ブラジル駐在妻×フリーランスの加治屋真実です。夫の転勤のため9年勤めた会社を退職し、1年前にブラジルへ。現在は、営業企画・経営企画のフリーランスとして、複数の日本企業と契約しリモートワークで働いています。

 

写真は5月初めにサンパウロにオープンした「JAPAN HOUSE」に行った時のもの。外務省が日本文化の発信を目的に展開する施設で、サンパウロに続き、ロンドンやロサンゼルスでの解説を予定しているとのこと。たくさんのブラジル人が、竹細工や漆器などの日本の伝統工芸品や映画、本などの展示を興味津々に見てくれていて嬉しかったです。

 

さて、第3回目の「ブラジル駐在妻のフリーランス日記」のテーマは「駐在妻が『働く』を諦める理由」についてです。

 

フリーランスとして本格的に活動を始めてから半年ほどですが、ブログを見た方や知人の紹介などで「夫が駐在予定だけど働きたい」とご相談をいただくことが増えて来ました。

 

私は「キャリアに悩む駐在妻が減るといい」と思っているので、そのようなご相談は大歓迎です。私にできる範囲で何でもお答えするようにしていますし、タイミングが合えば仕事を手伝って頂くこともあります。

 

しかし駐在妻が働くためには多くのハードルが存在します。半年間でご相談を頂いた方は30名以上。しかし、実際に仕事を始めた方はわずか数名です。

 

もちろん、ボランティアや進学など仕事以外にやりたいことを見つけた方もいます。必ずしも働くことが最良の選択だとは思いません。しかし、「働きたい」という思いを持ちながら諦めざるを得ない方も数多くいます。

 

駐在妻が「働く」のを諦める3つの理由

駐在妻が働くことを諦めるとき、大きく分けて3つの理由があるようです。

 

1, 夫の会社の反対

2, ビザ・税金などのルールが不明・手続きが複雑

3, 仕事が見つからない

 

以下、それぞれについて解説していきます。

 

1, 夫の会社の反対

特に現地就労については、リスク管理やトラブル防止の観点からNGとしている企業が多いリモートワークについては、取り決めがなく「前例がないため控えて欲しい」と言われるケースが目立つ。

また、帯同手当や住宅手当など、海外赴任の際に発生する諸手当について、「配偶者が働けない分も含めて手当を支給しているのだから、働くのは控えて欲しい」「働くのであれば手当は出せない/大幅に削減する」とする企業もある。

妻としては、「夫の会社での立場を悪くしたくない」「会社を説得しても仕事を得られるか分からない」「減らされる手当以上に稼ぐ自信がない」と考え、それ以上踏み込むのを躊躇する。

その上、ご主人が協力的でないと、会社とのコミュニケーション手段さえ確保できず諦めざるを得ない。

 

2, ビザ・税金などのルールが不明・手続きが複雑

ビザや税金、社会保障は、国によってルールが異なるため、正しい情報に到達すること自体が大きなハードルになっている。特にリモートワークについては、ルールが整備されておらず、官公庁に問い合わせても「前例がなく不明」とたらい回しにされがち。

また、ルールが分かっても、手続きが煩雑で手間やコストがかかるため、「そこまでしても仕事が見つかるかどうか分からない」と検討を中止する方が多い。

 

3, 仕事が見つからない

国によって状況は異なるけれど、現地就業については、求められる経験や語学力などのレベルが高く難易度は高め。またリモートワークの場合、データ入力や簡単なライティングなど単価の低い単純作業が多く、キャリアを生かせる求人を見つけるのはなかなか難しい。

 

実際には、どれか一つの理由ではなく、複数の理由が絡み合うケースがほとんどです。「夫の会社は反対しているし、夫も非協力的。どこにも税金やビザの情報はないし、苦労して調べても仕事が見つかるか分からない」という状態です。

それに加えて、育児や介護、環境変化によるストレスなど多くの事柄が重なり、駐在妻を身動きの取れない状態にしています。

 

「駐在妻が働くことは当たり前」の状況をつくろう!

この状況を変えるためには、働く駐在妻の事例を増やし、「駐在妻が働くことは当たり前」という状況をいち早く作る必要があります。

現在、同じ志を持つ仲間と「リモートワークの仕事の幅を広げること」「ビザや税金の情報を整理すること」に取りかかっていますが、個人にできることはごく僅かです。

 

働きたい駐在妻一人ひとりが一歩ずつ、踏み込んで動く必要があると感じます。「現地の官公庁に赴く」「ご主人に仕事に対する思いを話してみる」「税理士に相談する」「友人に仕事がないか相談する」「確かな情報(税金・ビザ)や仕事の当てを持ってご主人の会社に相談する」など、一歩動くことで状況が一変することもあります。

具体的な仕事のオファーや正しい情報、強い意志を持って、関係者に働きかければ、状況を変えられるかもしれません。

 

また、海外進出している企業にとっても、従業員の家族のサポートの在り方を検討する時期なのかもしれません。女性のキャリアに対する価値観が変化し、人生100年時代のキャリアが活発に議論される今、従来の「夫の海外赴任=妻の退職」を前提とした従業員の家族サポートから、「ライフイベントにしなやかに対応しながら継続する女性のキャリア」を前提としたサポートの在り方へと進化する、そんなタイミングを迎えているように思います。

 

労働力創出の必要性が叫ばれる時代です。駐在妻がキャリアを諦めなくていい道を増やしていけたらと心から願います。

フリーランス 加治屋真実加治屋真実

フリーランス

1983年生まれ。東京大学文学部卒業後、2007年に株式会社リクルートエージェント(現 リクルートキャリア)入社。経営企画、営業企画部門にて、中期経営計画や営業戦略立案、業務効率化などに従事。その後、事業開発部門にて新規事業の企画・立ち上げ・推進を担当。夫の海外赴任に伴い同社を2016年に退職。現在はブラジル在住のフリーランスとして、複数の日本企業の経営企画・営業企画業務にリモートワークの形で関わっている。
http://ameblo.jp/mimimibrazil2016/

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします