企画・営業・マーケ・人事・・・など、総合職系のフリーランスとして活躍する女性たちに、「フリーランスになったきっかけ」「これまでのキャリアの変遷」「フリーランスとしての働き方・働く魅力」を伺いました。

Q.会社員時代にはどんなお仕事をされていましたか?

新卒では外資系金融に就職しましたが、2005年に転職して、ネット証券の社長室で広報・IRを担当していました。会社の立ち上げ期で、社長のインタビューにも全て立ち合ったり、コーポレートビジョンの作成にも関わったりして、とても楽しく、充実していて、多くの事を学ばせてもらえる環境にいました。

 

そんな中、結婚と同時に夫の留学でアメリカに行くことがきまり、やむなく会社を辞めました。渡米後、私も南カリフォルニア大学のコーポレートコミュニケーション専攻で、大学院生として勉強しました。妊娠中で身体的には負担があるなか、必死に修士論文を書いて、無事修士号も取りました。

2010年に現地で出産し、日本に帰国しました。

Q.フリーランスとして働くきっかけになったのは何ですか?

出産後、仕事に対する価値観ががらりと変わっている自分に気づきました。

子どもを産む前のように「朝は社長のインタビューに付き添い、夜中に電話で記者の質問を受ける」というようなワークスタイルに戻るのか? と考えたとき、「自分には難しい」と感じたのです。

 

ちょうどその頃、東日本大震災が起こりました。

「もしこれが仕事中だったらどうなっていただろう」「もし海外で自分が被災していたら?」——そんな思いが募ったのです。

 

そんなとき、在住外国人支援や東北支援を行っている友人がいて、一緒に外国人向けの防災ワークショップをすることになったんです。

当時、メディアなどのニュースがほとんど日本語だったことから、東京では海外の方が実際の被害以上に恐怖を覚えて帰国してしまうというケースが多数あったのですが、もともと帰国子女でもあった私には、彼らの気持ちはよくわかりました。

たとえばですが、地震のない国の人々には、「地震が来たら机の下に隠れて身を守る」というところから伝えていかなければなりません。そもそも日本はなぜ地震が多いのか? といった背景も知りません。日本人にとっては常識ですが、そうした情報を外国の方々に丁寧に伝えることで、彼らの不安を取り除くことができます。

この活動が、私にとって、ひとつの転機になったと思います。

 

会社員時代から、英語力を生かして通訳や翻訳を行っていましたし、独立後は、以前のネット証券の会社から英語のウェブサイトのコンテンツ作成のお仕事を受けたり、日本文化を海外に発信したいと考える方々の著書やSNSでの発信のお手伝いもしていました。意識してフリーランスの仕事をしていたということはなかったのですが、結果的にはそれがフリーランスで働くきっかけになったと思います。

 

Q.今フリーランスとしてはどんなお仕事をされていますか?

外国人向けワークショップを行う「和なびジャパン」の活動とともに、「和なびジャパン」でのご縁から、和なびジャパンの共同代表である木村と共に、一橋大学大学院・国際企業戦略研究科 国際経営戦略コースで非常勤講師として日本文化を伝える講座を受け持っています。

「和・粋・かわいい・礼・節・神仏」という6つのテーマで、背景や歴史を学ぶレクチャーと実際の体験の両方を行います。どちらも知っておくことで、より深く日本文化を知ることができるからです。2017年で五年目となりましたが、毎年新たな発見があり、自分自身も日本文化を学び続けています。

―和なびジャパンHPより

また、Warisを通じて、グローバルアパレルにおける販売員向けの英会話講師も始めました。

その企業で、週2回2時間ずつ、販売員の方々の接客時の英会話のレッスンをさせていただいています。

 

ご依頼いただいたお仕事全部を受けることはできないということもあり、今は自分で掲げている「世界に日本を伝えたい」というミッションを基準にして仕事をしています。

 

Q.西坂さんにとってフリーランスで働く魅力は何ですか?

自分の時間を自由に使えることです。たとえば、今は上の子が小学校に出かけたあと、下の子の幼稚園のスクールバスが来るまでの1時間は、下の子に英語を教える時間に充てています。子どもとの時間の取り方も、仕事を調整すれば十分確保できるのはありがたいですね。

 

下の子は認証保育園に入っていましたが、フリーランスは年少から保育園に入るのはとても難しい環境にあるため、年少からは幼稚園に通っています。延長保育があり、17時半まで預かってもらえますが、夏休みなど長期休暇時期は民間のサマースクールなどに通わせています。私のほうも「がんばって働かなきゃ!」という気持ちになりますね(笑)。

 

また、自分の勉強のための時間も取れます。今年は忙しかったですが、来年はスケジュールに少し余裕を持たせて、小学校英語指導者資格「J-SHINE」にチャレンジしようと思っています。

 

生活の優先順位をつけると、やはり子どものことが一番になります。子どもの成長に合わせて仕事量を調整できるフリーランスは本当にありがたい働き方だと思っています。

 

Q.今後のキャリアをどう描いていらっしゃいますか?

直近の目標は、日本文化を伝える人を増やすことです。自分もそうでしたが、海外に行って一番感じるのは、日本人が日本の事を一番知らないという事です。ましてや日本文化を外国人の人に伝えるという事は、なかなかハードルの高い事です。たとえば、「神社とお寺、何が違う?」と聞かれて、すぐに英語で答えられる人は意外と少ないものです。

これからオリンピックに向けて、大量のアンバサダーが必要になると思います。英語を話すことができるようになると同時に、日本文化の再発見をしていただくお手伝いが出来たらと思います。

また、それと並行して、子どもたちに英語を教えるためにJ-SHINEの資格を取得したいと考えており、現在勉強中です。

中長期的な目標は、日本人と日本にやってきた外国人の方々が共に働き、共に生きるためのお手伝いをすることです。日本は人口が減少しており、近い将来労働力不足に陥った場合、外国人労働者の受け入れは避けられません。

お互いが気持ちよく暮らし、良い影響を与え合うために、日本人も、外国人もお互いに理解し合い、歩み寄れる姿勢が大事だと思っています。「和なびジャパン」では、そうした多文化共生の土壌作りとなるようなワークショップを行っていきたいですね。

 

自分がやりたいことが、思いがけない形で降ってくることってありませんか? そうした「縁」を感じるとき、仕事をする喜びを感じます。

子育てを通じて、子どもから「柔軟性」を教えられた気がするんです。自分の思うままに時間を使うことはできませんが、だからこそ自分の軸をもち、柔軟に働くことが大切。いまここにあることを楽しみながら、仕事を続けていきたいですね。

取材・文/相馬 留美(Cue powered by Waris編集部) 撮影/Cue powered by Waris編集部

※西坂さんにお仕事をご依頼されたいなどご連絡を取られたい場合はCue編集部 info_cue@waris.co.jp までお問い合わせください。

 

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