“自己肯定感”という言葉をご存知でしょうか?最近メディアでも多く取り上げられていますので、耳にしたことがある方もいらっしゃると思います。

自己肯定感とは、自分自身を肯定する、つまり、「私は大切な存在だ」と認めることです。自尊心、と言い換えてもいいと思います。

似た言葉で、”自己効力感“というものがあります。こちらは、「私は、これをうまく成し遂げる能力がある」と感じることです。

いずれも心理学用語ですが、意味するところは微妙に異なります。

 

両者はとても関係が深く、相互作用の強いものです。自己肯定感が高いと、困難なことにもチャレンジしようと試み、結果として成功することで、自己効力感が上がります。

 

この自己肯定感と自己効力感が、いずれもキャリア形成に大きな影響を及ぼすことは、よく知られています。今回は、女性フリーランスにとって、自己肯定感・自己効力感が及ぼす影響について、考えてみたいと思います。 

日本の若い女性は、「自信がない」人が多い

一般的に、女性は男性に比べて自己肯定感が低く、若い人の方が年齢の高い人に比べて低い、と言われています。また、世界的に見て、日本人は外国人に比べて自己肯定感が低い、という調査結果もあります。

原因については様々語られており、個別な理由も存在するため、今回は言及しませんが、総じて“若い日本人女性は、自己肯定感が低い。結果的に、自己効力感も低い”という現状は、大変残念だと言わざるを得ません。

しかし、実感を伴った結果でもあります。とても有能だと感じる女性でも、自分に自信がなかったり、チャンスが与えられても回避したりする例を、たくさん見てきました。驚くと同時に、非常にもったいないと思います。

 

フリーランスに欠かせない、自分を認めるチカラ

私はフリーランスにとっては特に、自己肯定感・自己効力感はなくてはならないものだと思います。クライアントに「この仕事頼めますか?」と言われた時に、「自信はないけど頑張ります」と答えるわけにはいかないからです。

会社員時代は、身の丈以上の発注をもらったとしても、上司や先輩や他部署のプロフェッショナルなど、周囲の人の力を借りることで、なんとか要望に応えられていました。ですが、身一つのフリーランスは、そうした組織力を駆使することもできません。「この仕事を、私一人でやり遂げられる」という自信がなければ、引き受けられないと思うのです。

 

また、会社員のように、定期的な査定やフィードバックがあるわけでもありません。フリーランスにとっては、リピートや顧客の紹介などが“評価”を意味しますが、「認めているよ」という直接的な言葉や昇給が期待できるわけではありません。他者からの評価がなくても、自分で自分を律しながら仕事をするという性質上、自己肯定感・自己効力感がなければ、おそらく長続きはしないでしょう。

 

自己肯定感の低さから、自律神経失調症に

またワーキングマザーとしても、とても大切な感覚だと思っています。

仕事、育児、家事と様々なタスクをこなし、毎日を必死に生き抜いているワーキングマザーたち。1日24時間という限られた時間の中で、よくこれだけのことをやっているなと、すごいなと思うことがよくあります。

日々奮闘しながらも、「私はできていない」と悶々としているママの姿を子どもたちが見たら、どう感じるでしょうか。もし、「これだけ頑張っても、自分を認めてはいけないのか」と学習してしまったら。とても悲しいことですよね。

私は、「頑張ったら、『頑張った!』と胸を張っていいんだよ」と子どもに教えてあげたいと思います。頑張ることと、結果の出し方を知っているかどうかは別で、子ども時代に必要なのは、頑張る経験だと思うからです。

 

かく言う私自身も、かつては自己肯定感・自己効力感の低い人の一人でした。

苦手なことにチャレンジして、自分なりに頑張るも成果が出ず、悶々としていました。仕事は、成果を出してなんぼ。頑張ることに意味はなく、成果を出すことに意味がある。成果を上げられていない今の自分には、何の価値もない。そう思っていました。そんな状態が数年続いたある日、ついに体調不良に陥りました。心療内科に行ったところ、忙しさとストレスから来る自律神経失調症だと診断されたのです。

薬を服用したり、自己認知をし直したりして、1年ほどで回復することができました。いろいろな要因が重なった結果の発病でしたが、今にして思えば、自己肯定感・自己効力感の低さも要因の一つだったと思います。

 

では、自己肯定感・自己効力感を上げるには、どうしたら良いのでしょうか?私が実際に取り入れていた手法をいくつかご紹介します。

 

ポジティブな面に目を向ける

仕事を一つ終わらせるごとに、成果に対してレビューを行います。最初はネガティブな面にばかり目が行くかもしれませんが、意識的にポジティブな面に目を向けるようにします。ネガティブ1に対して、ポジティブ3くらいの割合で発見できると良いと思います。その時に、「こんなの当たり前だ」と決めつけず、ポジティブな面としてカウントするのがオススメです。

例)

ポジティブ→納期を守った、妥協しなかった、クライアントに「ありがとう」と言われた

ネガティブ→納期ギリギリになった

スモールステップ(小さな成功)を積み重ねる

1週間ごとに目標を立て、達成できたか否かを見ていきます。”スモールステップ”なので、本当に小さいことで構いません。

例えば、

・毎日、2階分の階段を上り下りする

・夜ごはんは20時までに済ませる

・寝る前に5分部屋を片付ける

といったことでいいんです。達成できた日は、手帳やカレンダーに○を付けます。○が7個並ぶと視覚的にもわかりやすく、達成感や満足感が得られ、知らず知らずのうちに積みあがっていきます。

 

自分を認める

スモールステップの積み重ねが1か月継続できたら、「私、頑張ってるよね」と認めてあげます。そして、自分にご褒美をあげます。ご褒美も、ちょっとしたことで構いません。私は、高級アイスクリームを食べるバスソルトを入れてゆっくり湯船に浸かる、などをご褒美にしていました。自分を認めることは苦手でも、ご褒美が苦手という人はいないでしょう。そして、また次の小さなチャレンジを始めるのです。

 

可能なら、パートナーや上司などにチャレンジと結果について共有してみましょう。誰かの目があることでやり切ることができたり、達成した時の喜びを分かち合えたり、失敗した時の慰めや次のチャレンジへの励みになったりもします。

 

子育てでも似たようなことをしていませんか?

例えば、苦手なものを頑張って食べたら、ご褒美に好きなおかずのおかわりをさせてあげる。トイレトレーニングが成功したら、シールを貼らせてあげる。そして「よく頑張ったね」と褒めてあげる。失敗してしまったら、「次はきっとできるよ。また頑張ってみようね」と声をかける。基本的には、これらと同じことなんです。

 

過剰な自信は良い結果を生みませんが、経験や結果に見合った自信は、必要なものです。時々立ち止まって、自分の仕事やしてきたことを冷静に見つめて、自分を褒めてあげることを忘れないでくださいね。

文/天田有美

 

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