企画・営業・マーケ・人事・・・など、総合職系のフリーランスとして活躍する女性たちに、「フリーランスになったきっかけ」「これまでのキャリアの変遷」「フリーランスとしての働き方・働く魅力」を伺いました。

Qフリーランスとして働き始めたきっかけは何ですか?

子供との生活を、自分なりに暮らしやすくするためです。

 

私がフリーランスになったのは、5年前、33歳のときです。31歳で出産し、育休明けから、正社員として勤めていた会社に復職していました。

 

当時は、毎日、息子を自宅近くの保育園に預け、片道1時間半かけて通勤していたのですが、1歳という年齢のせいでしょうか、会社に到着したとたん、園から「息子さんに熱があるようだから迎えに来て欲しい」という連絡が来る、というようなことがたびたび起こるようになったんです。

 

急いで戻っても1時間半かかる。母として、息子の不調にすぐに対応できない自分にもどかしさを感じるとともに、バックアップしてくれる会社の上司や同僚に申し訳ないという気持ちが強くなりました。

 

また、育休中に東日本大震災を経験したことも、きっかけになったと思います。今の仕事のやり方を続けていたら、有事の際に、息子のそばにいて守ることができないと思い、悩んでいました。

 

PRの仕事は、朝早く夜遅い、ということが日常化しています。でも、必ずしもすべてがオフィスのデスクに座っていなければできない業務ではない。であれば、自分でスケジュール管理できるフリーランスを選択すれば、息子に目配りもでき、業務に支障をきたすことなく、仕事が続けられるのではと考えたんです。

 

Q会社員時代は、どんなお仕事をされていましたか?

新卒で入社した人材派遣会社では、営業と海外展開事業を担当していました。その後、外資系の大手家具メーカーに転職しました。

1号店立ち上げに携わったあと、本社でPR担当になりました。そこで約7年、メディア取材の対応のほか、広報活動の企画、運営なども行っていました。

 

Q今、フリーランスとして、どのようなお仕事をされていますか?

PRのスペシャリティとして、クライアントの求めるコミュニケーションプランの作成、実行をしています。

 

予算の都合でPR会社に外注することはできないけれど、PR業務にまで社内の手が回らないという企業様、潤沢な予算はあるけれど成果が出せるプラン構築のノウハウがないという企業様……。各社によって課題は様々ですが、私にはいずれにも対応できるという強みがあります。規模感に応じて、最良の方法で課題解決を行っています。最終的にPR業務を内製化できる仕組み作りのお手伝いをすることもあります。

 

山本志帆さん

 

初めて受けた仕事は、知人からの紹介で、スイス腕時計ブランドのコミュニケーションプランとマーケティングプランを構築するというものでした。

とくに、中小企業の場合、横のネットワークがあるので、1件クライアントがつき、そこで評価をうけると、その紹介から新しいお仕事が舞い込むということが多々あります。私も、1件目のクライアントのご縁で、3~4社様にお声がけをいただきました。

 

現在は、Warisの紹介で、建築材料・住宅設備機器の大手企業のお仕事をしています。社内の方とチームを組みながら、CSRのコミュニケーション業務をしています。内容としては、「CSRのコミュニケーションに関わることはすべて」と言っていいと思います。与えられた課題に対し、ゴールを達成するためにすべきことを考え、実行までを担当します。

 

週5日の出勤の契約で、出社は8時30分と早いのですが、息子が小学校へ向かう時間と同じなので、私にとってはそれもメリットになっています。自宅をメインの仕事場にしてしまうと、どうしてもスタートが10時くらいになってしまうので……(笑)。

 

Q山本様にとって、フリーランスで働く魅力とは何ですか?

最大のよさは、子育てとのバランスがとりやすいということでしょうか。

 

フリーランスのPRになったときも今も、私はなによりも息子のことが優先です。コミュニケーションの仕事は自分に向いていると思っていたし、実際、楽しかったけれど、会社員のままだと、当然、「勤務時間」に縛られることになります。でもフリーランスになれば、自分でスケジュール管理をすることができます息子の体調があやしいなと思えば、家で仕事ができるように、アポイントメントを事前に調整することもできます。

 

山本志帆さん

 

また、働く場所を「本当にフィット感があるかどうか」で選べるというのが魅力です。私の場合、1か月の試用期間を経て、続行となった場合には、1年契約でお願いしているのですが、自分で「ここはちょっと成果を出すのが難しいかな……」という場合は、私からお断りする場合もあります。

 

求職活動をして、正社員として再就職するとなると、せっかく採用されたのだから、少なくとも3年なり5年なり、あるいは定年までずっと、何があっても働こう、働かねば、という気持ちになると思います。フリーランスの場合、「自分の働き方」を正社員よりも軽やかに考えられるかもしれません。

 

そして、これも私自身はとても気に入っているのですが、よくもわるくも「パフォーマンス以外のところでは評価されない」という点もフリーランスの特徴だと思います。周りとの協働は求められますが、性格がどうとか、服装がどうとか、誰かに何を思われているのか心配……といったことから解放されるので、人間関係のストレスはかなり少ないと思います。ただし、「頑張っているから偉いね」といった評価も、もちろんありませんが。

 

Q今後のキャリアをどう描いていらっしゃいますか?

息子の成長に合わせて、働き方をシフトしていきたいと思っています。

息子と過ごせる時間と、生活に必要な収入のバランスをとるという物差しは、常に私の中にあります。今、「朝から晩まで働けば今の年収の2倍になるよ」と言われても今の私にはNo。

 

実は一度、1か月の売り上げが1.5倍になるように働いてみたことがあるんです。でも、決して自分がハッピーではなかったんですよね。もっと、息子に本を読んだり、一緒にゆっくり食事をとったりする時間が欲しいという欲求のほうが強くて。

 

今のこの仕事のやり方でいつまでやっていくかというのは、実際のところ、わかりません。息子が高校を卒業するころまでは、「夕食は母親が作ったものを一緒に食べる」という生活をデフォルトにしたいなぁと思っていますが、実は、3年先のこともあえて具体的な計画は立てていないんです。未来を想像して自分のキャリアを組み立てても、大きな力が働いたり、自分が大切にしたいことが新たにできて、プラン通りにならないこともあると思っています。

 

水が流れるように、自由に生きて、そのときにベストだと思うことを選びながら働いていきたいと思っています。

取材・文/簗場久美子(Cue powered by Waris編集部) 撮影/工藤朋子

※山本さんにお仕事をご依頼されたいなどご連絡を取られたい場合はCue編集部 info_cue@waris.co.jp までお問い合わせください。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします