大学卒業後、単身カンボジアに渡り、地元のハーブを使ったボディケア製品の販売を手がける会社を立ち上げた篠田ちひろさん。

Waris共同代表の田中が雑誌記者時代、篠田さんを取材したことをきっかけに親交を深めたという2人。連載最終回は、カンボジア、スイス、日本を行き来しながら働く篠田さんに、他の国との比較から感じる「新しい働き方」の可能性についてお聞きしました。

 

第1回 「一度きりの人生、やりたいことを」新卒未経験からカンボジアで起業(http://cue.waris.jp/3748.html
第2回 「お金がない」「相手に話が通じない」キャリアのピンチ、どう乗り越える?(http://cue.waris.jp/3766.html

カンボジア、スイス、日本を行き来しながらグローバルリモートワーク

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和田中美和 ちひろちゃんは日本の大学を卒業後、カンボジアで起業して、パートナーはスイスにいらして。今はカンボジアとスイス、日本を行き来しながら仕事をしているんですよね。

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさん
篠田ちひろさん(以下、敬称略) そうですね。滞在期間を割合にすると、カンボジア5割、スイス4割、日本1という感じです。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和
スイスや日本にいるとき、お仕事はリモートワークですか?

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさんはい。電話やメール、チャットなどをフル活用しています。資料もデジタルで管理しているので、インターネットがつながればどこでも見ることができます。難しいのは時差ですね。国が違うと、仕事をしている時間もずれるので、「この時間にメールを送って、寝ているスタッフを起こしてしまわないかな」などと気をつかいます。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和
なるほど! リモートワークも国境を超えると、そういった問題が起きてくるのですね。

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさん

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろ

青山学院大学経営学部卒業。2004年、大学生のときに初めてカンボジアを訪問。貧しい中でも笑顔で暮らす人々の姿にひかれて渡航を重ね、地域に根ざした「仕事」を創りたいという思いを抱くようになる。2009年、クルクメールボタニカル社を創業。カンボジアの伝統医療を取り入れたバス製品、アロマ製品の販売や、スパの運営を手がける。

http://krukhmer.com/
http://www.spakhmer.com/ja/

「結果を出せばプロセスは問わない」スイスの働き方

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和国が違うと、「働く」ということに対する価値観も大きく変わってきますよね。カンボジアと日本を比較して、職業観の違いを感じることはありますか?

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさんまったく違いますね。日本人は責任感が強くて、人生における仕事のプライオリティが非常に高いですが、カンボジアでは仕事の優先順位が低いんです。ワークとライフで言えば、ライフの方が圧倒的に大切で、「生きていくために仕事をする」という考え方です。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和
面白いですね! スイスと日本を比べるとどうですか?

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさん日本では長時間労働の慣習が問題になっていますが、スイスには、そもそも長時間働くことをよしとしない風土があります。大切なのは、限られた時間の中で効率的に仕事をこなすこと。仕事中の集中力が全然違うと感じますね。残業して長い時間働く人は「仕事ができない」と見なされるんです。

 

有給を使い切れない日本の会社員とは違い、スイス人は休暇もしっかり取ります。クリスマス、イースター、夏休みなどを合わせ、年間2ヶ月くらいは休むのが平均的ではないでしょうか。それでも、ちゃんと経済が回っているんですよね。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和長い時間働いたから結果が出るわけではないという好例ですよね。日本の女性たちの中には、会社員としてワーク・ライフ・バランスを取ることが難しいので、やむを得ずフリーランスになる方少なくありません。スイスのようにメリハリのある働き方が、日本にも定着するといいのですが。

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさんスイスでは、「結果」を出すことが重視されます。逆に言えば、結果さえきちんと出していれば、プロセスは重要ではないんです。日本のように、「上司より先に帰ってはいけない」などと、仕事に対する姿勢が問われることはありません。

 

同僚に旅行のお土産を買っていく、という文化があるのも、私が知る限り日本だけです。日本では「同僚=友人・家族」という面がありますが、スイスでは、同僚は仕事をする仲間であり、友達ではありません。結果を出すためにいい関係は作るけれど、プライベートまで一緒に過ごすわけではない。線引きがしっかりしているんです。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和
日本では、仕事の成果とは関係ない部分に時間や労力を割くことを求められがちですものね。

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさん結果を出すことに集中したい日本の女性が、生産性を上げるためにフリーランスになるのは、自然な流れではないかと思います。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和まさにおっしゃる通りですね。限られた時間の中で「濃く」働きたい、質の高い仕事をしたいという女性が、フリーランスを目指す傾向があると思います。

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和

日経ホーム出版社・日経BP社で約10年編集記者。特に雑誌「日経ウーマン」で女性のキャリアを広く取材。調査・取材で接してきた働く女性はのべ3万人以上。女性が自分らしく働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスを経て、2013年ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。共同代表。著書に「普通の会社員がフリーランスで稼ぐ」がある。

http://waris.co.jp

好奇心のアンテナを張り、新たなチャレンジを続けていく

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和今日、お話をうかがいながらあらためて、ちひろちゃんは、ご自身のキャリアを自分の手で切り拓く生き方をしてこられたのだと思いました。人生の岐路に立ったとき、思い切った決断ができたのはなぜだと思いますか?

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさんもともと好奇心が強く、「新しいことを知りたい」「あれもこれもやってみたい」と常にアンテナを張っていることは、理由のひとつかもしれません。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和
なるほど! 今後のキャリアについては、どんなふうに考えていますか?

 

クルクメールボタニカル代表 篠田ちひろさん組織の基盤は整ったので、ここから先は、社会的に困っている人がクルクメールにやってきて、旅立っていけるようなプラットフォームに育てたいですね。学校など、ビジネス以外の展開も視野に入れています。

一方で、個人としては、新しいことをゼロからやってみたいという気持ちもあります。自分の強みを再発見して、日本で別のプロジェクトができないか、模索を始めたところです。

 

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和ちひろちゃんの新たなチャレンジに、これまで築き上げた経験やスキルがどんなふうに活かされるのか、本当に楽しみです! 今日はありがとうございました。

取材・文/ 髙橋実帆子(Cue powered by Waris編集部) 撮影/工藤朋子

 

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