特定の組織に属さない、フリーランス。会社員で働いている周りの友人からは、「マイペースに仕事ができていいね」なんて羨ましがられることもしばしば。
一見自由なフリーランス。しかし、ひとりで悩みを抱えることが多く、「うつ」になりやすい環境にあると言えるかもしれません。今回は、実際に私が体験した「うつ」の初期症状から克服までを書いていきたいと思います。

収入不安のためにキャパ以上の仕事を引き受け、締めきりに追われる毎日

フリーランスになって今年で15年目のライターAです。フリーランスになると会社員時代には経験できなかった様々な学びや気づき、楽しみがあり、私の生き方、働き方としてフリーランスが一番合っていると思えます。しかし、もちろんフリーランスだからこその悩みも発生します。私の場合は収入の問題と休日問題でした。

フリーランスは毎月同じ日に同じお給料が振り込まれるわけではありませんので、収入が不安定になりがちです。以前の私はキャパ以上に多くの仕事を受けてしまう、金額と見合わない手間のかかる仕事を断れずに受けてしまうこともありました。

収入を安定させるためとはいえ、心身ともにきつく、いつも後悔していました。
無理に引き受けて一番困ったことは、媒体の制作開始からギャラが入金されるまで、数ヶ月かかる仕事でした。会社員の場合は、プロジェクト開始から終わりまで、制作物が世に出来ようが出来まいが、当然、毎月お給料が入ります。
しかし、フリーランスの場合は、制作物が世に出てから(出版物の場合は発売されてから)ギャラが振り込まれることが多いかもしれません。世に出た月内に振り込まれるならまだいい方ですが、半年以上あとにようやく制作物が出て、その翌月末、翌々月末に振り込みというクライアントもあり、個人としては厳しかったです。(※ここ数年は、下請法での支払期日を守ってくれる業者が増えている印象です)

「ほかの仕事を平行してやればいいじゃない」という声も聞こえてきそうですが、たいていそういった仕事はかなり忙しく、ほかの仕事を平行してこなす時間的余裕はありません。その間の生活、いったいどうしよう。家賃、払えるだろうか・・・・・・。でも仕事は目が回るほど忙しい・・・・・・。

常に締めきりに追われて心も体も休めない、そして生活に対する不安。気付くと両手の指の皮が剥け、皮膚科に行くと「ストレス性のものでしょう」と先生。今思えば、このときからすでに心身の赤信号が点滅していたのだと思います。

 

文字が読めない? いったい私はどうしちゃったんだろう

うつ症状がはっきり体に表れはじめたのは、仕事をしている最中でした。
ある日、パソコンに向かって仕事をしようとすると、頭痛と吐き気がするようになってきたのです。
メールを開いても、相手が伝えたい内容が頭に入ってきません。文字は認識できるものの、文章の読解ができない。1通返信するのに、時間がかかるようになりました。メールの処理でその調子ですから、もちろん本を読もうとしても内容をきちんと理解できません。「ライターという職業なのに、文章が理解できなくなるなんて、いったい私はどうしちゃったんだろう・・・・・・」。パソコンに向かうことが辛いだなんて誰にも言えず、仕事の処理スピードが日に日に落ちていく自分に、不安といらだちしか湧きませんでした。

 

夜、動悸がして朝まで寝られない日が続く

体の不調は不眠という形でも表れていました。しかしもともと夜型で、夜の2時3時くらいまで仕事をすることも少なくなかったため、最初はそれほど気にも留めていませんでした。早めに床についても寝られないのは、「きっと体内時計がずれているせいだろう」と軽く思っていたのです。

しかし、抱えている不安が頭から離れず、床に入っても心臓がバクバクとし、動悸がするようになってきました。
4時、5時、6時……。朝の7時まで寝られない日が頻繁に出てくるようになり、「何かおかしい・・・・・・」。私はそこでようやく病院に行く決心がつきました。

翌日、さっそくネットで近所の睡眠外来がある病院を探しました。検索の結果、心療内科がヒット。心療内科は初めての経験だったため最初は緊張しましたが、待合室には主婦やサラリーマンの方が多く待っていて、驚いたことを覚えています。
「自分だけじゃないんだ・・・・・・」と少しほっとする自分もいました。

そこの病院の初診では、まず簡単なチェックリストを書きました。どんな生活パターンなのか、体の調子や精神状態はどうなのかなどです。そして眠れない理由を医師に伝え、睡眠環境の改善方法などのアドバイスをもらいました。

お薬は、睡眠導入剤と抗不安薬の2種類が処方され、その晩は久しぶりにぐっすり眠ることができました。
朝まで不安にかられて眠れない、ということは薬を飲むことによって解消されたものの、頭痛や吐き気、気分の落ち込みはさらに強くなっていくのでした。

つづく。

文/ライターA

 

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