フリーランスで働く女性にとって、欠かせないのが「自己管理」。自分の体と心の健康を、自分自身で守らなければなりません。そこで、フリーランスの産業医・内科医として活躍する野尻紀代美さんに、歳を重ねても元気に働き続けるための方法を教えていただきました。

 

フリーランスは、自分が歳をとったことに気づきにくい

気がつけば私も、花もほころぶ44歳――

39歳で子供を産んだ私は、40代の子育ての辛さ、仕事との両立の大変さを日々実感しています。そんな中でも、つい無理をしてがんばってしまうのがフリーランス。この記事を読んでいる30代、40代のフリーランス女性も、そんな方が多いのではないでしょうか。

40代は、がんの発症率が増えてくる年代でもあります。そこで今日は、「フリーランス女性の体のメンテナンス」についてお話しします。

 

みなさんは、若いころに比べ、体や心の変化を感じていませんか?

私自身は、35歳まではバリバリ仕事、徹夜もOK!という感じだったのですが、そのペースで仕事を続けているうちに体を壊してしまい、「もう若くないのね…」と実感した経験があります。

 

40歳を過ぎると、もう人生の折り返し地点です。経験値も増え、体力だけでなく、知恵でもいろいろなことがカバーできるようになる年齢ですね。

もうすぐ40代後半にさしかかろうとしている私も、体と心のメンテナンスをしっかりするようになったおかげで、面の皮がどんどん厚くなり(笑)、心のコントロールもかなりできるようになりました。

 

「歳をとるのは決して悪いことじゃない」と今は心から思いますが、同時に、「若いときとは違う」という意識を持つことも大切になってきます。

体のメンテナンスという視点から見て、フリーランスという働き方の困った点は、「自分が歳をとったと気づきにくいこと」なんですね。

 

人間の40代は「壮年期」と言われますが、仮に電化製品で考えてみるとどうでしょう。寿命が80年という時計があったとして、40年も動き続けていれば、やはりこまめなメンテナンスが欠かせません。テクノロジーの発達と共に、新商品も次々出てきます。

機械にたとえるのはちょっと乱暴かもしれませんが、そんなふうに考えると、30代、40代の私たちも決して若くはないんですね。時計に油をさしてスムーズに歯車を動かすように、私たちの体にもメンテナンスが必要なのです。

 

できるフリーランスは体も元気。年に一度の健診は必ず受けて

つらい生理痛、「いつものことだから…」と我慢していませんか?

多忙な仕事を理由に婦人科系の辛い症状を必要以上に我慢したり、とりあえず鎮痛剤で様子を見よう…とだましだまし過ごしている方も多いのではないでしょうか。

 

生理痛がひどい場合、子宮内膜症などの疾患も考えられ、手術が必要な場合もあります。

正社員なら、人事部が定期的に「体のメンテナンスをしなさい」とお知らせしてくれますが、フリーランスにとっては、健康管理も自己責任です。子宮がんや乳がんは、30代から罹患率が上がってくることを忘れず、年に一度、自治体が助成している健診は必ず受けてください。

 

できるフリーランスは体も元気です。時間の融通がきくからこそ、体のメンテナンスもぬかりなく! 乳がん検診、子宮がん健診はもちろん、予防接種などもきちんと受けておきましょう。

 

また、「いざというときに仕事を代わってくれる味方」を見つけておくと、フリーランス同士助け合うことができます。

私自身も、出産するときには、何人かの産業医の方に代わりをお願いして仕事を継続・復帰することができました。そのようなネットワークを作っておくと、一人ですべてを抱え込むより心も体も楽になります。そのネットワークには、ぎっくり腰になったときも助けてもらいました。ああ、加齢って悲しい…

 

体力を維持するために、短時間でも体を動かす習慣を女性のカラダは30代から40代で変わる!? 年齢から考える体メンテナンス

30代後半から40代になると、気づかないうちに体力がガタッと落ちてきます。職種にもよりますが、在宅勤務で家から出ない=体を動かさないので体力が落ちる、ということになりかねません。かく言う私も、腰痛と戦いながらこの原稿を書いています(笑)

 

体力を維持するためには、何かひとつ、体を動かす習慣を持つことをおすすめします。私の場合は、35歳からヨガをスタートし、最近は水泳を始めました。水泳は、短い時間で体が楽になるのでおすすめです。

ウォーキングや水泳などの有酸素運動だけでなく、ダッシュや腕立て伏せ30秒などの無酸素運動でも、抗ストレスホルモンが出ることがわかっています。短い時間でも、リラックスすることは可能なのです。

 

フリーランスとして長く働き続けるために、毎日少しでも体を動かし、体幹をしっかり作っていきましょうね。

 

柔軟に、新しいことにチャレンジしながら、上を向いて歩こう!

女性の人生には、さまざまな転機が訪れます。月経の始まりや終わりはもちろん、結婚している方なら名字が変わったり、出産してライフスタイルが変わったり。そのような大きな変化に柔軟に対応できるのは、やはり女性ならではの強さだと思うのです(もちろん男性でも、環境の変化に柔軟な方はたくさんいますが)。

 

私自身も、「結婚して名字が変わったら、今まで書いた論文や積み重ねてきたものがなくなっちゃう!」と焦りを感じていました。ライフステージの変化と共に、友人関係もどんどん変わっていくし、加齢と共に白髪が増え、しわも増え、肌はハリがなくなり、悲しい…と思いつつも、今、こうしてフリーランスの産業医として仕事をし、これからまだまだいろんなことに挑戦したいと考えています。

 

この記事を読んでくださっている方も、組織に頼ることなく、腕一本で仕事をしている/したいと考えている方が多いのではないでしょうか。

フリーランスの楽しさは、「楽しい仕事を選んでやれる」ことです。保守的なことは他の人に任せ、体の変化は専門家にしっかりと相談しながら、どんどん新しいことにチャレンジしていきましょう!

 

ふだん自宅で仕事することが多い方は、たまには「旅先で」「実家で」「お気に入りのカフェで」など、場所を変えて仕事をすることも、気分転換になるのでおすすめです。実はこの原稿も、旅先で書いているんですよ。いつも同じ場所でパソコンの画面に向かって仕事をするだけではなく、たまには外の空気を吸って、「上を向いて」歩いていきましょう!

健康診断や予防接種なども自己管理のうちね!意識的に運動もしなくちゃね!フリーは体力勝負!
byサキ

野尻紀代美
産業医(労働衛生コンサルタント)、内科(呼吸器)、日本ストレスチェック協会ファシリテーター

佐賀医科大学医学部医学科(現佐賀大学医学部医学科)卒。卒業後、東京逓信病院にて6年間、内科・呼吸器内科スタッフとして勤務。30歳のとき、3人で株式会社ヘルスケア・コミッティー起業。35歳で会社売却。この間、産業医・僻地診療、訪問診療などを経験。一児の母。
現在は産業医としてクライアント9社担当、僻地診療と東京での診療継続中。
趣味は散歩、水泳、自己逃避、読書。
https://www.facebook.com/westfield.consulting.Inc/

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします