ブラジル駐在妻×フリーランスの加治屋真実です。夫の転勤のため9年勤めた会社を退職し、1年前にブラジルへ。現在は、営業企画・経営企画のフリーランスとして、複数の日本企業と契約しリモートワークで働いています。

 

今回は番外編として、先日仲間とともに実施した「駐在妻・元駐在妻171人に聞きました!!『駐在妻のキャリア』実態調査」の結果報告をさせて頂きます。

【『駐在妻のキャリア』実態調査 概要】

調査期間 2017年6月14日〜2017年6月21日

調査対象 現在海外在住の駐在妻、すでに帰国した元駐在妻

調査方法 webアンケート

有効回答数 171人(うち駐在妻123人・元駐在妻48人)

*駐妻キャリアnetの調査による

働きたい駐在妻は約半数!就業中を含めると8割が就業意欲あり

Q1. 現在の就業状況やご意向について教えてください

(元駐在妻の方は当時の状況について教えてください)

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現在の就業状況・意向(元駐在妻の場合は当時の状況)について聞いたところ、48%の駐在妻が「仕事をしたいが出来ていない/出来なかった」と回答。多くの駐在妻がキャリアに対するモヤモヤを抱えている現状が浮き彫りになりました。

 

また、驚くことに、30%が「仕事をしている/していた」と回答。但しこの結果は、実際の周囲の状況とは大きく乖離しており、キャリアに対する意欲が高い層がアンケートに回答して下さったため偏りが生じていると思われます。

 

「仕事をしている/していた」と回答した方のコメント

 

・「仕事や社会から離れるのが嫌だったため、アルバイトとして働いていました。扶養の範囲内で働いていましたし、夫の会社の方たちからの目を気にしながらだったので心置き無く働くことはできませんでした」

・「日本語教師と翻訳の仕事をしていますが、自分の今までのキャリアとの関連性が無く、収入も低いため、あまり満足していません」

 

実際に仕事をしていても、収入や仕事の内容、キャリアとの継続性の面での悩みがある方が多いようです。

 

「仕事をすることは考えていない/考えていなかった」と回答した方のコメント

 

・「幼い子供がおり、預け先がない」

・「子供が生活や学校に慣れるまで時間がかかって、自分のことを考える余裕がなかった」

・「駐在期間が不明で、短期間で異動になる可能性も高く、働くことを決めきれなかった」

 

海外での子育ての大変さや保育事情、将来の不透明さのため、就業を検討すること自体が難しい、という声が多く見られました。

 

働くハードルは「夫の会社の制度」「VISAのステイタス」
一方で実態と認識が乖離しているケースも多数

Q2. Q1で「仕事をしたいが出来ていない/出来なかった」を選択された方に質問です。

仕事を始める上でのハードルを以下よりお選びください(複数回答可)

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Q1で「仕事をしたいが出来ていない/出来なかった」と答えた48%の方に、「仕事を始める上でのハードル」を聞いたところ、「夫の会社の制度」「VISAのステイタス」が上位を占めました。

 

実際、「夫の会社の制度」については、駐在妻の就業を認めていない・推奨していない日本企業は多く存在します。また「VISAのステイタス」についても、配偶者のVISAでは就業が難しい国も存在します。

 

一方で、「先輩駐在妻から『就業NG』と聞いていたが実際はOKだった」「VISAの切替えが可能だったと帰国後に知った」「リモートワークであればVISAの問題はなかった」など、正しい情報を得ることができないまま働くことを諦めるケースも多く存在します。

「求人情報」と「駐在妻コミュニティ」が必要!!

Q3. 駐在妻のキャリアに関して、あったらいいと思うサービスや支援はありますか?(複数回答可) *フリーコメントを事務局にてテキスト抽出・集計

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駐在妻のキャリアに関して、求めるサービスや支援について聞いたところ、以下のランキングになりました。

 

第1位 駐在妻向け求人・リモート求人の紹介サービス

・「駐在妻を受け入れてくれる現地企業の紹介サービスがあるといい」

・「海外でもできるリモートワークのマッチングサイトが欲しい」

・「日本語でできるテレワークを斡旋するサービスは需要がある」

 

