「副業」というと、本業を所得やキャリア開発の面等で補てんするサブの仕事というイメージがありますが、「複業」とは、どの仕事も本業になりうるような明確に区別できない仕事のことを指します。フリーランスとして複数のクライアントから、同時に複数の業務を受けて働く場合は、どの仕事も本業になり得る「複業」に当たるのではないでしょうか。

今回は、複数の業務を同時に受ける際に気を付けておきたいことをお伝えします。

 

「責任の重さ」と「稼働工数」が鍵となる、同時並行の複業

 

フリーランスとして週2日程度の業務×2つを受注し、稼働工数としては問題ないと考えていた方から、「責任の重さ」を理由に一つの業務を手放したいと相談を受けたことがあります。

 

その業務は、立ち上がったばかりのベンチャー企業の仕事。バックオフィス業務のメイン担当だったため、緊急時の対策や業務フロー整備に手間がかかり、「責任の重さ」という点で他の業務との両立が難しいことがわかったのです。

そこで、バックオフィスのメイン担当業務が軌道に乗るまではこれをメインの業務と位置づけ、他は負荷の少ない業務のみ受けることを提案しました。

 

業務を受ける際は、稼働工数だけでなく責任の重さも考慮し、他の業務と同時並行で受けられるかどうかを判断したいものです。依頼するクライアントにとっては稼働工数に関わらず「重要な業務を依頼しているプロ人材」としての期待が大きいからです。

 

業界内で競合に当たる業務は、クライアントへの事前確認が必要

 

フリーランスの業務実績は、同じような課題を持つ企業にはPRとなりますし、同じ業界であればさらに興味を持たれるでしょう。けれども、競合先に当たる場合は、同業界で業務を同時に受けることが難しい場合もあります。

情報漏えいのリスクや、取引先やお客様との関係の面で混乱が予測されるからです。クライアント先には、競合規定などが制定されている場合もありますので、同業界の業務に関わっている場合は、事前にクライアントへ相談しておきましょう。

 

それぞれの業務に最大限コミットするため、積極的に業務の見直しを

 

フリーランス人材を積極的に活用している企業経営者から「複数の業務を掛け持ちすることで、どの業務も中途半端になる場合もあるのでは?」と言われたことがあります。

 

他の業務の負荷が大きくなり、ある業務へのコミット力が弱まっているということはないでしょうか? プロジェクトが終焉に差し掛かってきたフェーズ、業務の見直しにより稼働工数が減って報酬が減ったフェーズだと起こり得るかもしれません。

業務がスタートした際のゴール設定をもう一度確認し、最後までコミットすることに注力しましょう。

 

複数の業務のタスク管理のスケジューリングをしていたとしても、業務内容や業務量の変動によって調整が必要となってくるでしょう。企業就業時は上司に相談できた業務の見直しも、フリーランスは自分で行う必要があります

 

稼働工数に関わらず、依頼先のクライアントから見れば、フリーランスは専門性を持ち自走性が高い「プロ人材」です。

成果を出すために、自分自身の業務改善にも積極的に取り組み、複数の業務を同時に受けてキャリアを広げるフリーランスの働き方を楽しんでいきましょう。

キャリアカウンセラー/島谷美奈子

国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。福岡県出身。15年以上にわたり人材ビジネス業界、公的機関等にて人材活用・キャリアカウンセリングに従事。のべ5000名以上のカウンセリング実績を持つ。現在は、株式会社Warisでキャリアカウンセラーを担当するほか、女性の再就職セミナー講師、大手企業の職場環境改善委員を務める。横浜ウーマンビジネスフェスタ2015・2016実行委員。
http://waris.co.jp

 

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