こんにちは!Waris共同代表 河です。

レポートの第1回目第2回目は「働き方」にスポットをあててお届けしましたが、最終回の今日は「オランダのスタートアップ事情」をお送りします。

 

とは言え、私もオランダのスタートアップ事情に精通しきっているわけではなく、日本からオランダに移住した方々や、オランダで出会ったスタートアップ経営者から聞いた話、そしてオランダで感じたこと、滞在中や帰国後にあわてて調べたことなどを元に、レポートさせていただきます! 「いやいや全然違うよ!」という話もあるかも知れません。そのときはコッソリ教えてください(笑)。

 

オランダではスタートアップが活発

今、オランダはスタートアップ中心地として注目が高まっています。

もともと、EU内ではイギリスやドイツが中心地として注目を浴びていましたが、BREXITや政府の努力などにより、今やオランダが中心地になりつつあると言われています。その理由としては、以下のことが挙げられています。

 

・90%の人が英語を話せる

・ネットワーキングのサポートが充実

・法人設立にかかる費用が、他国と比較して安価

・合理的で無駄が嫌いなため、行政もスピーディーに意思決定を行っている

・狭い国土のため、行政の方針が浸透させやすく、産官学の連携もしやすい

・オランダ国内はもちろん、欧州内へも交通網が発達していてアクセスが良い

 

こうした特徴は、Uber、NetflixなどのグローバルIT企業がオランダに本社(機能)を置いたことでさらに高まっているようです。また、EU内ではエンジェル投資家が30,000人を超えると言われています。「BAN(ビジネス・エンジェル・ネットワーク)」という投資家と企業のマッチングを促すコミュニティが発達していることから、スピーディーなベンチャー投資も活発に行われているようです。

 

ハーグにあるコワーキングスペースの壁面

ハーグにあるコワーキングスペースの壁面

 

それに加えて、生活コストの安さも挙げられるでしょう。スーパーに行って驚いたのは、クロワッサンが0.2ユーロ(滞在当時で日本円にして26円)! しかもおいしい! 外食しなければ日々の生活コストはかなり抑えられます(外食は高いし、皆さんに言わせるとそれほどおいしくないみたいです。私はおいしいと思ったんですが…。ちなみに、オランダ人は家で過ごす時間を大事にするため、ほとんど外食をしないそうです)。ただし、1回目のレポートでも触れましたように、家賃は高いのでお気を付けください…。

 

こういった背景からオランダ・EU内はもちろん、スタートアップで一旗揚げようという諸外国からの移住者も増えているようです。

 

コワーキングスペースから見えたオランダの特性

1、2回目のレポートでお伝えしたとおり、オランダでは1960年代以降個人主義が進み、価値観も多様化しています。オランダで出会った学生に聞くと、フィリップスなどグローバル大手企業もあるものの、学校を卒業したらまずは自分で起業、あるいはフリーランス、という働き方が「カッコイイ」という風潮も強まっているようです。こうしてスタートアップやフリーランスが増えたことから、仕事をする場、作る場としてのコワーキングスペースも年々増えています。

 

Seats2meat

ユトレヒトにあるコワーキングスペース「Seats2meat(https://seats2meet.com/)」

 

私はもともと、国内外を問わず、旅行や出張に行った際にはできる限りコワーキングスペースを見つけ、行くようにしています。理由は2つ。1つは、Warisが「リモートワーク」を社内外で推進していること。もう1つは、Warisで活躍するフリーランスの方々が「フリーランスは孤独だから」と横のつながりを欲しがっていること。働く場として、さらに有機的なユーザーコミュニケーションを形成する場として参考にしたい、という思いからよく見学しています。

 

今回も、コワーキングスペースが活発なオランダということもあり、オランダ発祥のSpaces、Seats2meat、Zoku、Collabo(The Student Hotel)、オランダにも進出しているWeWorkなどをはじめ、時間の許す限り見学しました。

Spaces:https://www.spacesworks.com/

Seats2meat:https://seats2meet.com/

ZOKU Amsterdam:https://livezoku.com/

Collabo:https://collabo.amsterdam/

 

