共働き夫を、頼れる家事メンにするパートナー育成術

love&famiry

「共働きなのに、私の方が家事負担が大きい。」

「夫にお願いしたいけど、頼むと嫌な顔をされる」

「自分がやった方が手早くきれいにできるから…」

働く女性のそんな“諦めモード”の言葉を、よく耳にします。

 

「本当は家事から解放されたい!なんで家事は共働きじゃないの!?かと言って家事のアウトソースにお金をかけたくはないし…。」

なんて、モヤモヤを抱えている方も多いのでは?

 

以前の私がまさにそう。どうにかしたいけど、何をどうしたらいいのか全く分からない!という状態でした。

 

・ご両親は超団塊世代、母が専業主婦の家庭で育つ

・実家では上げ膳据え膳の生活。男兄弟で家事をしたことが一度もない

・大学から1人暮らし歴は10年にわたる。が、洗濯柔軟剤を知らない

・1人暮らし時の布団は万年床。ダニと共生

・飲みかけジュースの中には、マリモ状の生物

 

ざっとこんな感じで家事スキルが皆無だった夫。以前は私が仕事で帰宅が遅くなっても、その後悲壮感漂う顔で家事をしていました。

 

それが「あること」を意識した結果、今は

 

・食器洗い、洗濯、フロ&トイレ掃除、ゴミ捨て担当

・休日は先に起きてブランチ作り

・クリスマスや誕生日に料理をふるまってくれる

・現在アイロンがけを習得中

 

と、頼れる家事メンに大成長!私が数日家を空けても、帰宅時あまりの汚部屋ぶりに脱力することもなくなりました(笑)。このコラムでは、嫌がられず共働き夫婦の家事分担を進める方法をご紹介します。

共同経営者のように、家庭の文化を作る

私が最初にやったこと、それは「お互いが成長を促しあい、協力しあってこそ、真のパートナーである!」というマインドセット。仕事が好きで、ライフイベントがあっても絶対に仕事を続けたい私には、「夫とはテニスのダブルスのパートナーのように、仕事と家庭生活においてどちらも攻守ができるよう生活したい。両親が遠方のため、どちらかに責任が偏っては仕事と出産・子育ては両立できないのでは…?」という思いがありました。

違う環境で育った2人だから、「●●は〇〇がやって当たり前」という価値観のずれは当然。そこを調整し、私たち夫婦だけの家庭文化を新しく作るためには「パートナーの成長と協力」という共通のビジョンが必要でした。

家庭の文化の作り方は、会社の組織作りと似ています。会社では、多くの経営者はビジョンを掲げ、賛同する人を仲間とし、報酬を渡すことでやりたいことを実現していきます。家庭の場合、目指すのは経営者と雇用者のような主従関係ではないはず。創業時の共同経営者のように、共に成長しあえるようなビジョンと、そのために必要な協力関係を持つのはどうか?とアイデアがわいたのです。

「あなたのキャリア形成を応援したい」という前提を伝える

当然、家庭の共同経営者である夫の気持ちと今後のキャリアも考えました。幸い私も彼も自分の好きな仕事をしているため、「キャリアアップは人生の楽しみの1つ。優先順位も高い。だから極力お互いのキャリアを邪魔せず、それぞれのびのびと働く」という暗黙のルールを共有していました。とはいえ、さすがにこのまま家事や子育てを私1人で背負うには負担も責任も重すぎる。

意を決し「私も仕事をしているからこそ、その面白さを知っている。だからあなたのキャリアは精一杯応援したい。けれど私がフリーランスだからといって、家事の多くを請け負うのは荷が重すぎる。ダブルインカムを安定させ、かつ2人ともが幸せになるための生活スタイルを一緒に作っていきたい。」と、お互いが共に繁栄するための提案をしたのです。

家事=タスクが増えると思っていた夫も、この提案には納得してくれました。「確かに、男は仕事だけしていればいいという時代でもないよね。俺も病気にならないとは限らないし。で、どうすればいいの?」と、家事負担への心理的ハードルが低くなったようでした。

