「この子を育てあげることが今の私の仕事だ」と直感し、28年前、仕事をやめて専業主婦の道を選択した薄井シンシアさん。17年間のブランクを経て、“給食のおばちゃん”として再出発した後、5つ星ホテルの副支配人を務めるまでにキャリアアップを続けてこられました。

 

自分で選択した道を後悔しない生き方、あきらめない生き方・・・シンシアさんのメッセージを3回にわたってお届けするこの連載。1回目は、働くことにもやもやを抱える女性がやるべき「5つのリスト」のお話です。

 

#目次

・第1回:後ろ髪を引かれない生き方、していますか?

・第2回:スキルより必要なもの―ブランクを経て働くということ。

・第3回:先ばかり見ない。今、あなたの目の前にある可能性に気づいて。

― 28年前、仕事をやめて子育てを選択された時って、どんなお気持ちだったのでしょうか。

 

仕事は大好きでした。でも、育児をしようと決めた、そのときの選択は瞬間的でしたね。「今の私の仕事は子育てだ」とわかる瞬間があった。そこから17年間の専業主婦生活が始まりました。自分で“やる”と決めたのですから、その選択を後悔しないためにも、とにかく一生懸命やり抜きました。私は、絶対に後ろ髪を引かれません。

 

―「後ろ髪を引かれません」という決断力はどこから来るのか、すごくお聞きしたいです。

 

本を読んでくださった30代の女性からたくさんメッセージをいただくのですが、選択できなくて、あるいは選択したことに自信が持てなくて、まさに後ろ髪を引かれる思いでもやもやしている人が多いですね。あまりに多いので、私、悩んでいる女性がするべきことを5つにまとめてみたんです。

  • 自分にとっていちばん大切なことを見極める
  • 見極めた以上は、やるべきことを特定して行動に移す
  • 行動するなら歯をくいしばって、決めた道を一生懸命歩む
  • 歩み始めた道で出会う可能性をひとつずつ実らせる
  • 失敗してもやり直すことを恐れない

― 決めた道を一生懸命歩む・・・確かに、もやもやするのは何かを振り切れない時かもしれません。

 

後ろ髪を引かれることと、「Re-evaluation(再評価)」は全然違いますよ。後ろ髪を引かれるということは、その前の見極め段階が十分でない、あるいは、やると決めたことへの努力が足りないということだと思うのです。一生懸命努力して行動していると、それなりに結果と方向性が見えてきますから。中途半端な気持ちで行動することが、最も失敗のもとになると思います。

 

― フリーランスを希望する女性の中には、仕事と家庭のバランスに悩む方も非常に多いのですが、大切なことを「見極める」作業はとても大切なのですね。

 

今の若い世代は、私が30代だった頃に比べると選択肢がたくさんありますからね。選択肢が多いのはすごく大切なことで、素晴らしいことである反面、うまく向き合わなければ荷物になります。いつまでもたくさんの荷物を抱えてしまっていては、決断できません。ですから、捨てていくことも必要です。そのためには、自分の心の中をよく見て、自分としっかり対話して、プライオリティをつけることです。

― プライオリティをつけることで見えてくるものがあるということでしょうか?

 

そう、原点はプライオリティ。自分にとって大切なものが見えてくると、すべてが合理的に進みますよ。自身の限界をよく知って、その中でプライオリティをつけて行動し、もしうまくいかないようであれば、プライオリティが誤っているのか、あれこれやりすぎなのか、効率が悪いのか、時間管理が悪いのか・・・考え直すのです。

 

― とても合理的でシンプルなことなんだ! と目が醒めました。

 

もやもやしてもいいですし、愚痴を言ってもいいんですよ。でもそれはムダなことですから、期間限定にしましょう。私はムダが嫌いで、育児では子どもの気持ちにいつも真剣に応えてきましたが、何か失敗してわーわー泣きわめく娘に付き合う時も“期間限定”にしていましたよ。一定のあいだは「かわいそうね」と付き合いますが、それを延々続けることはすごく非効率的。解決するためにどうするのか、何をやるのか、いわゆるバトルプランを立てたほうが合理的ですから、ぜひ期間を決めることをおすすめします。

第2回:「スキルより必要なもの―ブランクを経て働くということ。」につづく

 

取材・文/ 横山さと 撮影/工藤朋子

 

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