確定申告のシーズンが近づいてきました。会社員なら会社が代行してくれる税金の手続きも、フリーランスの場合は自分の責任で進めなければなりません。確定申告の基本をお伝えした前回に引き続き、税理士の日下部寿子さんに、帳簿のつけ方について教えていただきました。

 

Q どうやって帳簿をつけたらいいのですか? おすすめの会計ソフトはありますか?

「帳簿」とは、1年間の取引の内容の記録です。難しく感じられるかもしれませんが、最近は、会計の専門知識がない方でも直感的に記帳することができるソフトやサービスがいろいろあります。

中でも確定申告初心者の方におすすめなのが、「freee(フリー)」などのクラウド会計ソフトです。

※freee(フリー) https://www.freee.co.jp/

 

銀行口座やクレジットカードを同期すれば、出入金履歴を取り込むことができますし、アプリを使ってスマートフォンのカメラで領収書を撮影すると、その領収書が何の経費に該当するのか、自動的に推測してくれる機能もあります。通勤電車の中やランチタイムなどのスキマ時間に、ソフトが推測したデータを確認・登録するだけで、経費の帳簿つけを終わらせることができ、大変便利です。

このようなソフトを活用すれば、複式簿記で65万円控除の青色申告に挑戦する方も「借方」「貸方」などを意識することなく、家計簿感覚で記帳することができるのでストレスがありません。

 

 

Q 帳簿や領収書は、データ形式で保存しておいてもいいですか?

作成した帳簿や経費の領収書は、その種類に応じて、7年間または5年間の保存が義務づけられています。会計ソフトを利用していても、帳簿や領収書の保管は紙ベースで保管することが原則です。

 

電子帳簿保存法という法律が定める所定の手続きを踏めば、データとして保存することも可能です。ただし、仕事も帳簿管理もすべてを一人でこなしているフリーランスの場合、帳簿の内容や保存方法が適切かどうかを検証するため、税理士との契約が必要になるなど、一定のコストがかかります。コストパフォーマンスを考えると、フリーランスとして個人で仕事をしている方は、紙で保存するのが現実的です。

 

前述したfreeeなどの会計ソフトを通じて、撮影した領収書をデータで保管している方なら、紙の領収書を1か月分ずつまとめてクリアファイルに保管しておくだけで十分です。そうでない方も、経費が発生した日付順に、領収書をノートやファイルに貼りつけるようにすれば、楽に管理ができるはずです。

 

 

Q 申告書に間違いがないかどうか不安です。誰に相談すればいいですか?

毎年確定申告のシーズンになると、各地域の税理士会などが、税理士による無料相談会を開いています。自分で作成した確定申告書を持参してチェックしてもらうこともでき、初めて確定申告をする方におすすめです。

また、各地域の小規模事業者で構成される「青色申告会」という組織に所属すると、月会費は必要になりますが、記帳や確定申告の相談に乗ってくれます。

多忙で時間が取れない方は、記帳や申告書作成の作業を税理士に依頼するという選択肢もあります。「会計ソフトを導入したけれど使いこなせない」という場合など、慣れるまで最初の数か月間だけサポートを受けることも可能ですから、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。

※記事の内容は、2016年10月現在施行されている法律に基づくものです。

ツールやソフトを使って賢く効率的に整理すると後々楽になるわね。
byサキ

税理士 日下部寿子

税理士法人・税理士事務所での8年間の勤務経験に加え、国内生保系資産運用会社の社員として、12年間にわたり、有価証券報告書作成、税務調査及び監査法人監査対応、総務・人事業務などを担当した経験を持つ。2015年、北区赤羽に日下部寿子税理士事務所を開業。会社員経験を活かし、法人・個人事業主の「税務・会計のホームドクター」として、確定申告や相続税に関することから経理に関することまで、幅広く相談を受け付けている。
http://www.kusakabetax.com/

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします