「田中さん、今どこにいるの?」――携帯電話にこんな電話がかかってきたのは、
電車の乗り継ぎ駅でのことでした。

 

私は、フリーランスのライターとして雑誌の取材の仕事へ向かう途中。

電話は、お世話になっているある会社の社長からのものでした。

当時の私はフリーランスとしてライター・編集の仕事と、
キャリアカウンセラーの仕事を平行して受託していました。

 

電話の主はフリーのキャリアカウンセラーに仕事を発注してくれる社長で、
私も、いろいろなプロジェクトをご一緒していました。

 

「集合時間が過ぎているけど連絡がないから・・・」と話を続ける社長。

その瞬間、はっと記憶がよみがえり、さーっと冷や汗が出てきました。

 

数週間前のこと。私は社長から、新卒学生の就職関連イベントの手伝いを頼まれ、
承諾していたのです。「いいですよ!」と二つ返事をしたものの、
スケジュール帳に転記するのをうっかり忘れ、別の取材の仕事を入れてしまっていました。

そのことを電話越しに平謝りしながら伝えると、
社長は「わかった。こちらはこちらでなんとかするから・・・」と。

後日、直接お詫びにも伺いましたが、
フリーランス時代の苦い失敗の一つです。

 

言い訳しようのないミスではあるのですが、
防ぐことはできました。

 

まずは、スケジュール管理の問題。

当時の私はフリーランスになったばかりということもあり、
依頼された仕事は基本的には断らず、すべて受けていました。

必然的に自身のキャパシティ以上に仕事を受けてしまっていました。

すると、一つ一つのアポイントに対して意識が散漫になり、
このようなケアレスミスを産む要因にもなります。

 

とあるフリーランス歴の長い女性は、
スケジュールのつまり具合を必ず70%~80%程度にあえて抑えると言います。

「フリーで仕事をしていると、クライアント側の事情でスケジュールが
後ろに倒れることもある。スケジュールに多少余裕がないと、
立て込んできたときのミスや納期遅れにつながる。

100%受けたいところを、ぐっとこらえています」

また、「一日のアポ件数を3件までにする」と決めて
活動しているフリーランスの方もいます。

 

もう一つ、プロジェクト管理の問題もあります。

私が尊敬するあるフリーランス女性は、
並行して進行しているプロジェクト(クライアント)ごとの資料を
別々のクリアファイルに入れて管理し、
1日1回必ず、そのファイルに触れるそうです。

クライアント別にプロジェクト内容をしっかり把握し、
常に進捗状況を管理しているわけです。

 

ミスを完全になくすことはできないかもしれませんが、
独立したプロとして仕事を請け負う以上、
会社員時代以上に確実で自律的な
スケジュール管理やプロジェクト管理が求められるのが
フリーランスなんですね。

田中美和プロフィールPH

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和

日経ホーム出版社・日経BP社で約10年編集記者。特に雑誌「日経ウーマン」で女性のキャリアを広く取材。調査・取材で接してきた働く女性はのべ3万人以上。女性が自分らしく働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスを経て、2013年ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。共同代表。著書に「普通の会社員がフリーランスで稼ぐ」がある。
http://waris.co.jp

【「フリーランスな私のしくじり体験談」募集!】

みなさんも、フリーランスならではの失敗談、ほろ苦エピソード、しくじり体験をお持ちではありませんか?
ぜひCue編集部(cue.edit@waris.co.jpまで ①お名前 ②メールアドレス ③エピソード をお書き添えのうえ、教えてください。
みなさんから寄せられた体験談をもとに、注意ポイントなどノウハウをまとめたく考えております。
※寄せられたエピソードを掲載させていただく場合は必ずご連絡いたします。また個人が特定される形での展開はいたしませんので、ご安心ください。

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします