3月21日(火)、複業に興味がある、あるいは実践している方々が永田町GRID

(東京都千代田区)に集結。第1回となる『パラキャリ未来会議』が開催されました。

多くの企業で進みつつある、複業解禁という流れ。働き方が多様化していく中で、関心のある方は多いのではないでしょうか。いったいどんな場となったのか。参加レポートでその様子をご紹介します!

 

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開始時間が近づくにつれて、続々と参加者が集まってきます。“パラレルキャリア”がテーマということもあり、スーツ姿の方が少ないのが印象的です。
イベントに先駆けて、まずフリーランス協会の共同代表・平田麻莉さんより、協の活動・趣旨などに関する説明がありました。そしてイベントは、

第1部 これからどうなる?『複業解禁、議論の現場から』

第2部 複業実践者と経営者が語る『パラキャリの未来』

 

の2部構成で進行していきます。

 

 

第1部の登壇者は、

・小田切未来さん

経済産業省中小企業庁 経営支援部 創業・新事業促進課 総括補佐

・正能茉優さん

株式会社ハピキラFACTORY 代表取締役、ソニー株式会社 新商品企画担当

・西村創一朗さん

プロフェショナル&パラレルキャリアフリーランス協会 理事、働き方改革コンサルタント、複業研究家

の3人。

 

小田切さんは経済産業省で創業支援等に取り組みながら、NewsPicksでプロピッカーを務めているとのこと。そして、正能さんは企業代表を務めながらソニーに勤務。さらに、西村さんはリクルートキャリア在職中に事業を起こし、独立したという経歴をお持ちで、それぞれが、まさにパラレルキャリアを実践中です。

 

ディスカッションの中で、特に印象的だったお話をご紹介します。

 

<小田切さん>

「現在、日本的な雇用あるいは働き方が揺らいでおり、兼業・複業が注目されている。」

「パラレルキャリアはイノベーションの材料となり、経済の活性化にも繋がる。」

「兼業・複業を推進すれば、必ず出てくるのが労働時間の問題。」

「兼業・複業は、あくまで『やりたい人がそれをできるようになる』ための選択肢の1つに過ぎない。」

「以前、クールジャパンを担当した際には、政治家からの後押し(「やろう」という声)があり、自然と人が集まってきた。パラキャリもこれと同じように、すでに条件は揃っている。」

 

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<正能さん>

「大学時代に起業した際、何かオンリーワンを目指そうと思った。でも、世の中には学生起業家や女子大生社長がたくさんいる。そこで『●●なのに社長』という視点で、ソニーへの入社(=複業)を決めた。」

「今の働き方を、私は“ビュッフェキャリア”と呼んでいて、ビュッフェ形式の食事のように、ただ両方食べたいから両方バランス良く食べているだけ。1つがものすごく良ければ1つで良いし、2つより多くても構わない。好きな仕事を、好きなバランスでやったらいいと思う。」

「バブル時代は仕事で120点取れば、たとえ他がダメでもOKだった。一方、現在は、仕事や友達、家庭など、それぞれが50点でもいいからバランス良くこなし、総合点で100点の人生を目指す時代。でも、仕事に割く時間が少ないから稼ぎが減ってもいいのかと言えばそうではない。人より少ない時間で、いかに1時間あたりの価値を最大化させるかがポイント。」

 

 

 

<西村さん>

「起業では不安がもっとも大きなリスクであり壁となる。私が起業したときは、結婚して子どもがいた。だから、リスクを最小限にしつつチャレンジする方法として、複業でのスモールスタートを決めた。」

「これまで培った経験・スキルの豊富さという意味で、40〜50代の複業者は多い(例えばアドバイザーなど)。」

「やりたいことができる世の中になってほしいと思うし、そうなっていかざるを得ないのだと思う。」

「チャレンジの選択肢が広がれば、それがイノベーションにも繋がっていく。」

 

 

休憩を挟んで、第2部は、「複業実践者と経営者が語る『パラキャリの未来』」。登壇者は、

・柳内啓司さん

株式会社ヒーロー、株式会社ビジネスライフ 代表取締役社長

・加藤健太さん

株式会社エンファクトリー 代表取締役社長

・森木恭平さん

株式会社サーキュレーション 執行役員、株式会社HIROKEN 常務取締役 兼COO、株式会HHR 代表取締役社長

の3人です。

 

柳内さんはTBSテレビ編成局に所属しながら複業を実践。加藤さんは社内で「専業禁止!!」という人材ポリシーを打ち出して複業を推進し、森本さんは経営者として、パラレルキャリアへの発注者に日々接しています。

それぞれ異なる視点を持つ3人の経営者たちのディスカッションの中で、印象的だった内容をピックアップしてご紹介します。
<柳内さん>

「社内でテレビ番組の企画を通すのは非常に大変。特に新しいものは通りにくいので、会社で扱ってもらえないことは自分でやろうと思った。」

「本業とのバランスはあまり考えたことがなく、ただ、やりたいことをやり続けてきただけ。」

「自分の専門、あるいは得意分野と隣接する分野で始めてみるのは手軽な方法。そして、大切なのは縁。相手が困っていて自分に手伝えることがあれば、まずやってみる。そして、その実績を外に出してみればいい。」

 

 

<加藤さん>

「新しい会社を起こすのなら、いろんな成長の機会を与えようと思った。だから社員に複業を推進している。」

「複業解禁のメリットは、まず人材が育つこと。外で自信と経験を積んでもらえる。そしてオープンイノベーションで、連携できるネタを外から持ってきてくれる。」

「社員の複業でトラブルが起きたこと、デメリットを感じたことはほとんどない。たとえ転職しても繋がりは切らないので、人的資源が会社の中にいるか、外にいるかの違いでしかない。」

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<森木さん>

「インテリジェンスに在職中、どれだけ採用したい会社があっても求職者は1社しか選べない状況に矛盾を感じた。」

「目標設定が大切なので、『どうありたいか』を常に問いかけてきた。しかし前提として、本業で成績が出せなければ、他で何もできない。」

「会社としては、やはり本業にコミットしてほしいというのが本音。だから複業解禁と言っても、多くの会社は反対し続けると思う。しかし個人が意思を持って取り組めば、その壁はぶち破れるはず。」

 

 

自社の社員に複業を推進する加藤さんによれば、いざ複業に取り組んでも、「やっぱり向いていない」と戻ってくる人がいるそうですが、それもまた経験。複業は誰にでも向いている働き方ではありませんが、チャレンジしてみなければ、向いているかどうかも分かりません。

エンファクトリーのように、自由に複業ができる企業はまだまだ少ないのが現状です。実際、森木さんが役員を務めるサーキュレーションでは、複業を解禁していないとのこと。しかし皆さんのお話を伺う中で、複業あるいはパラレルキャリアという働き方が当たり前になる未来は、近いのではないかと思いました。

 

会社員であっても、チャレンジできることはたくさんある。自分の可能性を試す、あるいは本業と別に興味ある分野にトライするという意味でも、パラレルキャリアという選択肢の大きな可能性を感じるイベントでした。

取材・文/三河  賢文

HP2
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