賛同者2万人以上!「長時間労働撲滅プロジェクト」

今、「長時間労働削減」へ向けた議論が大きなうねりを生んでいます。

電通の若手女性社員が過労死したニュースが各メディアでセンセーショナルに取り上げられ、ネット上では、
NPO法人ファザーリング・ジャパン理事の西村創一朗氏が発起人となって、「長時間労働撲滅プロジェクト」を発足。
すでに2万人以上の賛同者を集めています。

私自身は、10年以上女性のキャリアに関連する仕事に携わってきて、「長時間労働こそが女性のキャリアを阻害している」と強く感じています。

 

長時間労働ベースでは女性が評価されにくい

第一に、多くの日本企業では、「長時間労働」が今なお「スタンダード」です。
当然のことながら各社の評価・報酬制度も長時間労働と強く結びついています。

ですから、育児を理由に女性が「短時間勤務」を選択すると、
責任ある仕事を任せてもらえなかったり、周囲から自身の仕事をなかなか評価してもらえなかったりといった事態に直面します。

私たちの会社に寄せられる以下のような女性たちからのコメントは、実情をよく表しています。

 

「新しい仕事が舞い込んできたときに、(時間に制約があると)メンバーに選ばれない」

「(時短勤務では)常にサポート業務しかやらせてもらえない」

「今の評価制度では時短勤務になると、昇進・昇格できない」

「時短勤務になったことで基本給はカット。(時短では)評価が得られず賞与もダウン。新入社員並みの報酬になってしまった…」

 

「長時間、会社にコミットする」ことが評価される中で、育児を理由に時間的制約を抱えた女性がモチベーション高く、イキイキと働き続けることは決してたやすいことではありません。
実際、厚生労働省の資料によれば、第一子出産前後で仕事を辞める女性の割合は5割を超えます。

特に大卒・院卒女性についてはその傾向が顕著で、日本総研の調査によれば、新卒時点で正規雇用の職についた女性のうち、結婚・出産した女性の約8割が正規雇用の職を離れ、うち約6割が専業主婦へと移行しているそうです。


長時間労働で疲れ切り体調不良に陥る女性たち

第二に、長時間労働とそれに伴う不規則な生活やストレス、運動不足が体調不良や、さまざまな病気を引き起こしている実情があります。

実際、30代40代の女性たちの話を伺っていると、働きすぎによる心身の不調が原因で思い切り働けない、
働き方を見直さざるをえないといった状況に追い込まれている人が少なくありません。

病気というわけではありませんが、不妊治療を理由に、時間や場所にとらわれない働き方を模索する方もいます。

変化の激しい現代にあっては、受け身的にキャリアをとらえるのではなく、「自分で自分のキャリアの主導権を握る」ことがとても重要です。
今勤めている会社が5年後、10年後にどうなるかなんて、誰にもわからないからです。

5年後10年後の自分のビジョンを描いて、それに向かって必要な経験やスキルを能動的に磨く姿勢が求められます。

しかし、長時間労働で心身ともに疲れ切ってしまうと、とてもそんなことまで考える余裕がありません。
自己研さんの時間を確保することもできません。

pixta_21577525_S長時間労働で男女の「性別役割分業」が固定化

そして第三に、長時間労働が常態化した中では、家庭内の「性別役割分業」が固定化されてしまう問題があります。

私は2013年からプロスキルを持つ女性に時間や場所にとらわれない自由なお仕事をご紹介する仕事をしてきました。
つくづく感じるのは、女性だけが働き方を変化させても、根本的な解決にならないということ。
男性が長時間労働のままでは、結局、女性が仕事に加えて育児・家事についてもメインで担う状態を抜け出せないのです。

一人ですべてを担うことは不安・孤独と常に隣り合わせですし、心身ともに大きな負荷となります。
必要以上に女性が仕事をセーブせざるをえない要因にもなっています。

こうした事態を考えるに、女性が本当の意味で「活躍」するためには長時間労働の撲滅が必須です。

 

そのうえで、性別問わず、個人が①時間・場所から解放され、②ときに組織からも解放され、

自由に能力を活かせる「新しい働き方」が求められています。

田中美和プロフィールPH

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和

日経ホーム出版社・日経BP社で約10年編集記者。特に雑誌「日経ウーマン」で女性のキャリアを広く取材。調査・取材で接してきた働く女性はのべ3万人以上。女性が自分らしく働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスを経て、2013年ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。共同代表。著書に「普通の会社員がフリーランスで稼ぐ」がある。
http://waris.co.jp

 

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