「働きながら学びたい」「再就職する前に資格を取得したい」
そんなとき、一定の条件を満たせば、学ぶためにかかった費用の一部を受け取ることができる制度があります。どんな場合に、いくら支給されるのでしょうか。女性の雇用問題等に詳しい社会保険労務士の佐佐木由美子さんが、「教育訓練給付金」の仕組みを解説します。

 

学びたい人におすすめの「教育訓練給付金」

「教育訓練給付金」とは、働く人の主体的な能力開発を支援するため、一定要件を満たした場合に、学ぶためにかかった費用の一部を支給する制度です。自ら費用を負担して、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、本人がその教育訓練施設に支払った経費の一部を、雇用保険の給付金として受け取ることができます。

今働いている人だけでなく、既に退職した人も利用できるので、「一定期間しっかりと学んでから働きたい」という方におすすめです。

 

教育訓練給付金には、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」の2種類があります。
「専門実践教育訓練」では、業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする講座や、専門学校の職業実践専門課程、専門職大学院など、中長期的なキャリア形成を支援する講座が指定されているのに対し、「一般教育訓練」は、比較的短期間に訓練ができる講座が開催されています。

 

MBAや公認会計士、弁護士資格を目指す講座も

専門実践教育訓練は、1年以上3年以内の期間でプログラムが設定されており、対象となる講座は主に下記の通りです。

1)業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設の課程

【対象となる業務独占資格】
助産師、看護師、准看護師、理学療養士、作業療養士、歯科衛生士、美容師、建築士など

【対象となる名称独占資格】
保健師、調理師、栄養士、介護福祉士、社会福祉士、保育士 など

2)専門学校の職業実践専門課程

3)専門職大学院

 

近年では、長期的なキャリア形成のため、子育てに目途がついてから大学院へ進学する女性も増えています。社会人経験のある方が、MBA(経営学修士)や公認会計士、弁護士などのプロフェッショナルを目指して学ぶというスタイルも、これからの時代は十分に考えられるでしょう。

 

たとえば、MBAを取得する場合、認定校には早稲田大学大学院や一橋大学大学院、青山学院大学大学院などさまざまな学校があります。
下記のサイトから、詳しく講座を検索をすることができますので、興味のある方はチェックしてみてください。
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/senmon_kensaku/T_K_bunya

 

気になる支給額は?

「専門実践教育訓練給付金」は、在職中または退職から1年以内(妊娠、出産、育児、疾病等で教育訓練給付の対象期間が延長された場合は最大4年以内)で、雇用保険の被保険者期間が原則として10年以上(初回に限り2年以上)である方を対象に、教育訓練施設に支払った経費の40%に相当する額が支給されます。ただし、支給額の上限は年間32万円です。

 

また、教育訓練の修了後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された方、又はすでに雇用されている方に対しては、教育訓練費の20%に相当する額が追加で支給されます。この場合、併せて訓練経費の60%に相当する額が給付されることになり、これらを合わせると訓練期間が2年間の場合、最大で96万円が支給されます。

 

「一般教育訓練給付金」の場合、在職中または退職日から1年以内で、雇用保険の被保険者期間が3年以上(初回に限り1年以上)である方を退職に、教育訓練施設に対して支払った経費の20%に相当する額が支給されます。ただし、支給額の上限は10万円です。

 

45歳未満の退職者には、さらにラッキーな制度も

専門実践教育訓練の受給資格のある方で、45歳未満の退職者の場合、雇用保険の失業手当の50%相当額を、訓練期間中2か月ごとにもらえる「教育訓練支援給付金」という制度もあります(平成31年3月31日までの時限措置)。
訓練期間は1年~3年と長期間に及ぶので、こうした手当をプラスアルファで受け取れるなら、よりラッキーです。
自分が利用できる制度をよく確かめ、賢くスキルアップを目指しましょう!

いろいろ利用できる制度があるのね!私もお得にスキルアップしたいわ
byチハル

社会保険労務士
グレース・パートナーズ社労士事務所代表 佐佐木由美子

中小・ベンチャー企業を中心に就業規則、人事労務・社会保険面をサポートするほか、女性の雇用問題に力を注ぎ、出産後も女性が働き続けられる雇用環境をサポート。著書に「知らないともらえないお金の話~病気、ケガ、育児…人生の転機でもらえる給付金活用術」(実業之日本社)等。働く女性の職場環境改善のための情報共有サロン「Salon de Grace」、Facebookページ「グレース・プロジェクト」主宰。
http://www.sasaki-sr.net/

 

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