フリーランス女性が、出産・育児を経て働き続けるために避けては通れない「保活」。週5フルタイム正社員として働く人に比べ、フリーランスの保活は特に難しいと言われています。

 

そんなフリーランスの多様な働き方と新しい保育のあり方について考えるイベントが、3月1日(水)、「プロフェショナル&パラレルキャリア フリーランス協会」とハフィントンポストの共催により行われました。

 

小さなお子さん連れの参加者も多い中、ハフィントンポスト日本版・竹下隆一郎編集長の「お子さんが泣いたり走り回ったりする方がむしろいいディスカッションになると思うので、まったく気にしないでくださいね」というあいさつからイベントがスタート。

 

画面右から:竹下隆一郎編集長、菊地加奈子さん、新倉暁子さん、吉野ユリ子さん

 

育児や保活の経験を持つ3人のゲストが登壇し、第1部のトークセッションが始まりました。

特定社会保険労務士で、5人のお子さんをお持ちの菊地加奈子さん。第3子を出産するまでは専業主婦だったそうですが、出産後に事務所を開業。第4子出産後には「日本の子育てのあり方を変えていきたい」と企業内保育園の経営を始めたそうです。

 

「1人目出産のときは専業主婦。4人目を産んだときには、産後の病室でも仕事をしていました。5人目出産のころには、『極端はよくない。バランスが大切』と思うようになりました」と菊地さん。

 

「保育園を経営する立場としては、月曜日から金曜日まで、決まった時間に子どもが登園してくることで『安定した保育』ができるので、一番やりやすいのです。『週2日』『お昼から』など、親の働き方に保育の形を合わせることに抵抗がある保育士も中にはいます。でも、働き方が多様なら、保育も多様であっていい。どんな働き方をしたいのか、子どもとどう向き合いたいのか、保育士と保護者が対話し、一緒に考えていくことが必要だと思っています」。

 

ライフスタイルジャーナリストとして活躍する吉野ユリ子さんは、1歳の娘さんのママ。妊娠中に20~25の保育園を見学し、区外の認証園に電車通園しながら認可保育園に空きが出るのを待ち、この4月からようやく認可保育園に通えることになったそうです。

 

「子どもが2ヶ月のときから保育園に預けて仕事を再開しました。熱を出して保育園から呼び出され、やむを得ず取材先に連れて行ったこともありますが、そのことを理由に、仕事の依頼が来なくなったことはありません。子どもを言い訳の材料にはしたくないですが、それで仕事がなくなるならそこまでのご縁。サステナブルな世の中をつくるための踏み石になるつもりで仕事をしてきました」と吉野さん。

 

「ベビーシッターや病児保育などのサービスは高額で、保育料が仕事の報酬を上回ってしまう日もあります。そのお金は目の前の仕事のためだけでなく、子どもにお金を使うことが日本社会全体への投資になると考えるようにしています。政府が補助金を充実させるなどして、民間の保育サービスが増えれば、多様な保育を実現することができるのではないでしょうか」。

 

片付け収納アドバイザーの新倉暁子さんは、小学1年生になる男の子を育てています。認証保育園から認可保育園への転園経験を持つお子さんは、現在通っている区立の学童保育に来年度から通えないことになり、待機をしているそうです。

 

「保活の際は数ヶ月分のスケジュールをエクセルで一覧表にし、配ったチラシやブログのURLも提出しました。フリーランスにはタイムカードがないので、保育の必要性を証明するのもひと苦労です」と新倉さん。

 

「待機児童問題を解決するには、当事者以外の人が『自分ごと』ととらえることが欠かせません。私たちが納めている税金は、認可保育園の保育料に使われている。その使い道がどうなっているのか、保活が終わった後も関心を持ち続けることが問題解決につながると思います」。
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トークセッションの最後は参加者からの質問コーナー。参加者の女性から、「『保活』の話題になるとママしか登場しないことが気になっています。皆さんはパートナーシップで工夫されていることはありますか?」という質問がありました。

 

この質問に対し菊地さんは「私が仕事を始める前、夫はバリバリのサラリーマンで、水の出し方も分からないくらい家事をしない人でした。今では予防接種から授業参観まで積極的に参加する夫に変身しました。4月からはPTA会長をやることになっています」と回答。会場からどよめきが起こりました。

 

パートナーがフリーランスになり、どんどん忙しくなって収入も増えていくと、『相手が変わっていくのがこわい』と感じるもの。わが家では、ぶつかり合いながらも話し合いを繰り返し、仕事も家事も協力できる体制をつくることができました」。

 

第2部のワークショップでは、参加者が6つのグループに分かれ、「フリーランスの保活で一番問題だと思うこと」「その解決策」について話し合いました。集まった皆さんは職種も働き方もさまざまですが、「子どもを持つフリーランスが仕事を続けられる社会をつくりたい」という思いは同じ。トークセッションのゲストも交えて意見を出し合いました。

 

IMG_2324s各グループの代表者による意見発表では、

「フリーランスという働き方がなかなか理解されず、勤務証明が難しい」

「同じ仕事をしていても、正社員や契約社員、フリーランスなど雇用形態で保活の有利/不利が変わる」

「認可保育園以外に預け先の選択肢が少ない」など、実体験に基づいた問題点がいくつも挙がりました。

 

それらの問題の解決策としては、

「フリーランス協会がプラットフォームになってフリーランスのコミュニティをつくり、子どもを預け合ったり、仕事を融通したりする

「打ち合わせなど、子連れで仕事をしてもOKという雰囲気を、企業、フリーランサーが共につくる」

子どもを持つ人に、保育サービスに使える『バウチャー(クーポン)』を配り、保育園だけでなくベビーシッターなど、さまざまなサービスを個人が選択して利用できるようにする」など、さまざまな提案がなされました。

 

日ごろ、自分の責任で仕事をしているフリーランスの方が多いためか「行政に何とかしてほしい」というだけでなく「自分たちで新たな仕組みをつくっていこう」という前向きな意見が多いことが印象的でした。

 

イベントの最後には、プロフェッショナル&パラレルキャリア フリーランス協会の共同代表理事である平田麻莉さんが登壇。娘さんが待機児童になり、1年間子どもを連れて仕事をした「カンガルーワーク」の経験を紹介しながら、「協会の活動を通じて、皆さんからもご意見があった公助への働きかけ、互助や共助の仕組みづくりを行っていきたい」とあいさつました。

 

フリーランス協会では、保活の経験を持つフリーランスの皆さんのリアルな声を募集しています。新しい働き方に合った、多様な保育の形を一緒につくっていきましょう。ぜひアンケートにご協力ください!

https://docs.google.com/forms/d/1JC0MYCSzrZoSrd2fG0b5cxsxsJB-KJ2J9HAMxeblJDs/viewform?edit_requested=true

 

文/ライター 髙橋実帆子

HP2
フリーランス協会
http://freelance-jp.org/

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