いずれも見学してみて感じたのは、とにかくにぎやか! 平日日中は人があふれ、とにかくおしゃべりしまくっているんです。またしても「皆遊んでない…?本当に仕事してる…?(笑)」と驚きました。

 

日本のコワーキングスペースでも、ユーザー同士のプロファイルをシステム上で開示しあい、仕事を工面しあおうという流れが起き始めていますが、オランダではコワーキングスペース内で「あなた何やっているの?」「●●だよ」「じゃあこういうこと一緒にやらない?」と(いとも簡単そうに…)仕事が生まれています。

 

もちろんそういったつながりを加速させるために、日本同様、システムや掲示板に「本日の利用者・プロファイル」を表示しています。が、そういったシステムやコミュニティマネージャーも必要ないくらい、お互いに興味を持ち“勝手に”仕事が生まれています。ちなみに、オランダ最大級のコワーキングスペースSeats2meatはこの「自分が持つ社会資本をシェアすること」を「利用料の代わり」とし、無料でスペースを開放しています(実際のマネタイズは会議室利用やランチの提供など)。

 

ユーザーには、スタートアップの経営者やフリーランスはもちろん、企業の社員がリモートワークスペースとして契約しているケースもあります。大手企業の社員とスタートアップ経営者が出会い、オープンイノベーションが生まれるということももちろんあります

 

コミュニケーションが好きなオランダ人

この現象にも通じるのですが、オランダ人(移民含む)はとにかくコミュニケーションが好き! 旅行中、何度見知らぬオランダ人に話しかけられたか分かりません。少し道に迷っていると「どうしたの?どこに行きたいの?」、電車やバスに乗っていたら「どこに行くの?」といった具合。教えてくれた道が間違っていることもありましたが(笑)、懇切丁寧に教えてくれます。目が合ったら微笑んでくれますし、扉は開けて待っていてくれます(これは他の国でもそうですね)。オランダに移住している日本人の知人も「電車で暇だったら結構隣の人と話す」と言っていました。

 

コワーキングスペースを回ってみて感じたのは、「コワーキングスペース」と「コミュニケーション好きなオランダ人の性質」が非常にマッチしている、ということでした。だからこそ、オランダではコワーキングスペースが多く生まれ、本来の意味である「コワーク」する場として機能をしているんですね。日本国内のコワーキングスペースもいくつか利用してきましたが、おしなべて静かな印象で、コミュニケーションが自然に生まれる様子を(私だけかもしれませんが)見たことがなかったので、あらためて「コワーキングスペースってこういうことか」と気づかされました。

 

コワーキング内の託児スペース

コワーキング内の託児スペース。子どもたちも自然に、各々学びながら遊んでいました。

 

余談ですが、オランダではフリーランスもLinkedInで仕事を受注することが多いようです。これはオランダに限らずですが、周りの目を気にせず、自分の経歴を開示し、できること、できないことを主張しても良いと思える文化、そしてそこから仕事を請けられるというのはうらやましいですね…。

 

これまで3回に渡り、オランダの働き方事情をレポートしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか? レポートをご覧いただいて、気になったことや質問があればお気兼ねなくメッセージをください。

※メッセージはコチラ(WarisのFBページにてお待ちしております。)

 

私としては、この旅を通じて、Warisが推進する/したい「働き方の未来」を、オランダに見た気がしました。先進事例として参考にしつつ、国内でさらに個人が生き生きと働くためにWarisができることが何か、これからも考えていきたいと思います。

 

出典

http://starting-business-netherlands.com/business/160827/

http://www.newsweekjapan.jp/…/busin…/2016/02/post-4512_2.php

about_kawa201409
河 京子
株式会社Waris共同代表

慶應義塾大学総合政策学部総合政策学科卒業。株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)で、企業と個人のマッチングや、大型採用を行う企業への、採用コミュニケーションプランの立案などを担当。リクルートキャリア在籍中の2013年4月、ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。2014年6月にリクルートキャリアを退職し現職。
http://waris.co.jp/

 

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