスの場合はプロジェクトに対する契約ですので、そういう心配はありません。

ただ、私はこのフリーランスの方と相性が良かったということもあるのだと思います。そう考えると、フリーランスの人材を活用するときには、「自分と仕事観が合う人」「お金の感覚が近い人」の2点で選ぶと、うまくいくのかもしれませんね。

株式会社トーコロ
1956年創業。卒業アルバムを中心に記念誌や学校案内、その他様々な制作物を、デザインから印刷、製本までワンストップで対応。人々の「思い出を形にして残したい」という願いを形にしています。2014年より新たな経営方針として「お客様のご期待を上回る商品作り」を掲げ、時代に即した新たな機材の導入や新しいサービスの実現に向け取り組みを行っています。

本社所在地:東京都足立区

ウェブサイト:http://www.tocollo.co.jp
■創業/1956年9月
■事業内容/アルバムを中心に記念誌や学校案内その他さまざまな制作物の印刷、制作
■従業員数/122名

 

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