企画・営業・マーケ・人事・・・など、総合職系のフリーランスとして活躍する女性たちに、「フリーランスになったきっかけ」「これまでのキャリアの変遷」「フリーランスとしての働き方・働く魅力」を伺いました。

Qフリーランスとして働き始めたきっかけは何ですか

私の場合、決定的な出来事があってフリーランスになったのではありませんが、働くことについて、考え続けてきた人生ではありますね。

 

私は、高校時代に男女雇用機会均等法が施行された世代。母や叔母など身近な“働く女性”の実情を知るたびに、なぜ男女で差があるのかということが課題として引っかかっていました。働く人に関する法律はどうなっているのかが知りたくて、大学は法学部に進学し労働法を専攻しました。

 

世間的には均等法が施行されても、いざ就職活動となって直面したのは、男女の格差でした。当時、法学部からは金融業界に就職する人が非常に多かったのですが、同じゼミで同じように、もしくは男子学生以上に勉強しても女子学生は総合職では採用されず、数人を除いてほとんどは一般職採用でした。

 

そんなバックグラウンドもあり、一度新卒で大手流通系企業に勤めましたが、「“働くこと”についてとことん勉強したい」という考えに行き着き、社労士を目指しました。数年かけて資格を取得した後、パートタイムで社労士関連の仕事をしながら産業カウンセラーの資格も取得し、さまざまな実務経験を積んでいく中で、仕事が自分自身に付いてきたこと、やりたいことが明確になってきたこともあり、フリーランスで仕事をするようになりました。

 

Q会社員時代は、どんなお仕事をされていましたか?

社労士事務所ではまず、事務手続きをメインとした社労士の基本業務のイロハを身につけました。社会保険、雇用保険の手続きなどを通して、世の中の仕組みを知っていきましたね。そして社労士資格取得後は企業からの相談対応も担当するようになりました。

 

産業カウンセラーの資格を取得した後は「カウンセリングをやってみたい」という思いから、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメントに関するコンサルティング会社に勤めました。事務からスタートし、企業研修サポート、電話相談員(働く人の相談窓口であるホットライン)、最終的には研修の講師まで仕事の幅を広げました。

 

その後勤めた会社では、産業医の先生の傍らでメンタルヘルス対応を学びながら、独自にカウンセリングの勉強も続け、クライアント企業でのカウンセリング業務も担うようになりました。休職中でカウンセリングが必要だと判断された方はもちろんですが、復職された方のカウンセリングも非常に大事です。こうしたカウンセリング業務を数年間続け、さまざまな相談者のお話を聞くことで、私自身もカウンセリングスキルを磨き、自信が持てるようになったと感じます。

 

Q今、フリーランスとしてどのようなお仕事をされていますか?

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これまで同様、企業先でのカウンセリング業務、企業研修などをフリーランスとして続けています。

 

また、医師と医療機関のマッチングサービスを行う会社で、産業医と企業のマッチングを行う新規事業の立ち上げにコミットしました。ちょうど企業におけるストレスチェックが義務化された時期で、産業医が重要視される機運が高まっていたんです。そんな中、その会社では、人材(医師)はたくさん揃っているけれど、企業と産業医をつなぐためのスキームがないということでした。そこで私が、会社で得てきたノウハウと資格を生かし、枠組みづくりから携わらせてもらいました。

 

同サービスは開始から約1年が経ち、順調に企業との契約数を伸ばしています。立ち上げ期を過ぎて現在は、マッチングがスムーズに行われているかなど、サポートする立場で私も引き続きコミットしています。

 

Q舘野様にとって、フリーランスで働く魅力とは何ですか?

自分らしいと思う仕事、自身にとってキャリアになる仕事をきちんと選択し、極めたい分野をとことん突き詰めていけるのが今の働き方だと感じています。

 

大学を卒業し初めて社会に出たとき、一生働くとは決めていたものの、「この会社でいいのか? そもそも会社で働くという選択しかないのか?」と悩んだことを覚えています。

 

会社で働くことにはもちろんメリットもあります。一方で、会社の論理で不本意な仕事をしなければならないのも事実です。そう考えたときに私は、自分の関心のあることでスキルを持って働いていきたいと考えたのです。

 

Q今後のキャリアをどう描いていらっしゃいますか?

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実は最近、フリーランスでの仕事と平行して、志を共にする社労士の仲間と、メンタルヘルスの対応やサポートを行う会社(株式会社イソシア)を立ち上げたところです。

カウンセラーあるいはEAP(従業員支援プログラム)の企業で同様の事業に取り組む会社はたくさんありますが、働く人のメンタルヘルス対応を社労士がやることに、大きな意味があると私は思っています。

 

振り返ると、30代はものすごく勉強した時期でした。子どもが眠るベビーラックを足で揺らしてあやしながら、社労士試験の勉強をしました。週末に子どもを預けて、カウンセラーになるための講座にも通いました。夫がノー残業デーの日には何としてでも帰ってきてもらい、カウンセリングの夜のシフトを受け持ちました。でも、決して迷いがなかったわけではなく、「子どものほうが優先じゃないのか」「ここまでしてやらなきゃいけないのか」といつも自分の中に雑音を抱えていたんですよ。

 

もちろん無理しすぎる必要はなく、その時々で家族の状況を見ながら考えて働いていけばよいと思います。でも、「これだけは絶対にやりたい」という仕事があれば、ぜひあきらめないでほしいです。私自身、30代の経験が今の充実した仕事にすべてつながっていると感じています。

 

「誰もが働きやすく、働きたい人があたりまえのように働ける社会にしたい」。

このテーマに一貫してこだわるのには、娘の存在もあります。彼女は今高校3年生。これから就職し、働いていくときに、女性というだけで選択肢が狭まるような経験はしてほしくない。もちろん女性だけでなく、障がいのある人、病気治療中の人、どんな人も、です。これからも仕事を通して、誰もが自分の能力を発揮できる社会の実現のために、草の根的に活動していきたいです。

 

取材・文/横山さと(Cue powered by Waris編集部) 撮影/工藤朋子

※舘野さんにお仕事をご依頼されたいなどご連絡を取られたい場合はCue編集部 info_cue@waris.co.jp までお問い合わせください。

 

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