大手企業でも「副業解禁」の流れ

「ロート製薬 副業解禁」――今年2月、メディアで大々的に報じられたニュースをご記憶の方も多いのではないでしょうか?新たに制定された「社外チャレンジワーク制度」を活用することで、同社社員は人事部の許可を得て休日や就業時間外に、社外で働き収入を得ることができるのです。実際、すでに80名近い社員が申請し、ベンチャー企業を立ち上げたり、NPOへ参画したり、薬剤師資格を活かして調剤業務についたりといった事例が生まれているそうです。

 

ロート製薬以外にも、自由な人事制度で知られるサイボウズなど、社員の副業を認める企業は少なくありません。Warisにも「勤務先が副業OKなので、フリーランスの仕事を紹介してほしい」という理由でご登録いただく方が増えています。特にここ1年くらい目立つようになってきた印象を受けます。

実は私たちWaris自身も「兼業OK」としており、社内には複数の兼業経験者がいます。今日は、社内外の事例を見ていて感じる兼業(パラレルキャリア)のメリットや注意ポイントをお伝えしたいと思います。

 

兼業で個人のスキル・経験は深まる!

兼業のメリットの一つは、間違いなく個人のスキル・知識を深める経験ができるということです。これが直接的もしくは間接的に本業のパフォーマンスにもつながっていきます。

 

例えばWaris社員であるKさん。彼女は社内で人事・総務関連業務を担当しています。3カ月間にわたり、兼業で社会保険労務士事務所でのアルバイトを経験しました。この結果「労務業務の一連の流れを、実務から理解することができた」と語ります。

Warisのご登録者であるNさん。彼女は大手の教育サービス系企業で勤務しており、育休中にご自身のマーケティング領域での経験を活かして、業務委託でとあるベンチャー企業の新規事業立ち上げに関わりました。「この経験は、育休復帰後の自分自身のキャリアに活かしていきたい」と話します。

KさんやNさんの例は、ダイレクトに本業に活きるスキル・経験が得られたケースです。

 

まわりまわって本業にプラスに!

一方でこんなケースもあります。Warisに勤務するSさんの事例です。Sさんは、普段は対企業の営業職として働いています。しかし、今年3月から4カ月にわたり、知人のIT企業でパートナーアライアンスに関するアドバイザリー業務に従事しました。本業とは異なる領域の業務でしたが、「兼業を通じて自分自身の『幅』が広がった」と話します。モノづくりをしている企業で仕事をしたのも初めての経験で、今後、同種の企業様と接するうえでベースとなる知見が得られたと言います。

同じくWarisに勤務するMさんの事例。Mさんは社内では営業アシスタントとして働いていますが、平行して空いた時間にアロマテラピーの仕事もしています。「兼業することがいい気分転換になっています。本業にも私生活にもハリが出てきました」と語ります。

普段の仕事とは違う領域だけれども、兼業を経験することでまわりまわって本業にもプラスの効果が期待できる――Sさん、Mさんはそんな事例です。

 

兼業で「任せてもらえる」自分になる!

兼業をする際は、上長や人事部に申請して始める方が多いと思います。そうすることで、周囲にあなたの興味・関心を知ってもらうきっかけになります。興味・関心を知ってもらうことで、本業のほうでも、関連のある業務を任せてもらえる可能性が高まりますね。これもメリットです。

また、会社(経営)側にとっては多様な生き方を許容することで、兼業を実践する個人から会社に対する帰属意識や貢献したいという気持ちが芽生える場合もあります。

 

パラレルキャリアの落とし穴…成功のカギは?

人生を豊かにするパラレルキャリア。
難しさはないのでしょうか?

パラレルキャリアを実践する誰もが口にするのが「時間管理」と「健康管理」の大切さです。

パラレルキャリアはあくまで「本業」あってこそ。
本業務の合間を縫って兼業をするので、両方の業務でしっかり成果を出していくために、
時間を適正に管理し、効率的に業務を遂行する力が求められます。

この時間管理がうまくいかないと、体に負荷がかかって体調を崩してしまう場合もあります。

意義あるパラレルキャリアをするうえで必要なのは、目的意識を持って始めること。

「自分の持っているスキルや専門性を活かして新しいことにトライしたい」

「今の仕事では得られない何かを学びたい」――

なんとなくではなく、明確な目的意識が不可欠です。

田中美和プロフィールPH

株式会社Waris共同代表・キャリアカウンセラー 田中美和

日経ホーム出版社・日経BP社で約10年編集記者。特に雑誌「日経ウーマン」で女性のキャリアを広く取材。調査・取材で接してきた働く女性はのべ3万人以上。女性が自分らしく働き続けるためのサポートを行うべく2012年退職。フリーランスを経て、2013年ハイスキル女性と企業とのフレキシブルなお仕事マッチングを行う株式会社Warisを共同設立。共同代表。著書に「普通の会社員がフリーランスで稼ぐ」がある。
http://waris.co.jp

 

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