子供がまだ小さく手がかかる時期に、親の介護も降りかかる「ダブルケア」に直面するワーキングママ・パパが増えています。フリーランスに転向すれば乗り切れるのでしょうか?

30代40代の働く女性に対するサポート経験が豊富なキャリアカウンセラー・島谷美奈子さんがお答えします。

今回のお悩み

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「子育てと介護のダブルケアに直面。フリーランスであれば、キャリアは継続できますか?」

(42歳・WEBマーケティング・会社員)

 

子供はまだ2歳で手がかかります。その上、親が倒れて、時々遠方の実家まで様子を見に行く必要が出てきました。有給をやりくりして何とか乗り切っていますが体力的にも限界です。フリーランスに転向すればキャリアは継続できますか?

島谷さんのアンサー

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「ちょっと待って! 会社を辞める前に、4つのポイントをチェックしてみましょう」

 

「時間や場所を選ばずに働ける」というイメージがあるフリーランス。育児・介護と仕事の板挟みになり、体力的にも精神的にも負担の大きい毎日を過ごしていると、「フリーランスに転向すれば楽になるかもしれない…」と感じる瞬間があるかもしれませんが、安易に決断するのは危険です。

 

フリーランスは働き方の自由度が高い反面、成果を出し続けることが求められるシビアな働き方。フリーランスには向いていない人、まだスキルの足りない人、転職して会社員を続ける方が良い場合も少なくありません。

 

介護と育児のダブルケアに直面し、フリーランス転向を考えたら、まずは以下の4つのポイントをチェックしてみましょう!

40代でダブルケアに悩む女性が会社を辞める前チェックしたい4つのポイント

  • フリーランスとしての市場価値はある?
  • 5年後、10年後、子どもとどう向き合う?
  • 今の職場の制度、本当に活用できている?
  • 育児も介護もなかったら、どんなキャリアを積みたい?

1)フリーランスとしての市場価値はある?

 

これまでの経験・スキルを活かし、フリーランス転向を考える女性は増えています。実際に転向した場合に、市場価値があるかどうかをチェックするには、>現在の会社を辞めたときに「退職後もこのプロジェクトに関わってほしい」といわれるかどうか等で把握することもできます。

▼参考
私の経験でもフリーランスになれますか

 

ご自身の専門性の深さや、複数の専門性を掛け算で活かせるかどうかなど、あらゆる可能性を考えておきましょう。

 

また、働き方の自由度が高くても、期待された成果を出し続けなければ次の仕事にはつながりません。

育児や介護で時間の制約があるからこそ、自分が成果を出せる領域はどこなのかを、深掘りしておくことが大切です。

2)5年後、10年後、子どもとどう向き合う?

 

子どもの成長と共に、親の役割は変わっていくもの。

ダブルケアを経験したAさんの例を見てみましょう。

 

子どもにつきっきりの世話が必要で病気も多い乳幼児期、Aさんは会社を辞めることなく、保育園や周囲のサポーターの助けも借りて育児を乗り切りました。親の症状が落ち着いている時期には、お子さんをパートナーに見てもらい、宿泊がある出張も経験したといいます。

 

その後、子どもが小学生になり体力が付いた段階でフリーランスへ転向。親の様子を見ながら仕事を続け、子どもの心や体が発達する思春期に入ると、仕事量を抑えてお子さんと向き合う時間を増やしていらっしゃいました。

 

キャリアチェンジはご自身だけでなく、お子さんにとっても大きな変化です。

お子さんの成長に合わせた育児の見通しを立てた上で、体力を消耗しすぎず、子どもとの時間も確保する両立スタイルを考えておきたいものです。

 

3)今の職場の制度、本当に活用できている?

 

子育てと異なり、見通しが立てられないのが介護です。また、介護と両立しながら働く事例はまだ少なく、職場でも相談しにくいのが現実ではないでしょうか。

「職場に迷惑をかけられない」と退職したものの、介護ブランクが5年を超えてしまい、再就職に苦労したという女性の事例もあります。

 

退職を決める前に、まずは職場に相談し、今の会社でどのような制度が利用できるのか確認しておきましょう。また、兄弟や親せき、地元の知人、自治体などと相談して、施設の利用も考えていきましょう。

 

フリーランスに転向する場合、親の緊急時に仕事をどのように回すかも考えておく必要があります。緊急対応が多くなりそうな時期は、在宅でもできるライティングや企画書作成の仕事を受けてキャリアを継続するのも一案ですが、収入が減少する可能性があることは視野に入れておかなければなりません。

 

4)育児も介護もなかったら、どんなキャリアを積みたい?

 

もし、育児や介護に直面していなかったら、この先どんなキャリアを積んでいきたいですか?

 

フリーランス転向が以前から考えていたことなのであれば、挑戦してみるのもよいでしょう。ただ、40代以降は、自分自身の体調も変化する時期です。更年期の症状があらわれ、育児、介護、さらにご自身の体調と、トリプルケアが必要になる可能性もあります。40代に突入し、介護が始まった今だからこそ、長期的な見通しを持ち、ご自身の体調の変化をゆるやかに乗り切る土台を作っておくことが大切です。

 

「体力的にも気持ち的にも余裕がないから」という理由だけで、フリーランス転向を決断することはおすすめできません。新しいことへのチャレンジにはエネルギーが必要です。一旦保留にして、まずは職場環境や育児・介護環境を整えてみましょう。

 

40代ならではの豊富な経験や知識を生かし、知能戦でダブルケアとキャリアの両立を乗り切っていきましょう。応援しています!

キャリアカウンセラー/島谷美奈子

国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。福岡県出身。15年以上にわたり人材ビジネス業界、公的機関等にて人材活用・キャリアカウンセリングに従事。のべ5000名以上のカウンセリング実績を持つ。現在は、株式会社Warisでキャリアカウンセラーを担当するほか、女性の再就職セミナー講師、大手企業の職場環境改善委員を務める。横浜ウーマンビジネスフェスタ2015・2016実行委員。
http://waris.co.jp

 

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