ここはカフェ『Cue』。フリーランスになって1年目のミズキさん(29歳・PR)が、今日もベテランフリーランスのユウコさん(38歳・マーケティング)に仕事の相談をしているようです。

 

ミズキ「はぁ・・・」

 

ユウコ「ミズキさんどうしたの? 珍しいじゃない、ため息なんかついて」

 

ミズキ「ユウコさんは、フリーで仕事をしていて寂しいって思ったことありませんか?」

 

ユウコ「寂しい? それはあんまりないかなあ。毎日いろんなクライアントさんと話しているし、新しい出会いも多いし・・・」

 

ミズキ「でも、フリーランスって、会社員みたいに毎日オフィスへ行かなくてもいいでしょう? 最初は通勤電車に乗らなくていいのが嬉しかったけど、1日家で仕事をして、そう言えば今日はサボテンとしか話していないなあなんて思うと何だか寂しくて」

 

ユウコ「サボテン・・・」

 

ミズキ「毎日会社で顔を合わせていると、言わなくても何となくお互いの仕事の状況が分かったりしますけど、フリーランスはその辺難しいですよね。いちいち言葉にしないと何も伝わらない」

 

ユウコ「本当にその通りね。特にリモートワークでふだん顔を合わせずに仕事をしている場合、ちょっとした行き違いがトラブルに発展することもあるわ。読者の方からお便りをいただいたので、見てみましょうか」

 

【今回のお悩み】

企画・マーケティング・編集系の仕事をしています。

フリーランスとは言え、色々な人(特にわたしの場合、リモートワークで働くママが多い)と関わりながら仕事をします。

複数のクライアントと仕事をしているので、関わる人数は会社員時代より多いかもしれません。

顔を合わせたことのない人と、リモートで密にやり取りする事もしばしばです。

 

ある時、年上の仕事仲間、Sさんと一緒に引き受けたプロジェクトの中で、新たな業務が発生しました。

役割分担や納期が明確でなかったこともあり、その新たなタスクをどちらが拾うかで、Sさんと押し付け合いになってしまいました。

 

わたしとSさんは、一度顔を合わせただけで、あとは直接会うこともなく、ほとんどチャットでやりとりをしていました。

当時、わたしは他の業務で忙しく、自分の方がその仕事の経験が長かったこともあり、事前に相談せず「お願いします!」とだけチャットで伝えてしまったのです。

それに対してSさんからは、「わたし他の仕事もあるんです!」との返信。「わたしもあるし!」とついカチンと来てしまい、そのままチャットで口論になってしまいました。

 

ただでさえ、文字だけのコミュニケーションは齟齬が発生しがち。感情だけで乱暴な物言いはよくないな…と後から反省しました。

ランチなどの機会を作ってときどき顔を合わせる、難しければスカイプなどを使って顔を見ながら会話する、チャットでも、子どものことや日常の出来事など、雑談で距離を縮めておくなど、リモートワークでも人と関わる仕事である以上、相手を知るための工夫が大事だと思いました。

 

***

 

ミズキ「このお悩み、めっちゃ分かります!! 毎日会社で会っていたら、あの人は今忙しそうだからちょっと頼むのはやめておこうとか、今日は機嫌がよさそうだからお願いしちゃおうかなとか、何となく分かりますけど、リモートワークって相手の状況が全然見えないですよね」

 

ユウコ「そうなのよね。リモートワークは、時間や場所の自由度が高い、メリットの多い働き方だけれど、リモートだからこそ、意識しなければならないこともある。『言わなくても分かってもらえるだろう』という甘えや、『たぶんこういうことだろう』という思い込みを捨てて、ちょっとでも引っかかることがあれば、丁寧にコミュニケーションをすることがポイントね」

 

ミズキ「相手も忙しいから、何度もメールを送ったり、聞かれてもいないのに自分の状況を話したりするのが、何となく悪いような気がしちゃうんですけど…」

 

ユウコ「簡潔なやりとりも大切だけれど、仕事を円滑に進めるためには、相手のことを知る努力、自分のことを伝える工夫も必要よ。たとえば体調が悪くて納期に間に合いそうもないのに、そのことを隠して仕事を抱え込んでいたらどうなる?」

 

ミズキ「クライアントに迷惑がかかる…だけじゃなく、信頼関係も壊れちゃいますよね」

 

ユウコ「その通り。そして、フリーランスの場合、一度壊れてしまった信頼関係を取り戻すことは簡単ではないわ」

 

ミズキ「たしかに。でも、フリーランスって、たった1回の打ち合わせでプロジェクトを受注したり、ざっくりした概要だけで、細かい指示がないまま仕事をすること、多いですよね。私、何だか自信がなくなってきました…」

 

ユウコ「だいじょうぶよ、ミズキさん。私だって、最初からスムーズなコミュニケーションができたわけじゃないわ。打ち合わせが終わってから『あれも聞けばよかった』『これを言えばよかった』って後悔することがたくさんあったのよ」

 

ミズキ「ユウコさんでも、そんな時期があったんですか?」

 

ユウコ「もちろん。だけど、その反省をひとつずつ次に活かして、相手の意図が分かるまで質問をしたり、思い切って自分の意見を伝えることを心掛けるようになったの。違和感や不安を感じるときは、相談者の方が書いてくださったように、直接会う機会を持てるよう提案することも有効ね。相手のことを知りたい、一緒にいい仕事がしたいという誠意をもってコミュニケーションをすれば、その思いは必ず相手に伝わるわよ」

 

ミズキ「あっ! 私、何だか分かった気がします。リモートワークって、1人ぼっちで仕事をするイメージが強かったけれど、同じ場所にいないだけで、一緒に仕事をしているという感覚を忘れないことが大事なんですね!」

 

ユウコ「そうね。常に相手の状況やニーズを思いやること、こちらの状況や意見を適宜知らせることで、リモートワークでも十分に信頼関係を築くことができるし、そうなれば、いつの間にか『孤独』を感じることも少なくなっているはずよ」

 

ミズキ「さすがユウコ先輩! 顔が見えなくても、相手の姿が思い浮かぶようなコミュニケーション、私も今日から意識してみます。サボテンと話している場合じゃない!!」

 

ユウコ「(笑)」

 

【注】この記事は、実際の事例を基に、個人が特定できないよう、事実関係を一部変更して構成しています。

 

文/高橋実帆子(Cue powered by Waris編集部)

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