働き方や今後のキャリアについての悩みや不安――どう考えて、どう対処していったらいいでしょう?30代40代の働く女性に対するサポート経験が豊富なキャリアカウンセラー・島谷美奈子さんがお答えします。

【今回のお悩み】

親の介護も気になるし、地元に戻って働きたい。
正社員とフリーどちらがいい?(36歳・会社員)

地方から上京して東京で就職し、独身のまま仕事を続けてきました。将来の親の介護も気にかかっており、地元へのUターンを考えています。地元企業で正社員として再就職を目指すか、思い切ってフリーランスとして仕事をしていくか、迷っています。

首都圏で働き続けていた女性が、社会人経験10年を過ぎるころから地元へのUターンを考え、情報収集を始めるというケースが増えています。その理由のひとつとして、親に何かあったらサポートできるように近くに住みたいとおっしゃる方が少なくありません。
今回は、働く女性がUターンを考えた場合に準備しておきたい3つのことについてお伝えします。

 

1)就活は「地方特性」を理解して始める

最近、地方の有名企業が「女性総合職」「女性専門職」の中途採用を積極的に行うようになり、ニュースにもなっています。このような手法は「ポジティブアクション」と呼ばれ、職場の女性の割合が40%以下と極端に少ない場合に限って許されています。

※参考:『女性に絞り幹部候補急募』(日本経済新聞電子版)

http://style.nikkei.com/article/DGXMZO96148300V10C16A1NZBP00?channel=DF061020161183&style=1

働く女性がUターンを考える場合、「女性社員が少ない」「若手が育つには数年かかる」などの課題を持つ地方企業に転職し、これまでの総合職や専門職の経験を活かして、リーダーや管理職として働くことも選択肢のひとつになるでしょう。

 

地方のベンチャー企業で、コアメンバーとして活躍する

また、実は「地方にはベンチャー企業が多い」ということも、ぜひ知っておきたい事実です。

中小企業庁の平成26年度のデータによると、開業率の高い都道府県は、IT業界の起業事例が多い沖縄県、復興支援からの起業の宮城県福島県、「スタートアップ都市」により若手の創業支援に力を入れる福岡市を抱える福岡県などとなっています。

豊富な社会人経験を活かし、スタートアップ企業の成長を支えるコアメンバーとして参画することや、フリーランスとして専門性を活かして関わることも考えてみるとよいでしょう。

首都圏に比べて求人が少ない地方において気を付けたいことは、地元の人材と同じポジションを争うのではなく、地元の人材では難しい領域をカバーする、もしくは新しく創造し地方の成長に寄与するということです。

私の周りでは、若手女性社員のロールモデルとなる女性管理職として活躍する女性や、首都圏から地方へ移住したい方をサポートする事業を立ち上げた女性などがいらっしゃいます。

 

※Warisでは、福岡や名古屋で女性の新しい働き方を考えるイベントを開催しています。
お近くにお住まいの方はぜひご参加ください!

名古屋でのイベント http://ptix.co/2eJlBJV
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2)家族の本音も聞き出しておく

せっかく地方に移住しても、短期間で都市部に戻ってくる方は少なくありません。「久しぶりの地方生活が現在の自分には合わなかった」「家族との関係が悪化してしまった」などのケースです。
Uターンを決める前に、そもそも、あなたが地元に戻ることを家族はどのように考えているのか、話し合っておくことも大切です。

ひょっとすると、ご両親は地元の一戸建てを手放し、生活に便利な都心部のマンションへの転居を考えているかもしれません。他の兄弟との同居を希望している可能性もあります。
私の周りでは、娘の出産や転勤を機に、ご両親が地方から都市部に移住・転居した事例もあります。地元で一緒に暮らすことだけが、シニア世代にとってベストな選択肢とは限らないのです。

また、首都圏の便利な生活に慣れていると、地方での生活に物足りなさを感じることもあるでしょう。定期的に帰省して、家族に将来の希望について聞いたり、地元の方々と交流して人脈を作っておいたがよいでしょう。

 

 

3)「変えたいのは何か」をあらためて見直す

 地元にUターンして働き続けることを決断した後は、地元での就職活動や、現在の職場に対してリモート勤務ができないかの働きかけを行うことになります。
既にフリーランスとして働いている方なら、現在取引があるクライアントに、リモート勤務での契約継続を提案することも必要となるでしょう。

 

地元に戻って働くことを考えて準備を進める時間は、自分のコアキャリアと市場価値を見直し、家族との関係も見直すことができる、人生において実りある時間となるでしょう。
働く女性がUターンを考えるとき、本当に変えたいのは、家族との関係や仕事の環境ではなく、「自分自身のキャリアとの向き合い方」なのかもしれません。

Uターンを考えるときは、ある意味『転機』なのかも。
家族と相談し、自分のキャリアを見つめなおすのにいい機会なのね。
by ナオコ

キャリアカウンセラー/島谷美奈子

国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー。福岡県出身。15年以上にわたり人材ビジネス業界、公的機関等にて人材活用・キャリアカウンセリングに従事。のべ5000名以上のカウンセリング実績を持つ。現在は、株式会社Warisでキャリアカウンセラーを担当するほか、女性の再就職セミナー講師、大手企業の職場環境改善委員を務める。横浜ウーマンビジネスフェスタ2015・2016実行委員。
http://waris.co.jp

 

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