「何やってるの!」「早くしなさい!」「今忙しいから後にして」

仕事と家事に追われる毎日の中で、子どもに向かって、ついそんな言葉を連発していませんか?

罪悪感を抱いているママも、だいじょうぶ。モンテッソーリ教育の専門家、荒井聖子さんに、時間のない保育園ママでもすぐに実践できる子どもの心の育て方を教えていただきました。

 

Q 毎日やることが多すぎて、マイペースな子どもにイライラ。朝、急いでいるときなど、つい声を荒らげてしまいます。

朝起きてから子どもと一緒に玄関を出るまで、お母さんにとってはあっという間の慌ただしい時間ですよね。私自身がそうでしたから、よく分かります。

 

でも、思い出してみてください。子どものころの1年は、今よりとても長かったと思いませんか? 実は、子どもは大人とはまったく違う時間軸を生きているんです。朝の身支度も、大人にとっては毎日のルーティンかもしれませんが、子どもは同じ1時間の中でいろいろなことを感じ、考えています。

 

「ごはんを食べて」「服を着なさい」「早くして」とつい口を出したくなったときは、まず深呼吸。命令形の言葉を連発すると、子どもは自分で考えることをやめてしまいます。ママのペースで動いてほしい場合は、時間があるときに、ちょっとした仕込みをしておきましょう。

 

たとえば、朝、靴を履くのに時間がかかる子がいるとします。平日の朝、いきなり「早くしなさい!」と無理やり靴を履かせて連れていくのはちょっと乱暴ですね。週末の間に靴を履く練習をして、子どもに「僕は自分で靴を履ける!」という自信を持たせてあげましょう。ベースを作っておくことで、ママも子どもも落ち着いた気持ちで一日を始めることができるはずですよ。

 

Q 休日、子どもと長い時間一緒にいると、小さないたずらや癖、マナーの悪さが目について、一日中ガミガミ小言を言ってしまいます。

平日、子どもと一緒に過ごせる時間が短いママほど、休日は子どもをよく見てあげたいと思うもの。でも、小言を言ってばかりでは、子どもの中にある成長の芽を摘んでしまいますし、ママも自己嫌悪に陥ってしまいます。

 

まず知っていただきたいのは、「叱る」と「怒る」は違うということ。感情的になって怒る基準が変わったりすると、子どもは混乱を起こしやすくなり、癇癪につながることもあります。それを防ぐためにも、パートナーと話し合って、「これだけは許さない」というルールを決めておきましょう。

 

家族のルールは1つか2つ、多くて3つもあれば十分です。命の危険にかかわること、嘘をつくことなど、家庭によってさまざまな価値観があると思います。「ここだけはちゃんと叱ろう」とあらかじめ決めておくと、子どもの行動を見逃すのがぐっと楽になりますし、大切なことがきちんと子どもに伝わりますよ。

 

Q 「ほめる教育」と言われますが、どんなほめ方をすれば子どもの自信につながりますか?

最近のママはほめ上手。むしろ「ほめ過ぎ」と言ってもいいかもしれません。

 

「すごい!」「すてき!」「えらい!」などと、一挙手一投足を大げさにおだててやる気を引き出そうとするのは考えものです。子どもは大人の様子をよく見ていますから、そのほめ言葉が本心から出たものか、口先で言っているだけか、よく分かっているんですよ。

 

モンテッソーリ教育では、人からの評価よりも、子どもの「自分一人でできた!」という気持ちを大切にします。子どもをほめるときには、ママが心から感心したことを、真剣な言葉で伝えるようにしたいですね。

 

また、「がんばれ!」を連発するのも、子どもの負担になっていることがあります。「もっとがんばらなければママに認めてもらえないんだ」と思ってしまうのです。大人でも「がんばれ」と言われ続けると息切れしますよね。がんばっている子には「もっとがんばれ!」ではなく「がんばったね」と声をかけてあげましょう。子どもはほっとして、ママが分かってくれることをうれしく思うはずです。

 

取材・文/高橋実帆子(Cue powered by Waris編集部)

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰 荒井聖子荒井聖子

SakuraEdu代表 コドモンテワークショップ主宰

株式会社資生堂に勤務した後、目黒区民講座講師、パルシステムワークショップファシリテーター、幼児教室ICEモンテッソーリアルベーロのコンサルティングなどの活動をしながら、通算100回以上の親子向けワークショップを開催。日本モンテッソーリ教育綜合研究所教師。NPO日本食育インストラクター協会食育インストラクター1級。芸術教育研究所上級絵画インストラクター。日本アロマ環境協会アロマテラピーインストラクター。
http://sakuraedu.net/

 

◆企業出張型「ワーキングママのためのワークショップ」「親子のワークショップ」などのご依頼は、下記のメールアドレスまでお願いします。
問い合わせ先 arai@sakuraedu.net

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします