24歳で自身の店をオープンしてから35年間、下着のフィッティングを通して多くの女性の心と身体に寄り添い続けてきた『リュー・ドゥ・リュー』オーナーの龍多美子さんへのインタビュー。

・第1回 :自分を変えたいのならまず、正しいブラジャーをつけましょう
・第2回: 「今」に集中しましょう。不安からは何も生まれません
・第3回 :忙しくても「自分自身」と対話することを大切にしてほしい

— キャリアの中で、つらい時期に支えになっていたことはありますか?

基本的に私は悩まない人間です。悩むよりも「今日をどう乗り切るか?」ということを考え続けてきました。それでもやはり、非常にしんどい時もありました。店の資金繰りがにっちもさっちもいかなくて、不渡りを出す一歩手前までいっていた頃、家族が続けて亡くなりました。人生の中で、いちばんつらい時期でしたね。

 

本当に、非常につらかったけれど、それでもキャリアを絶やさずに乗り越えてこられたのは、やはり人の縁でしょうか。不思議な巡り合わせで、どうにもならない時にかならず、救いの手を差し伸べてくれる人が現れました。そして、それは自分へのメッセージだと思うんです。「ちゃんと仕事を続けなさい」というメッセージ。私にはやるべき仕事があるんだな、と思わされました。やはり、下着屋として一人でも多くの女性を応援し、変えることが、私の魂の天職なんですね。

 

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— 仕事も子育ても人一倍頑張っているのに、自己肯定感の低い女性がたくさんいます。意識を変えるために自分でできることはありますか?

自分を好きになれないなんて、すごくもったいないことですよ。きっと、自分を見られていないのだと思います。客観的に見つめることができていないのかな。ぜひみなさん1日1回鏡に向かって、「なんてきれいなの、あなたは」「すごくすてきね」など、肯定的な言葉を話しかけてみてください。それだけでいいんです。簡単に実践できることですが、アファメーションとして非常に効果的です。

 

「自信」って、文字どおり「自分を信じる」ことにほかならないと私は思っています。何もしないで最初から自信のある人はいません。自信を得るためには、自分との信頼関係を地道に積み上げていくこと。失敗を繰り返しながら自分の直感を磨いて、自分とのコミュニケーションをとって、自分との信頼関係を作ることができれば、それが自信になってきます。くよくよ悩む時間があるのなら、もっと自分との対話に費やしてほしいですね。

 

— 自分との信頼関係…はっとさせられる言葉です

それから、できないことはできないと受け入れて、誰かに任せていくということもすごく大事ですね。なんでも自分がやらなければと考えて、自分を苦しめてしまう人が多いのではないでしょうか。人に頼っていくことで、縁もつながっていくものです。私も数字が苦手で、ある時あきらめて経理のプロにお願いしたのですが、その縁は30年経った今でも続いています。

『リュー・ドゥ・リュー』オーナーの龍多美子さん

龍 多美子(りゅう・たみこ)

1957年東京生まれ。高校時代から下着の魅力に惹かれ、ランジェリーショップでのアルバイトを経て82年に独立し「リュー・ドゥ・リュー」を開業。現在は吉祥寺本店の他に全国11都市で定期的な販売会を開催中。的確なサイズ判断とカウンセリングで、オープン以来のべ7万人以上の女性たちの身体と意識の変革に寄り添い続けてきた、業界のオピニオンリーダー的存在。下着専門店などのコンサルティング業務や、業界の人材育成のための講座運営する傍ら、各種セミナーなどで下着を通した女性の自己実現を説く。
http://www.ruederyu.com/

長いあいだ、たくさんの女性を見てきた私の意見ですが、いろんな意味で女性が成熟するいちばんいい時期というのは、30代後半から40代だと思うのです。ですから、その時期をどう過ごすかが、すごく大事。不安や愚痴の中で過ごすのか、それとも今を一生懸命生きるのか。どうか、今を大事にしてほしいと心から願っています。その時期に自分との信頼関係を作ることができれば、その先はもう大丈夫ですよ。

 

今の働き盛りの世代はとても慎重な人が多く、子どもの頃からいつも、ぶつかる手前で立ち止まることをしてきたかもしれない。でも、時には壁にぶつかることだって必要な経験です。ぜひ、もっと思いきり走り回って、失敗しながら自身を磨き、美しい人生を送ってほしいです。

(了)

 

取材・文/横山さと(Cue powered by Waris編集部) 撮影/工藤朋子

 

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