働き方や今後のキャリアについての悩みや不安――どう考えて、どう対処していったらいいでしょう?30代40代の働く女性に対するサポート経験が豊富なキャリアカウンセラー・島谷美奈子さんがお答えします。

【今回のお悩み】

これまでと違う仕事にも挑戦したい。どうキャリアストレッチングすればいいですか?34歳・マーケティング)

信頼を得て次の仕事を獲得するために、「プロとして確実な成果を出す」ことにこだわり、経験豊富な業務ばかりを引き受けてしまいます。本当は、関心がある新しい領域の業務にもチャレンジし、自分のキャリアを広げていきたいのですが、どうしたらいいのでしょうか。

「適性がある」ことを明確に伝えよう

今後、どのようにキャリアストレッチングをしていきたいのか具体的なビジョンは描けていますか? 「マーケティングだけでなく広報にもチャレンジしたい」「採用だけでなくキャリア開発も経験していきたい」「新規事業にもっと関わってきたい」など、やりたいことを明確にし、企業へ提出するレジュメもブラッシュアップしましょう。特にフリーランスの場合、過去の経験や実績を強調しがちですが、自分の適正を「見える化」することがキャリアを広げることにつながります。

 

実は、私も大きな失敗をしたことがあります。キャリアカウンセラー業務に応募したにも関わらず、レジュメでも面談でもこれまで培ってきた営業経験をアピールしすぎてしまい、「キャリアカウンセラーというより、求人開拓営業の方がいいのでは?」と面接官に言われてしまったのです。営業の方が数値実績を伝えやすかったことと、より自分のキャリアを知ってもらうには得策だと考えたのですが、それが裏目に出てしまいました。

 

それからは営業実績をアピールするのではなく、営業経験の中でもクライアントのニーズを的確に聞き出すことや、登録者の志向に沿ったキャリアパスのアドバイスが好評であったことをレジュメにも記載し、「キャリアカウンセラーの適性がある」とアピールするようにしたのです。面談でも、レジュメに沿った説明をすることでスムーズに会話が進むようになりました。

 

これまでの経験や実績をレジュメに詳しく記載することで、逆にやりたい仕事を遠ざけてしまう可能性があります。これからどうキャリアを広げたいのかを明確に意識して、レジュメのブラッシュアップをしてみましょう。

 

ハイライトを当てる経験・スキルを見直す

では、どのようにレジュメをブラッシュアップすればよいのでしょう。3つの事例を参考に、経歴の中から次につながる経験・スキルを探してみましょう。

 

(1)経歴の中から、今後希望する業務に関連する経験を強調して記載する

「マーケティングだけでなく、広報にもチャレンジしたい」

「マーケティング業務の中で新商品発表イベント企画やニュースリリースも担当」

 

(2)経歴の中から、今後希望する業務の資質があるとわかる経験を強調して記載する

「採用だけでなく、キャリア開発の経験も増やしたい」

「採用内定者の研修企画に関わり、研修コンテンツ企画、講師選定、運営まで経験」

 

(3)今後希望する業務の知識・技能を習得していると分かる経験を記載する

「新規事業にもっと関わってきたい」

「海外進出拠点設立プロジェクトメンバーとして事業企画、市場リサーチを担当」

 

続いて、レジュメの「略歴」も修正しましょう。経験のある業界や職種の紹介の最後に、今後やりたいことに繋がる一文を加えます。

 

(例)

・マーケティング業務に加え、プロダクトのPR業務も一貫して担当

・採用だけでなく、入社後の研修企画・運営を経験し、キャリアパスを見据えた採用・研修担当者として経験を積む

・海外拠点設立プロジェクトでは事業計画、市場リサーチを担当し、新規事業の立ち上げを推進

 

ポートフォリオ(実績集)をお持ちの方は、レジュメに沿って掲載する実績の選定や、並び順を変えていきましょう。プロジェクトの規模の大きさや売上の大きさではなく、やりたい仕事に繋がる実績かどうか、という視点で選び直すことが重要です。

 

新しい肩書きでスモールステップを踏み続ける

最後に、今の自分の肩書きを考えてみましょう。例えば、「マーケティングのプロ」から「マーケティングだけでなく、広報も相談できるプロ」「スタートアップ企業のマーケティング戦略と広報部門立ち上げアドバイスができるプロ」、また「人事のプロ」から「IT企業の新卒採用から研修企画まで相談できるプロ」などと言い換えができませんか? この機会に、どのようなフェーズにある企業、どのような商品・サービスを持つ企業に強いのかを深掘りして考えてみましょう。

 

「何に強いプロなのか」を、レジュメの最初に記載する一文や面談の最初の一言でしっかり伝えられると、さらにやりたい仕事に近づいていくでしょう。

 

実際の事例として、消費財のプロダクトマーケティング担当として、商品開発から制作ディレクション、プロモーションまで行った経験をアピールし、IT企業の新規事業の広報業務を担当することになったり、海外進出プロジェクトでの事業企画経験を活かし、ベンチャー企業の新規事業企画に参画したりと、希望する仕事を引き寄せた方々もいます。

 

実際にやりたい仕事を引き寄せた後は、小さくても確実に成果を出していくこと、すなわちスモールステップを踏み続けていくことが大切です。その積み重ねによって、さらに次の仕事を引き寄せていきましょう。

フリーだとどうしても仕事に偏りがでちゃうのよね!スキル見直しも必要ね!
by サキ

キャリアカウンセラー/島谷美奈子

国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。福岡県出身。15年以上にわたり人材ビジネス業界、公的機関等にて人材活用・キャリアカウンセリングに従事。のべ5000名以上のカウンセリング実績を持つ。現在は、株式会社Warisでキャリアカウンセラーを担当するほか、女性の再就職セミナー講師、大手企業の職場環境改善委員を務める。横浜ウーマンビジネスフェスタ2015・2016実行委員。
http://waris.co.jp

 

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