現地企業の求人情報を希望する声がある一方で、言語の問題や、帰国後のキャリアとの継続性の観点から、リモートワークの求人紹介を希望する声が多く見られました。

 

第2位 情報交換ができるコミュニティサイト・働く駐在妻の事例紹介

 

・「活躍している・キャリアに悩んでいる駐在妻とお話できる機会が欲しい」

・「働いている駐在妻の方々との情報交換が出来るプラットフォームが欲しい」

・「実際に働いている人、働きたい人が情報共有できるような場(オンラインサロンなど)があれば是非参加したい」

 

働く駐在妻の事例を知ったり、キャリアに悩む駐在妻同士で情報交換ができたりするコミュニティを求める意見が多く寄せらせました。

 

第3位 「VISA・納税などの手続きに関する情報」

 

・「労働VISA・労働許可証の取得支援サービスが欲しい」

・「ビザや確定申告など、就業にあたっての手続について解説したサイトが必要」

 

複雑な海外での手続きの支援サービスや、必要な手続きを整理した情報などが必要とされています。
4位以降は、「帰国後のキャリアサポート」「資格・学び・ボランティアに関する情報」「キャリアカウンセリング・セミナー」と続いており、「海外生活の期間をどう過ごし、帰国後のキャリアにどう活かしていくのか」について悩む駐在妻が多いことが伺えます。

 

しなやかに継続する駐在妻のキャリアを応援し共に成長する

 

今回このアンケートを実施したきっかけは、今まで温めてきた「駐在妻が活躍出来る機会を増やすためには何ができるだろう」という想いからです。

 

私がフリーランスとしての活動を本格的に開始して9ヶ月あまり。ブログやこの連載を読んで下さった駐在妻の方々から日々たくさんのご連絡を頂いてきました。

 

またブラジルに来てから仕事を得るまでの自身の苦労や、同じ想いを抱えるたくさんの友人との出会いを経て、「駐在妻が必要としている情報を届けたい」「お互いに励ましあい情報交換する場を作りたい」「駐在妻が経験を活かせる求人を増やしたい」という思いを強めてきました。

 

そして、その第一歩として、今回頂いたたくさんの声を基に、キャリアに悩む世界中の駐妻を、応援し共に成長するコミュニティ「駐妻キャリアnet」を、仲間とともに開設しました。

 

今回立ち上げたコミュニティでは、活躍する駐妻の事例インタビューや役立つ情報の提供、会員同士の相互交流などを通して、「海外での生活を最大限に活かし、しなやかで継続的なキャリアを育て続けること」を皆で目指して行きたいと考えています。

 

「キャリア」とは、単に仕事内容やスキルのことを示すのではなく「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割や価値観を見出していく連なりや積み重ね」を意味すると言います。

 

海外生活期間中、「この期間を通して自分が何を得たいのか」「帰国後どんなキャリアを歩みたいのか」を考え、自らを見つめ、仕事やボランティア、学習や地域との交流などにポジティブに取り組み、海外生活を最大限に活かすことが、自らの生き様を作っていくことになると信じています。

 

国ごとに異なり非常に複雑な法律や税制、リモート求人の不足など課題は山積みですが、同じ境遇で悩む世界中の駐在妻の皆さんと共に一歩ずつ歩んでいきたいと思っています。

 

また、こちらの連載でも、活躍する駐在妻や、ダイバシティ先進企業、研究者の方などとの対談やアンケート調査などを通して、情報発信して行きたいと考えていますのでどうぞお楽しみに!

フリーランス 加治屋真実加治屋真実

フリーランス・駐妻キャリアnet代表

1983年生まれ。東京大学文学部卒業後、2007年に株式会社リクルートエージェント(現 リクルートキャリア)入社。経営企画、営業企画部門にて、中期経営計画や営業戦略立案、業務効率化などに従事。その後、事業開発部門にて新規事業の企画・立ち上げ・推進を担当。夫の海外赴任に伴い同社を2016年に退職。現在はブラジル在住のフリーランスとして、複数の日本企業の経営企画・営業企画業務にリモートワークの形で関わっている。また、キャリアに悩む世界中の駐妻を応援し共に成長するコミュニティ「駐妻キャリアnet」を運営している。

 

駐妻キャリアnet サイト http://chuzuma-career.hatenablog.com
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