デザイナーやエンジニアなどではなく、いわゆる総合職のごく一般的な会社員が、フリーランスになって果たして食べていけるのか。そんな問いをきっかけに、実験と称して自らフリーランスに転身した黒田悠介さん。

今やフリーランス研究家という肩書きまで持ち、フリーランスが集うコミュニティの代表も務める黒田さんに、フリーランスの今とこれからをお聞きするこの連載。1回目は、フリーランス研究家に至った背景をうかがいました。

INDEX

「フリーランス研究家」黒田さんってどんな人?

—「フリーランス研究家」という肩書きが気になります。黒田さんは一体何者なのでしょうか?

私ですか? ただのフリーランスですよ。フリーランス大好きおじさんです(笑)。フリーランスとして働きながら、フリーランスの活躍を広げるために活動しています。

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黒田悠介

「フリーランスを実験し、世に活かす」という活動ビジョンを掲げて、自分自身を実験台にしている文系フリーランス/フリーランス研究家。新しい『事業』と『働き方』を生み出すことが生業。スタートアップから大企業の新規事業まで「ディスカッションパートナー」として、年間30社の事業立ち上げを支援。

公式サイト:https://www.discussionpartners.net/
議論メシ:https://www.gironmeshi.net/

フリーランスナウ:https://freelancenow.discussionpartners.net/

— ただのフリーランス! どのような経緯でフリーランスになり、大好きおじさんに至ったのでしょうか?

大学を卒業して、マーケティング会社を2社経験し、26歳の時に起業したんですね。その会社は2年で売却しましたが、ベンチャーをやっていて辛かったのが、人がいないことで。経営の一部を任せたい、新規事業に取り組みたいという場面で、どれだけお金があっても頼める人材がいない。そこに気づいたので今度は、優秀な学生たちにベンチャーを勧めていく、キャリアカウンセラーの仕事に就きました。「官僚になっている場合じゃないよ」といった具合に。

 

— そこからなぜフリーランスに転身を?

年間で何百人という学生の相談にのっていたのですが、いつからか、学生の口から“フリーランス”という言葉が出るようになってきたんです。「そういう時代なんだな」と思うと同時に、自分はキャリアカウンセラーとしてベンチャーの話も起業や経営の話もできるけど、フリーランスの部分は話せないな、と思いました。当然ですよね、経験がありませんから。言えるのは「大変そうだよね」くらい。それではちょっとイケてないし、じゃあ、やってみようかなということでフリーランスになったのが2015年の8月でした。

 

文系フリーランスとして食べていけるのか・・・実験スタート

― なるほど、ご自身で実際に経験してみたのですね。

はい。フリーランスの中でも、エンジニアやデザイナーのようなクリエイティブ系ではないフリーランス、まさに自分みたいな「ただのフリーランス」が食べていけるんだろうか?という実験です。私はそれを「文系フリーランス」と表現し、『文系フリーランスって食べていけるの?』と、当時考えていた問いをそのままブログのタイトルにして実験をスタートしました。

 

― フリーランスになってみて、いかがでしたか?

めっちゃ、よかったですね。私にとっては、最高です。

 

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もちろん、フリーランスは初めての経験で、仕事のとりかたも、報酬の決め方もよくわからなくて紆余曲折はありました。でも、スタートこそ実験のつもりでしたが、実際にやってみたらものすごくよかったから、今も会社員に戻っていないんでしょうね。フリーランスはたくさんの人が求めている働き方だなと感じる一方で、まだ課題が多い分野でもあるので、やりがいもあるなと思っています。

 

フリーランスの過渡期に必要なフリーランスの専門家

― そうですね。フリーランスが認知され始め、環境が大きく変わりつつある中、課題もまだまだ多いのが現状です。

個人・企業・行政という分け方をすると、今はどこを見てもフリーランス活用の方向に、一斉に舵をきっていますね。

個人としては、ライフスタイルの多様化が進む中で、フリーランスなら仕事に人生を合わせるのではなく、人生に仕事を合わせられる。企業としては、競争環境が加速し、どんどん新しいことに取り組んでいかなければならない時代に、必要なリソースをいちいち採用し育成しているのでは時間もコストもかかるので、フリーランスをもっと使っていきたい。そして行政としても、一億総活躍社会と打ち出す中で、フリーランスの活用を増やしたいと考えているのが現状です。

ところが、個人もフリーランスでの活動に慣れていないし、企業も使い方に慣れていないし、行政もフリーランスの安定を図ろうと模索はしているけれど、今ひとつ真意を汲んでいない感があります。フリーランスの専門家が必要なんです。

 

― そこで、フリーランス研究家なのですね。

はい、フリーランス研究家を名乗って、企業や国や個人に向けて実体験を含めたさまざまな話をさせていただいています。フリーランスは今が本当に過渡期だと思います。

第2回『フリーランスになる前に「信頼残高」を貯めておく』につづく

 

取材・文/横山さと 撮影/Cue編集部

 

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