将来の30年のために、3年は研修期間と考える

ハードルが下がったところで次にやったのは、夫の家事スキルの把握。何気ない普段の会話から「幼少期の生活背景、アルバイトでやっていたこと、1人暮らし時の過ごし方」などをヒアリング。

それで分かったのは、彼は家事が「できない」のではなく「やったことがない」ということ。そうなれば話は早い! はじめはOJT期間だと割り切ってしっかりやり方を伝え、成功体験を積んでもらおう。そうすれば習得後の30年は戦力となってくれる、と確信しました。また、仕事に支障が出ないよう徐々に教えるため、「3年は研修期間だと思おう」と、やや長期的な視野で夫の家事の成長を見守ることにしたのです。

できることからひとつずつ。ほめて感謝する

自分の価値観からすれば「どうしてこんなこともできないの!」とイライラすることも、彼から育った環境を聞いていたので、「しょせん自分の常識なんて他人の非常識よね」と心穏やかに丁寧に教えることができました。家事スキルゼロだと思っていた夫も、学生時代の飲食店の厨房アルバイト経験から「皿洗いならできる」とのこと。そこでまずは皿洗いをお願いしました。

はじめにオリエンテーションとして家事の目的を共有し、やってみせ、やってもらう。そして「器用だからなんでもできるのね。私よりもあなたがやった方が数倍いいと思う。私も幸せ。」と、ほめる、感謝する。やらなかったときも、怒るのはご法度。とにかく根気よくほめて感謝。

あとで私がコッソリ皿の後ろを洗い直すこともありましたが、続けているうちに夫がスポンジや洗剤にも関心を持ち、自分で選んでもらうようにも。半年が経つころには「皿洗い担当=夫」と家事分担が定着しました。

夫が優秀な家事メンになるかどうかは「自信と感謝」がキモ

最後に悩んだのが「家事の報酬」です。会社であれば給与として物質的な報酬を得ることができる。でも、家庭ではどうするか。そんなときに出会ったのが、数々の名言を残した軍人山本五十六の「人を動かす」の言葉でした。やってみせ、やらせてみて、きちんとほめて感謝の心で見守る。

仕事と同様、自分がやったことを感謝されて嫌な人はいません。夫に気持ちよく家事をしてもらうために、「私のためにやりなさい!」という上から目線ではなく「あなたは素晴らしい!」「こんなにできる人はいない!私はなんて幸せなの!」と常に相手に感謝を伝え、自信を持ってもらうことを徹底。

さらに「おかげで私も仕事を心置きなくできるし、ダブルインカムもますます安定するね。2人で協力すると本当に幸せ。次の休暇はどんなご褒美を2人に作ろうか?」と、協力しあうことによって経済的にも精神的にも得られる報酬の大きさを言葉に出して伝え続けました。

「私は夫のお母さんじゃないんだから、こんなのいちいち教えてられない!」と思い腹が立つことも。でも、興味がないことをわざわざ習得しようとする人はいません。そこのところを楽しく成長を促すのが、共同経営者としての腕前だとも感じます。

 

私自身、1つでも家事を手放せると思うと心に余裕ができ、純粋に夫への感謝の気持ちがわいてきました。その結果、次の家事も優しい気持ちで教えることができ、習得スピードも格段にUP。

 

夫の友人たちの前で「夫は家事もしてくれてとっても助かってます~」と言うと、本人も「そんなの、男だってできて当たり前の時代じゃん」と満足気。「ここまで外堀を埋めてしまえば、もう後戻りはしないはず…」と、長きにわたる育成期間を振り返って思うのでした。 

 

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山田 真有奈

ワークライフコーチ。北海道出身/東京在住。人材系上場企業での営業、ベンチャー企業での人事を経てコーチとして独立。「はたらく女性の人生をもっと自由で豊かに」を...

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